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冬に現れる喉の赤い鳥 ウソとアカウソ
新年を迎えたと思ったら2024年も3月中旬。もう少ししたら夏鳥が戻ってきて、冬鳥が旅立つ季節になります。2023-2024年の冬シーズンは、赤色の野鳥を多く観察しました。その中でも、ウソは例年に比べて、観察できた回数が多かった気がします。
特に今シーズンは、ウソの亜種であるアカウソにも、何度か出会いました。
ウソは、本州中部より北の山地で繁殖し、冬に越冬のため関西に現れます。なお、北海道には1年中、生息するようです。一方、アカウソは、シベリアで繁殖し、冬に越冬のため日本に飛来します。
越冬中のウソは、数羽の群れで行動する姿を見かけます。ウソとアカウソが混群を作っているかはわかりませんが、ウソとアカウソを同時に観察できる場合もあります。
ウソは、体長約16cm。オスは、頭・嘴が黒色、頬から喉が紅色、背が青みのある灰色、翼と尾羽は黒色、腹は灰色です。腹の灰色に赤みがある個体もいます。
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一方、メスは、頬から喉がオスのような鮮明な紅色ではなく、ほんのりとした赤味のある色で、背や腹は薄い褐色です。
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アカウソは、ウソと同じような配色ですが、オスはウソより腹が赤いのが特徴です。また、メスは全体的に茶色っぽい色をしています。
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ただ、ウソにも腹に赤みがある個体がいて、単純に腹が赤いからアカウソと判断できないようです。
ウソとアカウソは、尾羽にある白い軸斑の有無で判断できるようです。軸斑があれば、アカウソ。なければウソということです。
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白い軸斑と言われてもよくわからないところがあります。撮影した写真を確認してみると確かにアカウソだと考えるウソには尾羽に白い線があるように思えます。ただ、ウソと思われる個体にも白い線が映っていたりします。細い線ではなく、少し太い線であれば、アカウソということだと、勝手に納得しています。
今回、過去のウソの写真を尾羽の白い軸斑という観点で見直してみると、意外にもアカウソを多く観察しているようです。たまたま、私が訪れる場所がアカウソがよく現れる場所だったのかも知れません。また、アカウソの方が、ウソより物怖じせずに人の近くまで来るのでアカウソをよく見るという可能性もあります。
和名の「ウソ」は、嘘つきのウソではなく、ウソの鳴き声から名付けられています。ウソは、「フィー、フィー」と口笛を吹くような声で鳴きます。口笛を吹くことを古語では、嘯く(うそぶく)と言ったことから「ウソ」と名付けられたようです。
ウソを漢字で表すと「鷽」。オスのウソは照鷽(てりうそ)、メスのウソは雨鷽(あめうそ)と呼ばれるようです。
ウソは、木の実や芽、果実、昆虫などを食べます。太くて短い嘴で、木の実を砕いて食べる姿が見られます。周りが静かな場合、ウソが木の実を砕いて食べる音が聞こえてくることもあります。
関西で冬の季節にウソを観察する場合、ウソが好む木の実がある場所で待機していると現れてくれます。「フィー、フィー」と鳴き声が聞こえてくると、近くまで来たことがわかります。そのうち勇気ある1羽が木の実に飛び移ると次々と現れ、実を食べます。
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冬の時期は、葉が枯れて、茶色になった景色にウソがとまると喉の赤色が枯れ木に花を咲かせたようで、気持ちを和ませてくれます。
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そんなウソですが、木の実だけではなく、木の芽も食べます。3月中旬ぐらいになると、桜の木に複数のウソが現れて、桜の蕾を食べます。よって、「桜の害鳥」扱いされて、桜公園などでは、ウソの食害対策が施されるようです。
裏山の公園でも、以前、桜の木にウソが数羽現れて、桜の蕾を食べていました。食べ尽くされる前に飛び去ったので、桜が咲かないというそとはなかったですが、食べ尽くされて咲かなくなったら翌年以降、食害対策を行わなければならないということになると思われます。
ウソにすれば、大好物の桜の蕾があるから食べているだけだと思います。
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こんな感じで、ウソやアカウソを観察しています。
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