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Relativity Space:3Dプリンタで宇宙へ近道

 Relativity Spaceは、3Dプリンターでロケットを作ることを目標とする会社で、現在4450万ドルの資金を調達している。創設者であるTim EllisとJordan Nooneは大学で同じサークルに入っており、それぞれBlue OriginsとSpace Xにてロケット制作に携わっていた。働きながら、今後ロケット制作のコスト削減・制作時間削減のために、必然的に3Dプリンターによるロケットの制作が進んでいくと考えた。

 しかし、20代のエンジニアであった彼らには資金も人脈もなかったため、同じテキサス出身の個人投資家、Mark Cubanに「Space Is Sexy - 3D Print A Rocket.(宇宙はセクシーだ ー ロケットをプリントする)という件名で投資をお願いした。数日後返信で、50万ドルの投資が確定し、彼らはRelativity Spaceを創設した。

 他にも、3Dプリンターを使ってロケットのパーツを作っている企業は存在するが、Relativity Spaceはロケットを作る工程全てを3Dプリンターによって行うことを目標にしていた。ゆえに、作業に適した3Dプリンターの作成から取り掛かった。

 すでに民間ロケット制作企業は多数存在しており、市場はだいぶ混みあっている。そんな中、競争に追いつくことができるのかという批評の声が多い。しかし、宇宙関連企業の専門家であるDick Rocketは、「彼らは今のロケット産業の非効率的な制作過程を不満に思い、ミレニアルならではの思考法でこの問題を解決しようとしている。」と述べたうえで、同じマーケット内の競争に圧勝すると断言している。

 現在Relativity Spaceは4450万ドルの資金を調達しており、25人の社員で3Dプリンター作成を行っている。ロケットの第二ステージを作成する3Dプリンターまでは完成しており、ロケットのエンジンもNASAの施設でテストを行うほどまで完成している。商用の発射は2020年から2021年を予定しており、その後はロケットを火星に着地させることを目標に開発を続けるそうだ。

 日本では堀江貴文が立ち上げたインターステラーテクノロジーが北海道で発射実験を行い話題になったが、ただロケットを作るだけでは先行した会社に優勢を取られてしまう。Relativity Spaceのように、工程を全て3Dプリンターで行うなど、なにかひねりを入れるべきだ。


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