高校生最強理論
私が会社に勤めていた時の話。
私の友人がこんなことを聞いてきた。
「なぁ、おれの『高校生最強理論』聞いてくんね?」
「急に何?なんなのその『高校生最強理論』ってのは」
私の問いかけに対して、友人が息を大きく吸いドヤ顔で答える。
「高校生は…最強ってこと」
「いや、答えになってないよ」
「まあまあ、みなまで言うな」
「言ってないよ」
「こないだ街で高校生とすれ違って思ったんだよ。高校生って最強だなって」
頬杖をついて語り始める友人。
「なんでそう思ったの?」
「いやさ、今おれら社会人じゃん?」
「うん」
「子供の頃ってさ、社会人って最強って感じしなかった?」
「まあ、確かに全部自分で決めて、自分のやりたいことやって、自分が欲しい物買ってると思ってた」
「でしょ?でもさ、実際社会人になってみると違うってことに気づかされるわけよ」
「まあ、確かに実際は給料と生活費のすり合わせだったり、会社の人間関係だったり、自分がしたい事できない感じで苦しいなって思う時はある」
「そう。おれらが小さい時に最強だと思ってた社会人って実は色んなものに雁字搦めにされてて想像してたより生きづらいんだよ」
「確かにそうかもね」
「でも高校生はどうよ?」
「え?」
「高校生ってさ、自分がやりたい部活とかやって、遊びたいときに遊んでんのに社会的責任は小さいじゃん」
「んー…まあ、そうかもね」
「んでもって中学生と違って自分でバイトしてお金を稼ぐこともできる」
「確かに」
「つまり、中学生までと違ってある程度自分のお金を稼ぐことができて、社会人とは違って負う責任が小さいわけ。これって最強じゃない?」
「…最強かどうかはあれだけど、確かに一番自由で楽しい感じはするかもね」
「だろー!やっぱり高校生って最強で最高なんだよ」
「最高増えてんぞ」
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