チームでシャドウバースをするということ

はじめに

こんにちは、KUMA(@kuma_sv)です。

今回はTobyさん(@Toby_24ss)の「シャドウバース Advent Calender2021」という企画の参加記事です。本日が最終日なのですが、他の方のこれまでの記事も非常に参考になる話、面白い話がたくさんあるのでぜひ全部読んでみてください!


やはりチーム文化とシャドウバースは切り離せない

シャドウバースはリリース当初から今までチーム文化という独特のコミュニティ文化が存在しています。当初は一緒にシャドウバースをする仲間を増やしたい!RAGEやES大会などに行った時により楽しみを増やしたい!という大学のサークルのようなカジュアルな目的で出来ていきました。

老害には懐かしいワンシーン

ただ、その中で段々と競技層の中で構築やプレイの議論を重ね、競技シーンでのより大きな成果を得ることに特化したチームが一部で出来てきました。先日のWGP2021に出場している選手を見ても

かきp選手…Frd(@frd_sv)

ねぎま選手…W's(@Winners_sv_team)

花田選手…Re(@Reshadowverse)

Mingigod選手…Re(@Reshadowverse)→iDeal(@SV_iDeal)

下上選手…iDeal(@SV_iDeal)

とどの選手もどこかしらのチームに所属しており、そこでの日々の練習の結果が見られるような非常にレベルの高い大会となっていました。ただ、このように捉えた人もいるのではないでしょうか?

“やっぱりしっかりとしたチームに入っていないと競技シーンで勝ち進むことは不可能なのだろうか?”

というわけで今回は筆者が1年と9ヶ月とあるチーム(@Clair_team)のリーダーを務めた経験をもとにメリットデメリットの話をしていこうと思います。個人での限界を感じ、競技シーンで勝ち抜くためにこれからどこかのチームに入ろう、あるいはチームを作ろうと考えている方には特に参考になる内容を書こうと思っているので、よかったら参考にしてみてください。


チームに入るメリット

⒈メタゲームについていくためになさなければいけない面倒な作業を簡略化できる

近年RAGEのような環境初期の競技シーンにおいて勝ち残るのに何よりも大切なことは激しく変化するメタゲームにうまくついていくことです。
このためにはほぼ毎日

  1. JCG

  2. ユーザー大会

  3. ratings

  4. プロ選手など有名プレイヤーの配信

  5. DSAL

  6. Twitter

これらの情報ソースにしがみつきながら流行のアーキタイプ、より最適な構築を模索していく必要があります。ただこの作業を一人で毎日するとなるとなかなかしんどいものがあります。時間に余裕のない社会人ならなおさらです。一般的なチームではこのような情報には特に敏感であり、毎日通話に行ったり、discordを見ていれば完璧とはいえなくとも8割型のトレンドにはついていけるでしょう。

DoV期のRAGE直前に旧チームで話した内容一部抜粋

ちなみにプロ選手の行なっているサブスクライブに入ってメン限discordを日々確認するだけでも近いことはできると思います。自分がずっと加入してるAXIZ所属のRumoi選手のサブスクライブは様々なサポートコンテンツがあるのでお勧めです!


2.より掘り下げた議論ができる

筆者は一つのデッキの力を完璧に引き出し使うためには以下の行程が必要だと考えています。

  1. 構築の最適化

  2. 基本的なマリガン基準を決める

  3. デッキの基本的な勝ち方を覚える

  4. 環境デッキへの立ち回り方を考える(対面ごとの特殊マリガン含む)

1.~3.に関しては十分情報を拾う努力をすれば個人でもちろんついていくことは可能でしょう。
ですがそれは

  • なぜそれが最適な構築であるのか、環境変化に対応する自由枠はどこなのか

  • なぜマリガンであるカードAをキープするのか、あるいは返すのか

などを考える機会を失っていることが多く、応急処置的な対応になりがちです。よくありがちなのは有名プレイヤーの配信やツイートを見ただけで短絡的に固定概念を持ってしまうことです。これを続けてしまうと自分で考える機会を失い続け、体系的な考え方が身につかず、メタゲームの変化に構築やマリガンのアレンジでついていくことができなくなってしまいます。

例え最上位チームでなくても他の人と議論をする機会は大切です。一つの結論にもっていこうとするのではなく、各々でランクマッチなどで実際にデッキを回して得た知見をすり合わせるだけでも自分にはない新たな視点を得る良い機会になるのです。

ちなみに旧チームでは上記のように先後5戦の合計10戦でマッチアップ検証をしていました。この形にすると大体2時間くらいで1つの検証は終わります。基本的に録画してyoutubeに限定公開することや、要点をまとめたテキストにすることで来れなかったメンバーには情報を共有していました。


3.プレイを人に見てもらう機会を得ることができる

これがメリットの中で一番でかいと思っています。いくら構築やマリガンを情報を拾うことでカバーしても、プレイだけは人に見てもらう機会がないとなかなか上達することは難しいです。この点はサブスクライブの中にあるコーチング企画で補うこともできますが、すべての試合を見てもらうことなどはあまりに非現実的であり、やはり小さなコミュニティにて意見を交わしながらRatingsなどのルームマッチをすることが一番の上達方法だと思います。

ちなみに環境が整っているのであれば配信をするというもおすすめです!個人的にはTwitchでのシャドウバース配信が広まってくれるといいなあと密かに思っています。


4.チーム対抗のリーグ戦に参加できる

これは旧チームがDSALに9ヶ月間しか経験してないので軽めで。大昔はチーム同士で対抗戦なんてことをやる文化があったんですけど(冒頭のGameAI杯はその筆頭)、今ではきちんとしたチーム対抗のリーグが

