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冬に現れるカモたち(1) 陸ガモ・マガモの仲間
関西で観察できるカモ類は、カルガモを除いて、冬鳥として海や川、湖沼などに現れます。カモは、野鳥の中では大型で、ラグビーボールを押し潰したような平べったい身体に丸いボールのような頭がついていて、水面をぷかぷかと浮いているイメージです。
カモは、多くの種があり、様々な分類があるようです。カモについて、書きたいと思ったので、山階鳥類研究所のホームページに記載されていた①陸上や水面下で採食するカモ、②潜水して水底で採食するカモ、③潜水して魚を捕えて食するカモの3分類で書いてみたいと思います。山階鳥類研究所のホームページでは、3種を①陸ガモ、②潜水ガモ、③採魚ガモと記載していました。
まず、陸ガモについて、書いてみたいと思います。陸ガモは、淡水ガモや水面採取ガモとも呼ばれます。主にカモ科マガモ属・ヒドリガモ属に属するカモ達です。
潜水ガモや採魚ガモが、水の中に潜って食べ物を探すのに対して、陸ガモは、潜らず、陸上や水面・浅瀬で、採食することが特徴です。
陸ガモに限らず大部分のカモは、ユーラシア大陸の北部など緯度の高いところで繁殖し、日本には冬鳥として飛来し、越冬します。湖沼、池、河川、河口、海岸、干潟などの水辺に群れを形成して、冬を過ごします。
関西で観察できる代表的な陸ガモは、マガモ、ヒドリガモ、コガモ、オナガガモ、ハシビロガモです。
マガモは、体長約60cm。オスは緑色の頭、黄色の嘴、白色の首輪が特徴です。メスは全体的に褐色で、橙色が混じります。
マガモを漢字で表すと「真鴨」カモと言えば、マガモということで、命名されたのではないかと思います。
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ヒドリガモは、体長約48cm。でオスは、額から頭頂がクリーム色、顔が茶褐色なのが特徴です。メスは全体的に赤みのある褐色です。
ヒドリガモを漢字で表すと「緋鳥鴨」。頭部の羽の色が緋色に近い色なので、緋鳥と呼ばれ、緋鳥鴨になったようです。緋色は、濃く明るい赤色を示すので、額から頭頂までのクリーム色ではなく、顔の色から名付けられたようです。
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コガモは、体長約38cm。漢字で表すと「小鴨」。名前の通り、日本で見られるカモの中では、最も小さいカモです。
オスは、頭が茶色、目の周りから首の後までが暗緑色。茶色と緑色の境界に白い線があるのが特徴です。メスは、全体的に褐色です。
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オナガガモは、オスが全長約75cm、メスが約55cm。オスは頭が黒褐色、首から胸・腹が白色、後頭部から首まで白い帯があります。メスは、全体的に褐色で濃い部分と淡い部分があります。
オナガガモを漢字で表すと「尾長鴨」。名前の通り尾が長いカモです。他のカモと比べて首と尾羽が長く、スマートな体型です。
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ハシビロガモは、オスが全長51cm、メスが43cm。ハシビロガモの外見上の特徴は、幅広いヘラ型の嘴です。水面に嘴をつけて水ごと食物を吸い込んでいます。ハシビロガモを漢字で表すと「嘴広鴨」。幅の広い嘴のカモということで、特徴的な嘴から命名されています。
オスは頭が暗緑色、背が灰色、胸は白色、腹は赤褐色です。メスは全体的に褐色です。
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冬鳥として現れるカモのオスは、どれも鮮やかな色をしています。他の冬鳥が地味な冬羽に変わっているのと対照的です。理由は、カモの他の冬鳥と異なる繁殖行動からです。カモは、越冬期間中にペアとなり、2羽が揃って繁殖地に移動して、繁殖します。ジョウビタキなどの小型の野鳥は、繁殖地に着いてから相手を探します。渡りの途中で、亡くなることも考えて、繁殖地で探すのだと思われます。
一方、カモは身体も大きく、渡りの途中で命を落とすことは少ないのかも知れません。また、確実に子育てを終わらせるために、越冬地でペアになります。ジョウビタキなどの小型の野鳥の抱卵・育雛期間が1ヶ月程度であるのに対して、カモは倍以上の期間がかかるので、繁殖地でペアを探していては、短い夏の期間に子育てが完了しないので、ペアになってから繁殖地に移動するのだと思います。
越冬地でメスにアピールすることが必要なので、オスは鮮やかな色になります。エクリプスと呼ばれる繁殖を終えた後の地味な姿で飛来し、鮮やか姿に変わっていきます。
冬に観察していると、オス・メスがペアになって仲良く行動している姿をよく見かけます。
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陸ガモは、陸上や水面・浅瀬で採食することから、陸に近いところにいることが多いです。
また、潜水ガモや採魚ガモが、水面を滑走しながら飛び立つために広い場所が必要であるのに対して、陸ガモは一気に飛び上がることができるので、小さなため池にいたりします。
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陸ガモは、水の中に潜らないので、口を開いて水面に浮かぶ水草や種子を飲み込んだり、首だけを水の中に突っ込んで食べ物を探したりしています。また、水から出て、海岸や池の堤防、周辺の田圃で採食していることもあります。
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ハシビロガモは、特徴的な採食をします。数羽のハシビロガモが、水面に嘴をつけた姿になり、前後に並び、輪になります。そして、くるくると回りながら、輪の姿を維持して、池の中を移動します。こうすると輪の中に渦ができ、プランクトンが集まってきて、効率的に採食できるようです。
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ヒドリガモは、ため池の堤防や周辺の田圃などで、採食する姿をよく見かけます。
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カモ類は、夜行性なので、昼間は水面や陸上、岩の上で寝ていることが多々あります。首を真後ろに折り曲げて、頭を羽毛に突っ込んで寝ています。ただ、よく見ると、全員が寝ていても、目を開けて、周りを警戒しているカモもいます。交代で天敵が現れないか、見張っているようです。
夜になると、陸に上がって採食します。田圃などの餌場に移動することもあるようです。深夜に何も見えないところで、多数のカモの採食音が聞こえたら不気味に思えます。
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こんな感じで、陸ガモたちを観察しています。
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