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嘴が下方向に曲がったシギ チュウシャクシギ
4月下旬から5月上旬にかけて、シギチと呼ばれる野鳥たちが現れます。シギチは、シギ科とチドリ科の仲間たちのことです。この頃、潮が
引いた海辺に行くと、シギチと出会える可能性が高くなります。
特にシギ科の仲間は、野鳥の中でも長い嘴を持つ種が多く、潮が引いた岩場や砂地などの海辺で、カニなどの甲殻類やゴカイなどを長い嘴で捕まえて食べるシーンを見ることができます。
そんなシギ類の中で、私にとって馴染み深いのが、チュウシャクシギです。
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シギ類は、体長15〜60cmぐらいの様々な種があり、体長約42cmのチュウシャクシギは、中型のシギです。ただ、中型と言っても、42cmの体長は存在感があり、遠くから見ても確認ができます。
チュウシャクシギは、シベリアなどユーラシア大陸の北部で繁殖し、ニューギニア島やオーストラリア大陸で越冬します。日本には、繁殖地と越冬地間を移動する春と秋の短期間に立ち寄る旅鳥です。
飛来は、長距離移動の途中休憩のためなので、食事場所である海辺や川辺に現れます。移動時は、数羽から数十羽の群れで行動することが多く、潮が引いた砂浜や岩場 に複数のチュウシャクシギが降りて、採食している姿を見ることができます。
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チュウシャクシギは、ラグビーボールのような身体に細長い首があり、身体からすると小さめの頭、頭の2〜3倍程の長さの嘴、長めの足。水深が浅い水場に立っても身体は濡れず、長い嘴で、底の砂の中に嘴を突っ込むことができる体型をしています。
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体長約42cm。全体的に茶色っぽい色。背や翼は褐色で羽の縁が淡い色をしているので、褐色に淡い斑点があるように見えます。胸や腹は、白っぽい色。白っぽい眉斑と頭央線、褐色の過眼線があります。嘴は、下方向に湾曲しています。
チュウシャクシギを漢字で表すと「中杓鴫」。「鴫」はシギのこと。「杓」は水をすくう道具である柄杓(ひしゃく)のことを指し、ちょうど、下方向に曲がった嘴が柄杓で水をすくう姿に似ていることから名付けられたと考えられます。
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「中」は、大中小の中。同じように嘴が下方向に曲がった大杓鴫(ダイシャクシギ)、小杓鴫(コシャクシギ)がいるようです。いずれも私は、出会ったことはないのですが、ダイシャクシギは体長60cm、コシャクシギが体長30cmで、体長42cmのチュウシャクシギは、大中小の中ということです。
チュウシャクシギは、4月から5月の春の移動時期に多く出会います。一方、9月から10月の秋の移動時期にも日本近郊を通過して行っていると思われますが、不思議と出会いません。
チュウシャクシギに出会うとすれば、春の移動時期になります。4月末から5月初旬、ちょうど、ゴールデンウィークの頃、潮が引いた海辺に行くと見れる可能性が高くなります。長い嘴を潮が引いた砂地の中に突っ込んで、隠れているカニなどを捕まえることで、食べ物を確保しています。
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私は、ゴールデンウィーク期間の干潮時間が観察に適した時間になる日に、チュウシャクシギに会いに出かけます。場所は、例年、同じ場所で、潮が引くと砂地が現れる海辺で、ほぼ100%の確率で出会えます。
干潮時期にシギがよく海辺に現れるのは、砂の中や岩場に隠れている食べ物を探しにくるためです。よって、潮が満ちて、砂地や岩場が海の中に浸かってしまっている場合は、あまり姿を見せてくれませんが、チュウシャクシギは、満潮の時間帯でも、海岸沿いのテトラポットや海辺沿いの砂地などにいて、休憩している姿を見せてくれます。
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よって、チュウシャクシギは、潮の満ち引きのタイミングが悪い場合でも、海辺に行けば出会えることができるので、出会う機会の多いシギだと思います。
こんな感じで、チュウシャクシギを観察しています。
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