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Ethos: ヒト・ファーストな生命保険

 生命保険の申請のためには、米粒のような文字で書かれた資料を何十枚も読んだり、わざわざ健康診断の予約もしなければいけない。このような面倒で時間がかかることは誰もやりたいとは思わない。また、最近の保険会社は自社の利益ばかり考えるがゆえに、客に損をさせるようなサービスを平気で勧めてくる。そのせいか、近年アメリカの生命保険の新規契約者数は年々減少しているそうだ。EthosのCEO、Peter Colis は、大学院時代の友人が保険会社の巧みな営業に負け、お金を無駄にしてしまったことから、生命保険の契約時の問題を解決すべきEthosを立ち上げた。

 従来の生命保険は申請から10〜15日立つまで申請が通るかどうか、保険の金額などがわからなかった。しかしEthosは、生活習慣などの質問を答えてもらうことで、たった10分でこのプロセスを終わらせることを実現した。また、保険金の安さも注目を浴びている。30代の健康な女性が10年間毎日1ドル払えば、保険金として100万ドルが降りる。これはアメリカで有名な保険会社AIG、New York Life、Prudentialなどよりはるかに高い。このようにEthosの保険は早く、簡単で、安く生命保険に加入することができる。

 Ethosの利点はこれだけではない。従来の保険会社の相談エージェントの多くは新規契約に比例する報酬をもらっていたが、Ethosの相談エージェントにそういった制度はない。そのため、保険を顧客に売らせる意図はなく、バイアスのない相談が可能になっている。こういった点からも、Ethosは顧客のために、サービスを展開している「ヒト・ファースト」な会社であることがうかがえる。

 2018年6月の時点でEthosの資本金は1150万ドルを超えており、アメリカの49州ですでにサービスを開始している。

 このように、保険の契約時のCXを重要視している会社は日本にもあまりないのではないだろうか。


参考にさせていただいた記事:


Ethos HP


 

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