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ブッポウソウの声の主 コノハズク

 コノハズクは、「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴き、「声のブッポウソウ」の別名を持っています。
 青色の野鳥・ブッポウソウが、「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴くと信じられて名付けられたが、実際はコノハズクが、「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴くので、「姿のブッポウソウ」に対して、「声のブッポウソウ」と呼ばれているのだと思います。

 コノハズクを漢字で表すと「木葉木菟」。木葉が木の葉、木菟がミミズク。ミミズクは、フクロウ科の中で、頭に耳のような形の羽毛があるものの総称です。つまり、木の葉のような小さなミミズクと言うことで、名付けられたと思われます。
 コノハズクの容姿を見ると、ブッポウソウより、コノハズクの方がしっくりくると思います。

コノハズク(2023/7/23)

 コノハズクは、東南アジアで越冬し、春に日本に戻ってきて、森林の樹洞やキツツキの使った巣穴で繁殖します。体長約20cmで、日本で見られるフクロウの仲間の中では、最小の大きさです。全体が灰褐色、もしくは赤褐色に覆われます。
 フクロウと同じく夜行性で、昼間は、単独で枝に留まって、じっとしているので、見つけるのは至難の業と思われます。

 コノハズクは、小さくて夜行性なので、森の中で観察するのは難しいので、「八東ふるさとの森」で観察します。「八東ふるさとの森」では、コノハズクの繁殖のために巣箱がかけられていて、例年、巣箱を使って繁殖します。

 コノハズクは、産卵した後、メスが抱卵します。抱卵中、オスは近くで巣を見守っていますが、木と木の間に隠れて、発見できないことも多々、あり、探すのが一苦労です。子供が孵化して、成長してきると、メスの親鳥が巣箱から顔を見せることがあります。

木の高い位置の枝でじっとしているコノハズク(2017/7/2)
木の高い位置の枝でじっとしているコノハズク(2017/7/15)
巣箱から顔を出したコノハズクの親鳥(2016/6/18)

 幼鳥が育ってくると、親鳥は巣から出て、2羽で巣を見守っています。幼鳥が巣箱の穴から顔を出してくれる時もあります。

巣箱の上側で巣箱を見守るコノハズクの親鳥(2023/7/23)
巣箱の下側で巣箱を見守るコノハズクの親鳥(2023/7/23)
巣箱から顔を出したコノハズクの幼鳥(2015/7/19)
巣箱から顔を出したコノハズクの幼鳥(2023/7/23)

 幼鳥は、2週間で孵化し、3週間程度で、巣立ちします。複数の卵を産み、巣立ち時期が成長具合で違うので、すべての幼鳥が巣立ちするまで、巣箱近くで幼鳥を観察できます。すべての幼鳥が揃うと、一家揃って、森の中に移動していきます。こうなると、コノハズクの姿は確認できません。

巣立ちしたコノハズクの幼鳥(2015/7/19)
巣立ちしたコノハズクの幼鳥(2015/7/19)
幼鳥を見守るコノハズクの親鳥(2015/7/19)
巣立ちしたコノハズクの幼鳥(2023/7/23)
巣立ちしたコノハズクの幼鳥(2023/7/23)
巣立ちしたコノハズクの幼鳥(2023/7/23)
幼鳥を見守るコノハズクの親鳥(2023/7/23)

 また、「八東ふるさとの森」では、夜間ライトアップをしているので、通常では見ることが難しい給餌の姿を見ることができます。

虫を捕まえてきたコノハズクの親鳥(2019/7/2)
コノハズクの親鳥(2019/7/2)
給餌のために巣箱に入って、出てきたコノハズクの親鳥(2019/7/2)

 以上のようにコノハズクの観察は、抱卵から巣立ちして森に移動するまでの期間、「八東ふるさとの森」で観察しています。

探鳥地名は、以下のいずれかに該当する場合、本文に場所を記載します。
・探鳥地が、野鳥の会ホームページなどに記載されて、広く知れ渡っている場合
・探鳥地が、野鳥観察を含めて自然観察を目的に作られた場所の場合
・探鳥場所自身が、ホームページなどで、野鳥が訪れることを公知している場合

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