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2021シーズン ライオンズ7回戦

F 1 - 7 L in西武ドーム 対戦成績2勝4敗1分

伊藤大海が勝てない。ルーキーが苦しんでいる。

金曜日の登板を彼は「開幕投手の方々に育てて貰えるチャンス」だと語ったらしい。
出来物過ぎるだろう。
だが、伊藤大海という投手はそういう選手なのだ。
相手の大きさに関係なく、チームに勝利をもたらすべく、今日もマウンドへ上がるのだ。

立ち上がりは悪くなかった。
高校の後輩・若林から三振を奪うと、続く源田も三振。スライダーが有効に働いていた。
2アウトから、森の当たりはレフト線ギリギリで残りアンラッキーな形で出塁を許すと、4番中村に四球。5番栗山を内野ゴロで打ち取り、無失点。
いきなり20球投げさせられた。
2回、先頭の山川に投じた初球、こすったような当たりが外野フェンスを越えた。
決して甘かったようには見えなかったが、山川クラスはモノが違うということか。
天敵・呉を歩かせ、スパンジェンバーグはヒットでノーアウト1,3塁のピンチ、ラストバッター鈴木を投ゴロに抑え1アウト2,3塁、若林三振、源田二ゴロでHRの1点で凌ぎきる。
かなりハードな場面、並みのルーキーなら凌げなかっただろう。
この回は18球。山賊打線は簡単には終わらせてくれない。
3回、先頭の森に死球を与え、再びノーアウトのランナーを背負う。
得意のスライダーの曲がりが早い気がする。
そのために打者の胸元をえぐるはずが手前で落ちて足に当たったのだ。
続く中村がおあつらえ向きの二ゴロでWプレー。
栗山にヒットを打たれるものの、山川を二フライに納めこの回無失点。
23球。長い回が厳しくなってきた。
4回、呉、スパンジェンバーグと先ほど出塁を許した相手を連続三振。
鈴木を投ゴロに抑えて、この日初めて笑顔で攻守交代。
ようやく自分の思い描いた形にアウトが取れたのだろう。
それでも18球かかった。
5回、1アウトから源田に内野安打を許すと、すかさず盗塁を決められる。
森を歩かせ、中村の打席でワイルドピッチ、ランナー2,3塁から、首を降って投げたカットボールが甘めにいき、フライかと思われた打球が前進守備の外野の頭を越し2点適時打。
首を降って打たれたわけだから、中村が一枚も二枚も上だっただけだ。
遥輝ならもっと下がれたように思うがたらればを言っても仕方がない。
続く栗山に四球を与えたところでベンチが交替を告げる。
5回持たず。まさにK.O.。103球。
本人は自分の不甲斐なさに珍しく怒っていた。
6安打3失点(降板時)5四死球1暴投。
どうした、と聞きたくなるような内容。
自分に厳しい人だ、そりゃ怒りたくもなる。
ストレートを投じる場面が少なかったことがやや気になった。
力のある良いストレートを持っているのである。
もっとストライクゾーンで勝負しにいっても良いはずだ。
四隅を狙いすぎて見極められた結果がこうなった。
ルーキーなのだ。もっと若々しく大胆な投球が見たい。
いつもは左打者に手こずる伊藤だが、今日は右の好打者に点を決められた。
山賊打線のような場合は、攻め方も変えていかないといけないのかもしれない。
もうひとつ気になったのが、体調管理。
今日の所沢は雨で気温21度くらいの予報だったが、梅雨時期の西武ドームはものすごく蒸すのだ。
それだけでも疲労感があるところに、味方打線が早打ちすぎて休む暇がない。
初回は24球粘ったが、2回3回ともに7球、4回11球、まだ息が上がった状態でマウンドに上がらなければならなかった。
降板後、髪はシャワーを浴びたかのように濡れていた。
伊藤は涼しい北海道で大学まで育った選手。
夏場の内地(!!)の暑さ対策は必須条件だ。
さて、ランナー2人背負った場面でリリーフは玉井。
山川を三振に切ってとったが、呉、スパンジェンバーグと連打を喰らい、さらに守備の乱れもあって6-1。
玉井はリリーフ成功とは言いがたい結果となった。
まぁ、いつもは試合を作る伊藤の緊急降板だ。
ましてや北海道の後輩だ。力むなと言う方が無理だったか。
6回は西村が登板。ヒットも打たれはしたが好投、無失点で繋ぐ。
好投が続いている。登板の多さはベンチからの信頼と考えていいだろう。
7回、8回は望月。ランナーは出すがWプレーで凌いだ7回、8回はランナーを溜めて自分が四球で崩れた。
押し出しで1点追加される。
全般に球がかなり高い。もう少し低めに集めないと今後は厳しいだろう。

打線は1番五十幡はかわらず、西川が3番に入る。淺間、近藤が外れ大田と今日昇格の郡がスタメン。
近藤が軸になっている打線で、彼が外れるのは大変痛い。
中田もいない今、コロナショックの時より淋しい打線しか組めないとは。
怪我の絡みなのだろうが、ルーキーに勝たせる気があるのかベンチに確認したくなる。
初回、五十幡はいきなりヒットで出塁するとすぐさま盗塁、ノーアウト2塁のチャンスメイク。
しかし郡は三振。まだ一軍の球に目がついていかないか。
せめてゴロを打って進塁打にしてほしかった。
西川、王も粘りはするが遊フライ、一ゴロで五十幡を帰せず。
そこからは早打ちの連続である。
2回から4回まで25球で凡退。
援護なしどころか、先発・伊藤を休ませる時間すら作ってやれない。
意地悪?と勘ぐりたくなるほど、伊藤登板時の打線はひどい。
無論、相手投手が良いのは確かだが、今日に関しては早打ちしすぎだ。
5回、2アウトから石井の当たりはあわや、という大飛球、フェンス直撃の三塁打となった。
西武ドーム改修前なら入っていただろう。
そして今年の石井は走塁意識が高いのが、良い。
続く平沼はストレートの四球。
組みやすしと思われたかラストバッター石川。
うまく弾き返し同点。
石井の走塁が点に繋がった。
しかし1点どまり。そして点はこれのみ。
特に右打者は3人ともノーヒット。課題山積み。
粘っていたのは西川と王くらいなものだ。
西川は3打席で四球を選んだ。
無論、選球眼の良い打者だが、高橋光成の荒れ球は早打ちより見ていく方が良いのではないか。
球数を投げさせたり、工夫が必要。
逆に言わせれば、プロなんだから工夫して当たり前のはずだ。
それから大田のところに淺間が入っていたら、違ったかもしれない。
…またたらればを語ってしまった。

中田、近藤を欠く打線はまさに飛車角落ち。
相手からすれば脅威でも何でもない。
そこを切り開いていかなければ、借金ばかりが増えていく。
前日のような集中力をもって、臨んでほしい。
もう負けていられない。

どうしたら伊藤が勝てるのか、悩んでいたら眠れなかった。



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