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秋に見られる野鳥 サメビタキ

 エゾビタキと同じ頃に関西で見られる野鳥に、サメビタキがいます。

サメビタキ(2022/10/15)

 サメビタキは、インドネシアやフィリピンなどで越冬し、春に日本に帰ってきて、北海道や東北など本州中部以北で繁殖します。関西では、春の秋の渡りの時期に観察できます。

 サメビタキを漢字で表すと「鮫鶲」。名前の由来を調べてみると、背中の色が鮫皮の色に似ていることから名付けられたようです。「鮫皮」と言われてもピンとこないところがあります。「鮫皮」を調べると、サメの皮を乾燥させたもの、サメではなくエイの一種の皮を乾燥させたものと記載があり、今ひとつわからない。結局、サメビタキの背中の灰褐色が、サメの上面の色に似ているということかなと思っています。

 サメビタキは、体長約13.5cm。頭・背・尾は、暗い灰褐色。翼は、黒褐色。喉・胸・腹は白っぽい色で、灰褐色の縦縞があります。

サメビタキは、胸に太めの縦縞がある(2022/10/15)

 エゾビタキとサメビタキを外見を比べると、エゾビタキの縦縞は、はっきりと縦縞がわかりますが、サメビタキは縦縞の幅が広く、はっきりした縦縞ではないという点が、エゾビタキとの違いです。

左からエゾビタキ、サメビタキ、コサメビタキ。サメビタキは、胸の縦縞がエゾビタキより、太く不明瞭。

 関西では、エゾビタキには春に出会わないのに対し、サメビタキは、春も出会うことがあります。多分、エゾビタキは日本は通過するだけなので、春は偏西風に乗って一気に通過するのに対して、サメビタキは最終目的地が北海道や本州中部以北なので、関西にも降り立って北に向かうのかなと思います。

春に都市公園を通過するサメビタキ(2020/5/17)

 これまで、観察した印象として、秋の渡りの時期にサメビタキは、エゾビタキより少し遅れて現れるのではないかと思います。エゾビタキが、9月中旬から10月中旬に見られるに対して、サメビタキは、9月下旬から10月下旬です。
 裏山では、あまりサメビタキには出会えません。裏山のアカメガシワは、野鳥の争奪戦が激しくて、エゾビタキ以外にも、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、メジロ、コゲラなどが現れて、食べるので、食べ頃になると、すぐに食べ尽くされます。そんな感じなので、サメビタキが現れた頃には、食べる実がないので、あまり姿を見せないのかもしれません。

 サメビタキは、森林公園や低山で観察しています。木の実を食べに現れたり、枝などの先端にとまって、フライングキャッチで、虫を捕まえて食べるサメビタキの姿を観察しています。

木の実を食べに来たサメビタキ(2022/10/24)
木の実を食べに来たサメビタキ(2017/11/3)
木の先端部に止まって、虫を探すサメビタキ(2018/10/27)
木の先端部に止まって、虫を探すサメビタキ(2022/10/15)
木の先端部に止まって、虫を探すサメビタキ(2022/10/15)

 こんな感じで、例年、サメビタキを観察しています。

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