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Jeeva: パワーレスなIoT

 既存のIoTデバイスはBluetoothやWi-Fiによってインターネットへ接続されている。しかし、これらはラジオ通信技術をベースとした無線接続技術であり、バッテリーの消耗が激しい上に値段が高い。

 Aaron ParksをはじめとするJeeva Wirelessの創設メンバーはワシントン大学の修士課程で研究中に、既存のチップの1/10000の消費電力で無線接続を可能にするチップを開発した。

 この電子チップは既存の電波に情報を乗せることで通信を行い、自分から電波を発しないため、超省電力で情報通信を行うことができる。チップは小型であらゆるものに組み込むことができ、空気から電力を得るためバッテリーも必要がない。しかし、既存の電波を使った情報通信では通信範囲がせまくなってしまうため、Jeeva Wirelessは現在通信範囲を広げるための開発を進めている。

 総務省によると2016年の時点で、世界のIoTデバイスの数は約173億個であった。そして、2021年までに約349億個になると予想されており、仮に

・2021年の時点でIoTデバイスの10%にこのチップが組み込まれていて

・1つあたり10~50円で販売する

と仮定すると、350~1745億円の売り上げがチップの販売のみで見込める。

 IDC JapanによるとIoTの日本市場だけでも2022年に12兆円を超えると予想されており、今後IoTは生活に偏在すると考えられている。そんな分野にいおいて電池を必要としない通信機器は革命的な発明であり、IoTデバイスの基盤になると考えられる。しかし、チップの販売のみで会社を経営するのは限界があり、将来的にIoTデバイスを販売・運用する会社に買収される可能性も低くはない。

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