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優雅な冬の渡り鳥 オオハクチョウ、コハクチョウ
オオワシと並んで、琵琶湖に現れる冬鳥に、コハクチョウがいます。
コハクチョウは、古来から白鳥(しらとり)と呼ばれて親しまれている白色・大型野鳥の一種です。
古くは、「古事記」にヤマトタケルノミコトが、東国の征伐からの帰路、伊勢国で力尽きて、白鳥になって河内国に飛んで行ったという記述があります。また、滋賀県の伊香具神社には、天女が白鳥の姿になって水浴びに来ていたが、天に帰るための羽衣を漁師が隠してしまって帰れなくなったという白鳥伝説(羽衣伝説)があります。
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白鳥は、ヤマトタケルノミコトや天女に対比されるように高貴で優雅なイメージを持たれていたのではないかと思います。
白鳥は、カモ科に属する7種類の野鳥の総称で、その中で日本に冬鳥として現れるのが、オオハクチョウとコハクチョウです。
両方とも全身が白色で大きな身体に長い首、嘴が黄色で先端が黒色です。遠くから見るとオオハクチョウとコハクチョウは、同じように見えます。
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漢字で表記するとオオハクチョウが「大白鳥」、コハクチョウが「小白鳥」。オオハクチョウが体長140cm、コハクチョウが体長120cmで名前の通り、オオハクチョウがコハクチョウより大きいのですが、実際は大きさで判別するのは困難です。
両者を簡単に見分ける方法が嘴の黄色と黒色の部分です。オオハクチョウは、先端の黒色の中に黄色が入り込んで黄色の範囲が黒色より大きいのに対して、コハクチョウは、黄色が黒色部分には入り込んでいなくて、黒色の範囲が大きいです。大部分は、この方法で見分けられますが、たまにどちらとも言えない場合もあります。また、オオハクチョウの嘴は先端が鋭角で、コハクチョウは丸みがあるという違いもあります。
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オオハクチョウもコハクチョウも冬季になると日本に帰ってくる冬鳥です。どちらもユーラシア大陸の北部で繁殖しますが、コハクチョウがより北極点に近いツンドラ地帯で繁殖し、オオハクチョウはコハクチョウより南で繁殖するようです。
逆に越冬地である日本では、オオハクチョウが日本の北部である北海道・東北に飛来するのに対して、コハクチョウは、より南の地に飛来します。これは、繁殖が済んで、同時に南に向けて飛び立っても、日本に近いオオハクチョウが北側の北海道・東北を越冬地とするので、コハクチョウはさらに南に行かなければならなかったということだと想像しています。
よって、関西では、オオハクチョウより、コハクチョウの方がよく見られますが、オオハクチョウが現れる場所もあります。
日本に飛来するオオハクチョウ、コハクチョウは、湖沼に飛来し、冬を過ごします。理由は、身体が大きく動きが遅いので、天敵に襲われやすく、すぐに水中に逃げれるように水辺を寝ぐらにするためです。夜を水辺で過ごし、朝になると採食地の田圃に飛んでいき、夕方に帰ってきて、水辺で眠るということを繰り返しています。
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オオハクチョウ、コハクチョウは、水がある場所でないと飛来しません。先日も過去にコハクチョウが飛来したというため池に行くと、「最近、冬場に池から水を抜いているので、コハクチョウが来なくなった」と嘆いていました。
関西では、オオハクチョウよりコハクチョウの方が多く見られます。関西のコハクチョウの最大の越冬地は、琵琶湖だと思われます。数百羽のコハクチョウが、例年、渡ってきますが、小さなため池にも、飛来します。
コハクチョウの越冬地の南限は、鳥取県の中海と言われていますが、それより南にも飛来する場所があります。兵庫県南部の旧播磨国に該当する地域は、雨があまり降らないため多くのため池が作られています。このようなため池にオオハクチョウ、コハクチョウが飛来します。
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飛来しているため池では、ハクチョウたちを地域の人々が温かく見守り、時には食べ物を与えて、冬の期間を過ごせるようにしてきたことで、何年も同じ場所に飛来しているのだと思います。
毎年、ハクチョウたちの観察に出かけていますが、採食中や水面に浮かぶ姿もいいのですが、朝と夕方の寝ぐらと採食地への移動時の姿もいいと思います。何羽ものハクチョウが一斉に飛び立っていきます。
ハクチョウは、体重が重いので、小鳥のように飛び立つことができず、助走をつけてから飛び立っていきます。まるで、小型機が飛び立つようです。
羽音を聞きながら、すぐ上を飛んでいくハクチョウを見るのも楽しいです。
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オオハクチョウ、コハクチョウをこんな感じで観察しています。
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