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秋に見られる野鳥 エゾビタキ

 9月になると、春に南から移動してきた野鳥の南への移動が本格的に始まります。春の移動は、心なしか繁殖地に急いで向かうように思えますが、秋はゆっくり、食事をしながら移動しているようです。秋は、野鳥を観察できる可能性も高くなります。

 そんな秋の渡り時期に見られる野鳥にエゾビタキがいます。

エゾビタキ(2019/9/23)

 エゾビタキは、夏の繁殖地がシベリアやカムチャッカ半島など日本より北、冬の越冬地が、フィリピンやニューギニア島など日本の南なので、春と秋の渡り時期に、日本を通過していきます。春も通過しているのだと考えますがあまり見られず、秋によく見られる野鳥です。

 エゾビタキを漢字で表すと「蝦夷鶲」。蝦夷地(北海道)から渡ってくるヒタキ類ということで、名付けられたようですが、実際は北海道で繁殖するわけではなく、さらに北から渡ってきます。

 エゾビタキは、体長約15cm。頭・背・尾は、灰褐色。翼は、黒褐色。喉・胸・腹は白っぽい色で、茶褐色の縦縞があります。

エゾビタキは、胸に縦縞がある(2019/9/23)
エゾビタキの立ち姿(2019/9/23)

 秋のエゾビタキは、サメビタキやコサメビタキと同じ場所で見られることがあります。3種は姿が似ているのですが、エゾビタキの見分け方は、胸の明瞭な縦縞と3種の中では、一回り大きいのがエゾビタキです。

左からエゾビタキ、サメビタキ、コサメビタキ。エゾビタキは、胸の縦縞がサメビタキより、細く明瞭。

 エゾビタキの観察は、秋に熟した木の実を食べに来るところを観察します。また、木の枝の先端部にとまって、飛んでいる虫を捕えるシーンを見ることもあります。

カイノキの実を食べに来たエゾビタキ(2016/9/24)

 裏山では、アカメガシワの木が多数あり、9月中旬から10月中旬にかけて、エゾビタキが現れます。実が茶色く熟してきた頃に、実のなる木の近くで待機していると数羽で現れて、木の実を食べて行きます。そのうち満足すると、どこかに飛んで行きますが、20〜30分程したら、また、やってきます。

裏山のアカメガシワの実を食べにきたエゾビタキ(2018/10/8)
裏山のアカメガシワの実を食べにきたエゾビタキ(2021/9/18)
裏山のアカメガシワの実を食べにきたエゾビタキ(2021/9/18)
裏山の公園に虫を捕まえるために現れたエゾビタキ(2020/9/27)
裏山の公園に虫を捕まえるために現れたエゾビタキ(2022/9/24)

 エゾビタキは、9〜10月にしか見れないので、季節の風物詩です。どんなに暑い日が続いていても、エゾビタキが現れると秋の訪れを感じます。また、現れないと、心配になってりします。
 こんな感じで、例年、エゾビタキを観察しています。

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