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VRChatは低スペックPCでも動くのか?

はじめに

巷で話題になっているメタバース。
その中でも、最近人気が急上昇しているプラットフォームが「VRChat」である。

しかし、ゴリゴリの3Dアプリケーションであり、それなりのPCスペックが必要となると思われるが、実際はどうなのか軽く動作確認を実施した。

(そもそも)VRChatって何?

ざっくり、3Dのアバターを用いて、他のプレイヤーとおしゃべりをするアプリケーションである。
ウィンドウモード(従来の一人称視点での操作)に加えて、VRゴーグルを用いたVRモードに対応しており、没入感のある体験ができる。

近年、VR機器の普及に伴って人気沸騰しているプラットフォームである。

また、使用するアバターやマップについてもユーザーが自ら作成できるという自由度の高さについても大きな特徴である。

VRChatの動作要件について

Steamの公式サイトには、次のように記載がされている。

プロセッサー: Intel® i5-4590 / AMD FX 8350 equivalent or greater
メモリー: 4 GB RAM
グラフィック: NVIDIA GeForce® GTX 970 / AMD Radeon™ R9 290 equivalent or greater

数値で比較しやすいよう、ベンチマークソフトである「PassMark」のスコアについても記載しておく。

CPU Mark
Intel® i5-4590: 5,360
AMD FX 8350 : 6,033

GPU(VideoCard) Mark
NVIDIA GeForce® GTX 970: 9,641
AMD Radeon™ R9 290: 8,400

実測

測定する上の環境として

  • 画質などすべての設定はデフォルト

  • 画面解像度は1080p、DPIスケーリングなし。

  • ウィンドウモードでウィンドウを最大化

  • ネームプレートを非表示

上記を統一した。


環境1: MinisForum DMAF5

AMD Ryzen 5 3550Hを搭載したミニPC。
世代的には少し古いが、軽作業をするのであれば十分なスペック。

  • CPU: AMD Ryzen 5 3550H (CPU Mark 7,858)

  • メモリ: 16GB

  • GPU: Vega 8 (専用VRAM 2GB) (GPU Mark 1,743)

  • Windows 11 Pro

VRChatの動作環境と比較すると、CPUの能力としてはクリアしているが
GPUの能力がぜんぜん足りていないように見える。

テスト1: デフォルトのワールド、ソロ

デフォルトのワールド。

CPU使用率は70~80%の間を推移、GPU利用率は6割くらいを維持。
50FPSをコンスタントにたたき出し、十分プレイ可能な環境であった。

テスト2:パブリックワールド

パブリックワールド。
視界内に50MB級のアバターが2体いる。

CPU使用率は90%台だが、天井張り付きになることはなかった。
GPU利用率については6割くらいを維持。
30FPS程度までパフォーマンスが落ち、多少ストレスを感じるもののプレイ可能な環境であった。


環境2: Lenovo Thinkpad X250

10年近く前のラップトップ。
現役とはいかないが、サブ機としてはまだまだ使える端末。

  • CPU: Intel® Core i7-5600U (CPU Mark 3,016)

  • メモリ: 8GB

  • GPU: HD Graphics 5500 (GPU Mark 584)

  • Windows 10 Pro

ゲーミングPCとして見ると非力にも程があるスペック。
特にGPUの能力は最小要件の1/10にも満たない。

テスト1: デフォルトのワールド、ソロ

デフォルトのワールド。

この時点でGPU使用率が天井張り付きになってしまった。
CPUについてはまだ若干余裕がありそうだが……
20FPS前後をウロウロしており、ラグを感じる。

テスト2:パブリックワールド

パブリックワールド。
視界には誰もいないが、ワールドに10体ほどのアバターがいる。

パフォーマンスグラフを見る限りデフォルトワールドと大差ないように見えるが
10FPS前後までパフォーマンスが落ち、かなりのラグを感じる。


おわりに

ざっくり手元のPCで動作確認を行ったが、最小環境に届かない非力な環境でも動作することは確認ができた。

GPUについては、動作環境で要求しているものはあくまでもVRモードを使う場合の話であり
デスクトップモードで動かすことを主軸にするのであれば、多少非力な環境でも問題なく動作するものと推測できる。

※ただし、CPU能力については 少なくとも最小要件以上のものを用意しておく必要があるだろう。


おそらくだが、DMAF5の1.5倍程度のスペックを用意すればある程度快適に動作するのではないかと推測している。

では、それがどの程度かというと、たとえば以下のようなものが挙げられる。

  • CPU: Intel® Core i3-10320 / AMD Ryzen 3 4100 もしくはそれ以上

  • GPU: NVIDIA GeForce® GTX 750 / AMD Radeon RX 560 もしくはそれ以上

Ryzen 3 4100については実売5,000円程度、GPUについても中古で1万円以下が相場のようだ。
そう考えると、金銭的な敷居はかなり低くなっているのではないかと感じる。

注:動作を保障するものではありません




素敵なVRChatライフを!

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