第三章 須磨区 完
#神戸に住むで #神戸へおいで
3ヶ月目の壁。家が決まらない。どうしよう。
ギリギリで手を差し伸べてくれたのは、板宿商店街でした。
え!板宿って須磨区なん!?長田区やと思ってた!
ってのが最初の感想。
なにはともあれ顔合わせ、企画の趣旨を伝えに商店街の理事の皆さんに会いに。
「じゃあここを頑張って盛り上げてくださいね。」
すぐ決まるやん!お部屋見る前に!
「ここの3階です。」
ここっすか!会議室やん!
そうやって僕の3区目、須磨区での会議室生活が始まりました。
会議室は
・とにかく広い。
・お風呂がない。っていうか何もない。
・縦長のロッカーだけがいっぱいある。(怖い。)
あまりに広くて寂しいのでとにかく長机を出す。
会議室にあった座布団を敷き、そこに寝袋を置く。
屋根があって、壁があって、ドアがあって。
じゃあそれで家やろ!
って思ってた。会議室に住むまでは。
うまく言えないけど、生活の匂いがして初めて家になるんやなと知った。
お風呂がないのを見かねて、黒田蒲鉾の黒田さんが、VIVA板宿っていうジムに話してくれて、施設利用券をもらってくれた。
ジャグジー、露天風呂、サウナ、なんでも揃ってた。気持ち良い。最強に。
その最強のお風呂から帰ってきたら、重い扉を開けて会議室の隅で座布団の上で寝袋で寝る。
この振り幅に頭がついていかない。
ここに帰ってきたくないっていう日が何回もあった。
そうやって心がクサクサしてくると、久しぶりに嫌いな人も出来てしまって、グチグチ言うてる配信もしてしまった。
「保証人も敷金も家賃もないおっさんが何を贅沢な。」
って気持ちと、
「正直しんどい。」っていう剛くんがやってた番組タイトルを思い出したりするのと、行ったり来たりした。
だからこそ、人のあたたかさが沁みた。
10代、20代の頃、今となってはなんでもない事で傷ついたり、お金がなくてもめちゃくちゃ楽しかった頃を思い出した。
アンテナびんびんになるとこうなるのかー。
40代でもアンテナびんびんになれるんや。いくつにになってもなれるんや。
「青春とは アンテナびんびんの事である。」
須磨区のおかげで僕は青春が出来たんや。
そっか!須磨って海あるもんな!
そりゃ青春ですわ!
第三章 須磨区 完