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幸せな思い出-その1-

生母の実家には、
あまり大きくない庭がありました。

祖母が丁寧に手入れをして、
季節毎に
キレイな花が咲いていたことを
覚えています。

そんな庭に枇杷の木が一本あって、
毎年たくさんの実がなって
枇杷が大好きな私は、
枇杷の季節に
生母の実家に行くのが、
楽しみのひとつでした。

時には、大好きな祖父に
抱っこしてもらい、
自分で収穫もさせてもらったっけ。

溺愛してくれた祖父は、
私の為に、家族の誰に対しても
枇杷を食べることを
許さなかったらしい(笑)

そして、
両親の離婚後
父の元に残ることになった私。
それ以来
生母の実家には
行けなくなったことで、
祖父母は哀しい思いをしていた。

特に枇杷の実が生る季節には、
枇杷の木を淋しそうに
見つめていた祖父の姿があったと、
成人してから再会した生母から
聞かされました。

我が家に枇杷の種を植えて、
8年?9年?
昨年始めてたった2つだったけど、
実をつけた。

今年は、びっくりするくらい
たくさんの実をつけてくれ、
今日少し収穫しました。

私を抱いて一緒に収穫した
あの日の祖父を思い出して、
この枇杷をいただこうと思います。

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