と大きなものでも2つあり、BO9というちょっと特殊なルールで行われているので参加してみると面白いと思います。特にDSALに関してはデッキ公開制なため、毎節各チームの持ち込む5デッキを見ることができる貴重な情報源にもなっているのでいつも感謝しながら拝見しています。


5.モチベーションが維持しやすい

これは筆者の持論なので流し見してください。

まず最初にカードゲームは目に見える成果を得るのが難しい競技です。RAGEの一次予選二次予選のようなスイスドロー形式(実質ダブルエリミネーション)でもそれぞれ1敗しか許されませんし、JCGやミリオンカップでは1敗でもしたら敗退です。そして試合で渡される手札は常にランダムであり、思うような動きができずに負けることなんてざらです。上で書いたような緻密な努力をしてもいつ報われるかなんてわかりません。

ですが、これが20人、30人のコミュニティで取り組むとなると話はだいぶ変わってきます。きちんとした方法で取り組んでいるチームであれば、3か月の間に誰かしらがJCG優勝のようなレベルの結果を残してくることの方が多いです。さらにRAGEのプレーオフに進出したり、ファイナリストが排出なんてしたら、「今の取り組み方は間違っていはいないな!次こそは俺の番だ!頑張るぞ!」とモチベーションが上がる人は少なくないと思います。


チームに入るデメリット

1.最低限のコミュニケーション力と環境は必要

いくらインターネットを介しているとはいえ、チームで活動するとなると人と人との関わりになってくるので人と協力して何かをすることが苦手な人や、人と話すことが苦手な人は向いていないこともあるかと思います。特にチャットのみでの参加をせざるを得ない状況の人ですと、画面共有を見ながら円滑なやり取りをしたり、気軽に質問なんかをするのが難しいことはあるかもしれません。逆に言えば通話や画面共有ができる人であれば案外何とかなります。


2.所詮は人と人 相性がある 

これはどのようなジャンルのコミュニティでもありがちなのですが、どんなに結果を残している素晴らしいコミュニティでもそれぞれにはローカルルールであったり、独特な雰囲気というものが形成されていることが多いです。チームに入り適応できればそれに越したことはないのですが、そうでない時にはなかなか通話にも行きづらくなります。自分に合っていないなーと感じたらそのチームにいるメリットと天秤にかけてそのまま所属するか、早めに新たな場所を探すかを判断しましょう。


3.デッキやプレイへの考えが偏る

それぞれのプレイヤーには個性や癖みたいなものが内在していると考えています。デッキの好き嫌いだったり、好みのプレイスタイルだったり。これが何も意識をせずに長期間同じチームで調整をしていると同じような方向性になりがちです。もちろんこういう傾向にならない自分自身の型を確立している人もいらっしゃいますが、人間どんなに小さなコミュニティであろうと大衆に流されがちです。その考えの偏りが自分に悪影響を与えているなと思う際には新たな環境を模索するほうがいいかもしれません。


4.引き際がわからなくなる

これはよくある話です。いくら努力をし続け、競技的に取り組んでいる人でも長い期間結果がついてこなければ普通の人間ならシャドウバース自体への熱が消え失せます。ただ、チームに仲のいい人間が一定数いる状態だとなかなかチームを抜けようという判断をするのは難しいと思いますし、わざわざ情報アドバンテージを自ら失いに行くような行為をしようとはしないでしょう。

実際リーダーをやっていた身からすると、このような人に脱退を促す行為は胸が張り裂けそうなくらい苦しいです。過去の功労者であり、長い間一緒に同じゲームをした人間にコミュニティから抜けろというのは難しい。よっぽど意志の強い人間がリーダーをやっている競技的思想の強いチームでないとまずこのような話は出てこないでしょう。

結果としてチームには一生居座れてしまうので、RAGEやRatingsが始まるとなんとなく惰性でチームの活動に顔を出す程度の中途半端な取り組み方になってしまい、結果もなかなかついてこなくてさらにモチベーションを失うという悪循環に陥ってしまいます。

もしもこの記事を読んでいる人で同じような境遇の人がいたら、一度リーダーに相談してみるといいと思います。親身に相談に乗ってくれるでしょう。


最後に

ここまでチームに入るメリット、デメリットを書き連ねてきたのですが、冒頭の“やっぱりしっかりとしたチームに入っていないと競技シーンで勝ち進むことは不可能なのだろうか?”に関する回答は正直人によると思います。一概に入っていれば得なのかというとそんなわけではないと思いますし、実際一部のプレイヤーは個人で活動しながらRatings杯の出場権利を獲得しているのも事実です。特にあまりチームに頼らずにOPENRECでRatings配信をしながら権利を獲得された方は何人かいらっしゃいます。

ただ、普通の人間が個人で取り組もうとすると、シャドウバースという趣味に時間を使っているのに、ストレスだったり虚無感だったり、自分の無力さに絶望したり、負の感情を抱えることが多くなりがちです。そんな負の感情を抱える時間を最小限にしつつ、結果を残す可能性を高めながら切磋琢磨できる環境がチームや窓という少数精鋭のコミュニティなんだと思います。

この記事を読んで少しでもチームというものに興味を持った人がいらっしゃったら、様々なチームが現在公募をしていますので、ぜひ応募してみることをおすすめします!シャドウバースを頑張りたい皆さんにとって2022年が良い年となりますように。


おまけ

冒頭に話をしていた筆者が1年と9ヶ月運営していたチームを一度リセットし、一から作り直すことにしました。前チームの良かったところは続け、新たに色々な試みを試行錯誤しようと思っています。12/26いっぱいまで初期メンバーを募集していますので私たちに力を貸してくれる方のご応募をお待ちしております!


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