嘴が特徴的な赤い鳥 イスカ
2023年も残り、僅か。今年も週末には野山や海川池に野鳥観察へ。そんな1年間でしたが、今年はいつかは出会ってみたいと思っていた野鳥2種に出会えました。1種は既に記事にしたヤイロチョウ。もう1種が最近、観察できたイスカです。
イスカは、上下の嘴が互い違いになった特徴的な嘴をもつ赤色の野鳥です。マツなどの針葉樹の種子を食べるために変化したようです。実際は、赤色なのはオスでメスは黄緑色です。
日本でイスカは、冬鳥として観察され、年によって飛来数が大きく変化するようです。今年(2023年から2024年)は、イスカの大当たり年と言われています。私は、どうしてもイスカを観察したかったので、イスカが大量に現れたという日本海側の公園に長距離ドライブをして、観察してきました。わざわざ、出かけましたが、私がよく観察している場所でも観察されているようです。
イスカの名前の由来は、很し(いすかし)。意味は「ねじけている」で、イスカの嘴がねじけているので、很し→イスカになったと考えられます。また、イスカを漢字で表すと「交喙」。嘴が交差しているとで、漢字名も特徴的な嘴からです。
このイスカの交差した嘴がイスカの行動を特徴づけているようです。イスカは、交差した嘴のために種子しか食べれません。他の野鳥のように木の実がない場合は、昆虫を食べるということができないので、種子がないと死活問題に直結します。主食とするマツやスギは、年や地域によって実り具合の差が大きく、食べ物を求めて、大移動するようです。今年はユーラシア大陸東部の針葉樹の種子の生育が悪く、大挙して、日本に飛来したのではないかと想像しています。
もう一つの特徴として、イスカは、年間を通じて繁殖します。他の野鳥が春から夏にかけて繁殖するのに対して、イスカは真冬でも繁殖します。日本でも北海道で繁殖例があるようで、11月から4月の間に繁殖しています。1年中、繁殖できる理由は、子供を育てるために必要になるマツなどの種子が冬でも容易に集めることができるからのようです。
もしかすると、近くでイスカの幼鳥が見れるかもと思うとワクワクします。
私が観察した公園では、集団で飛び回り、マツの木に現れていました。また、一斉に水場に降りて水を飲んでいました。
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