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熊谷高校 柔道部のOB会に参加してきた

私は中学から高校まで柔道にうちこんでいた。強くなかったが、異常に好きで熱心に取り組んでた。部活以外にも朝1人でランニングをしたり、市外の道場に稽古しに出かけていた。

高校のころに平凡な実力がこれ以上伸びることがないと悟ると、とても高校卒業後にも柔道をつづける気分にはなれなかった。
対人格闘技の多くがそうかもしれないが、勝てないと面白くないスポーツはある。熱烈に打ち込んでいた分、失望する気持ちもあって大学以降に柔道をする機会はなかった。

それでも打ち込んだ青春の思い出はいいと思える機会があった。

先日、高校の柔道部OB会を開催案内が実家に届いていた。そのような私宛のDMが届くたびに母が連絡をくれる。ちゃんと内容を確認したかったので、ハガキ自体を郵送してもらう。

どうやら午前中は高校の道場で現役部員が稽古してる様子を見学することもできて、昼以降に校内にある「くぬぎ会館」というホールでOB総会がひらかれるらしい。
今まで行ったことがなかったが、こういう催しにはできるだけ参加した方が良いのでは、という心境の変化もあり、出席に丸をつけてハガキを郵送しておいた。

OB会は11/23(木)の勤労感謝の日に開催された。
せっかくなので現役部員の稽古の様子も見学したいと思い、午前中から学校に行ってみることにした。
稽古は10時から始まるのだが、それに間に合わせるためには川崎にある自宅を7時すぎには出なければならない。休日にしては早起きだが、せっかくなのでと思い気持ちをふるいたたせる。グリーン車でコーヒーをすすりながら読書してるので、一度電車に乗ってしまえば楽である。良いご身分だ。

卒業以来久しぶりに訪れる熊谷駅は、私が学生だったころと違い、プロラグビーチーム「埼玉パナソニックワイルドナイツ」の装飾がいたるところにあった。(私が学生だったことの熊谷の推しといえば「熱いぞ、熊谷!」だった。気温的な意味で「日本一暑い」街だったので、その暑さを推しにしていた)
若干の隔世の感を感じつつも、バスで高校を目指す。

こういうお店、熊谷っぽい


埼玉県は北部と南部で雰囲気がちがう(と思う)。
大宮は都会的だが、それより北部になると北関東感のある雰囲気をおびてくる。生まれ育ちが北部の民としては、そんな街並みに落ち着くところもあるし、たまらなく懐かしい気持ちになる。

バスを下車してから高校に行くまでの間に、セブン-イレブンがある。このセブン-イレブンには軽食を買いによく立ち寄っていたのだが、レジのオバさんがよく声をかけてくれたので思い入れがある。大学に合格したときも喜んでくれたものである。当然今は知らないスタッフで運営されていて、「店は同じなのに中で運営している人は知らない」というちょっとセンチな気分になる。あのオバさんは今ごろどうしてるかな。

熊谷高校に到着すると、グラウンドでサッカー部が練習試合をしていた。校内で顔をあわせる高校生は礼儀ただしく、顔をあわせると挨拶してくれた。
せっかくなので道場に行く前に校舎をグルっと散策する。
1年生のときの教室は1階にあって、休み時間に窓から外に出入りしていたのだが、その窓を見れて懐かしい気持ちになる。

道場に行くと、思いのほか人が多い。部員が激増したのか?と思ったが、他校の生徒が出稽古に来てるとのこと。直近で卒業したOBも練習に参加してるので人が多いのだが、現役部員は10人に満たない状態で、部員数の確保には苦労しているようだ。自分も稽古したかったのだが、膝の手術以降運動があまりできないので、すみっこで見学だけした。

稽古が終わり、OB総会が校内にある「くぬぎ会館」で開催された。残念ながら直接自分の世代のOBはいなかったので、世代のちかしいOBや学生になるべく話しかけることにした。
自分の卒業といれかわりに入学していたK君は、埼玉県警に就職していたり、全国大会に出場していた先輩がまったく今は運動してなかったり、確実にゆっくりと時間がすぎてることを実感する。

OB総会には40代以上の先輩もたくさんいるのだが、元気なオーバー40をみると励まされる。今自分は35歳。これからの生き方も、これまでに負けないぐらい大切だと感じる。
今年退任した顧問の先生は、部員がどんなにすくなくても懸命に指導していたが、とても慕われていた。コスパ・タイパを度外視して向き合うからこそ得られるものをたくさんもってるんだろうな。

意外な出会いもあった。
現在大学4年生のS君は、大学も自分と同じだった。アメフトチームで活躍するS君は、総会の最後に校歌を歌う場面で、応援団の音頭をとって場をしきるような陽キャだ。経歴がちかしいことにシンパシーをおぼえて会話もはずみ、彼とは後日渋谷でサシ呑みもすることになる。エンジニア派遣を生業とするスタートアップに就職するとのこと。がんばってほしい。

卒業以来、柔道に接することはほとんどなくなり、熊谷に行くこともほとんどない。が、たまにこうして緩やかに今の自分につながってる過去をふりかえったり、自分と重なる経験を共有できる人と話せるのは楽しい。
気持ちをあらためる良い祝日になった。

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