臆病者で大胆、かつ、騒がしい野鳥 シロハラ
裏山では、もう少しするとジョウビタキが、北に向けて旅立ちます。ジョウビタキがいなくなると、越冬している冬鳥は、シロハラと国内で繁殖するルリビタキ、アオジぐらいになります。
シロハラが越冬する様子について、書いてみたいと思います。
シロハラは、ウスリー川流域やアムール川下流域で繁殖し、越冬のために、日本に戻って来る冬鳥です。
裏山では、10月中旬頃から鳴き声が聞こえ始め、４月末頃に旅立ちます。冬鳥の中では、一番遅くまで残っています。
シロハラの繁殖地は、日本海を超えると直ぐです。一方、シベリアやバイカル湖周辺などで繁殖する冬鳥は、日本海を超え、さらに移動する必要があるので、シロハラより早く旅立つと思われます。
シロハラは距離が近いので、ギリギリのタイミングまで待って旅立つので、遅くまで残っているのではないかと思います。
シロハラは、体長約25cm。全体的に褐色の色合いです。頭・顔は黒みがあり、背は茶色が強く、腹は白っぽい色をしています。
オス、メスとも同じような配色ですが、メスは顔や腹が白っぽく、眉斑があります。
シロハラを漢字で表すと「白腹」。漢字の通り、腹が白いことから名付けられました。
シロハラは、関西で普通に見ることができる冬鳥です。冬に地面に降りて、昆虫や木の実などを探している姿を観察することができます。
本来、シロハラは、警戒心が強く、木の上や茂みの中にいるようです。10月中旬に飛来した当初は、木の上で実を食べ、茂みの中に隠れているので、あまり姿を見せてくれません。但し、身体が大きく、地面を歩き回る音が、大きな音で聞こえてくるので、茂みに隠れていても、存在はわかります。そんな時に、姿を確認しようと動くと、甲高い音を立てて飛び去ります。「ツゥク ツク ツー」と鳴いているように聞こえます。野鳥説明のサイトでは、「プクプクプクー」と記述されていますが、そのようには聞こえず、不思議な鳴き声で飛び去ります。
そのうち、木の実がなくなってくると、地面で採食するようになります。この頃からシロハラは、観察しやすくなります。
静かに待っていると、「ガサガサ、ガサガサ」と落ち葉が動く音が聞こえてきます。音がする方向に目を向けると、シロハラが地面に降りて、落ち葉を払い除けたり、落ち葉を一枚一枚、裏返して落ち葉の下に食べ物がないか確認しています。また、両足を揃えて、ジャブするよう移動します。こうなると食事探しに夢中になっているので、多少、近づいても逃げなくなります。
さらに季節が進み、食べ物が少なくなってくると、登山道沿いや公園など、人が行き来するところまで、出てきます。我が家の庭にもシロハラは、やってきます。この時期には、シロハラも人馴れして、無敵になり、人が近づいても、飛ばすに地面を歩いて逃げて、いなくなると直ぐに戻ってくるような大胆な行動になります。
越冬中のシロハラは、単独で行動しているようです。通常、ほとんど、鳴くことがないのですが、「キョッキョッ」と鳴くことがあります。この鳴き声をしている時は、他のシロハラと遭遇して、縄張りを主張しているのだと思われます。
我が家の庭にもシロハラは、現れます。現れると、いつも庭の端から端まで、同じくようなルートで食べ物を探します。毎年、シロハラが訪れるので、落ち葉を片付けずに置いてあげているので、葉っぱを嘴で咥えて払いのけて、食べ物を探して、食べています。様子を見ていると、庭に結構、虫がいるようです。
こんなシロハラを表現するとしたら「臆病者で大胆、かつ、騒がしい」。飛来した時は、臆病ですぐに姿を隠そうとしますが、時間の経過とともに、行動が大胆になります。そして、足音や鳴き声が大きく、大きな雰囲気音を出すので、騒がしく感じる野鳥です。
こんな感じでシロハラを観察しています。４月は、シロハラにとって、繁殖に向けたラストスパート。食べ物を求めて、街中の公園に現れたりします。「ガサガサ、ガサガサ」という音が聞こえてきたら、地面にシロハラがいるかもしれません。
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