カジノ紀行 第10回「ラスベガス2 ①」
2度目のラスベガス紀行です。2018年7月9日から同25日まで滞在します。目指す舞台はポーカー(テキサス・ホールデム)であり、経緯はこれまでの記事にて。
ということで、9日の朝からバスで空港に行って、飛び立ちました。ラスベガスは日本より16時間遅いので、9日に出発しても到着するのは9日です。帰りは25日に飛び立って27日になります。
ラスベガスの空港、マッカランです。着いた時間こそ快晴でしたが、しばらくすると大雨が降って来て、雷が鳴っていました。日本でも大雨災害が起きており、地球全体の環境がおかしくなっているような気がしますね。
ホテルに着いたら、なんと停電していました。カウンターに行くと日本語訳された文面を見せられ、「発電機が爆発して、フルパワーじゃないのでクーラーが使えませんが、チェックインしますか?」と書かれていました。既にクレジットカードで入金済みであり、この雨の中、他のホテルを探すのも大変なので、オーケーしました。
部屋に入ると半分だけ電灯がついており、もう半分はスイッチを押しても駄目でした。気持ちとしては今すぐにでも街に出掛けたいところですが、大雨でもあるので、シャワーを浴びた後は横になっていました。すると、外で「バン!」という音がして……。
真っ暗になりました。完全に停電です。これではケータイの充電もできませんし、パソコンも使えません。仕方ないので就寝しました。
翌日は快晴!
昨夜の雨が嘘のように消え去って、水たまりもほとんどありません。
そして今から向かうのはリオ!
ポーカーの世界的大会WOSPの開催地です。
着きました。
色々と見て回ります。
中の様子です。
時間が早かったので準備中ですね。
プレイヤーズカードを作成しました。WSOPのマークが付いています。とりあえず最初のミッションは完了しました。本当はゲームにも参加する予定だったのですが、考えることもあり、今回は見送ります。
この日は今回の紀行で同伴する人がいたので、空港まで迎えに行きました。身体が鈍っていたので、歩いて行こうと思い、道中のお店で水とお菓子を買いました。
水が約2ドル、チョコクッキーが1.5ドルです。この紀行初の食事です。
合流しました。空港に行って待っていたら別のターミナルだったので、少し彷徨いました。結構離れていて、無料バスで移動しました。合流後は、先に荷物をホテルに置きに行ってから、改めて観光しました。
一通り見てから、歩き疲れたので、カジノの中で休むことにしました。ここで私が前回の経験から「必勝法を教えてあげよう」とスロットに座り、20ドルを入れ、1回30セントで回しました。10回回しても3ドル、だいたい30回ほど回したところでアタリ演出が始まり、15ドルほど増えました。すぐに終了して他のスロットに移り、また回すとアタリ演出、最初の20ドルが50ドルになったところで換金します。
少し休んだ後は他のホテルを見に行って、世界絵画などを見ました。喉が渇いたので再びスロットに座りました。
カジノ内ではウェイトレスが「ドリンク?」と声を掛けながら周回しているので、飲み物は何でも頼めます。水は無料で、よく冷えています。コーラやジンジャーエール、ビールなどを頼む場合はチップで1ドルを渡すのが相場です。私はコロナを頼みました。ライムが刺さっているのが良いです。
さて、先程「必勝法を教える」と言いつつ、同じことをやっていると、ひとつのスロットで負けてしまいました。いくら回しても一向に当たりが出ず、出ても金額が小さすぎます。これは駄目だと撤退しようとしましたが、残額が半端だったので、もうひとつだけトライしてみることにしました。内心、ドツボにハマっていることに焦りつつ。
古代遺跡みたいな絵柄のスロットに座りました。いかにも人気がなさそうで、今まで他のカジノでは見たことがない機種です。民謡みたいなドラムがドコドコ鳴っています。そして残額がみるみる減って、もう終わりかなと思ったそのとき、スロットのロールが光りながら逆回転しました。アタリ演出です。ドラムも烈しく鳴り響きます。とりあえず50ドルくらい当たればいいな、と……。
なんとジャックポットが当たりました。200ドルです。一番の大当たりは2000ドルであり、掛け金を上げていると3万ドルまで当たるようですが、1回30セントで回して200ドルのアタリは大きいですね。30円が2万円になったようなものです。
この後も確変状態で50ドルほど増えて、それまで投下していたお金の倍以上増えたので引き上げました。
263ドル。これはなかなか頼もしいです。
しばらくは財布にお金を補充しなくて済みそうです。
この日はこれで終わりました。
32km歩きました。
そして翌日、ラスベガスに来て3日目、相方がホテルで眠っているのを横目に私は1人出発しました。ポーカーのトーナメントに行きます。
行こうと決めたのは、ベネチアンではなく、MGMです。
MGMは前回に泊まったホテルからは遠かったのであまり見ていなかったのですが、前日に見た際、トーナメントの予定表を目にしました。
毎日4回のトーナメントがあり、参加費は60ドルか80ドルと安いです。ベネチアンは150ドルから300ドルだったので、こちらで勝ってからベネチアンに行くことにしました。私は「挑戦するなら必ず世界レベル」と考えていますが、同時に「一段ずつステップアップする」のも重要だと思っています。
ということで、エントリーしました。80ドルを支払うとレシートのような紙を渡され、テーブルと席が書かれています。
最初のチップです。11時5分からスタートですが、私が座ったテーブルは最後のテーブルのようで、6人から始まって、遅れてきた2人が参加しました。
ラスベガス初のハンドは10のペアでした。私はSBでテーブルの半数がコールしていたので、3倍にレイズ、後のBBがコールし、もう一人もコールして、他はフォールドしました。
フロップは489でした。マークは別々だったのでフラッシュの危険はないです。私の10ペアはハイカードを1枚持っている人より強く、A8やK9がいても勝てます。怖いのはQJですね。10が来て私がスリーカードになっても、QJはストレートになるので大負けする可能性があります。
ここはスロープレイより、引きずり落とすことを考えて、1000点レイズしました。するとBBは即座にコール、もう一人はフォールドして、ヘッズアップになりました。
ターン(4枚目)は2でした。レイズしても着いてきそうなので私がチェックすると、BBもチェック。リバー(5枚目)は2でした。ストレートの可能性が消えたので私は2000点レイズしました。するとBBは即座にコール。
ショーダウンとなり、私は10のペアを広げました。BBも手札を明かします。Jのペアでした。いきなり負けです。日本ならディーラーに「ちゃんとシャッフルしてる?」と言っていたかもしれません。
序盤でいきなり減らしましたが、30分ほどして、J9でリンプインしたらフロップで9JAと出てツーペアになり、オールインしたらA持ちにコールされて勝ちました。5000点チップが増えました。手持ちのチップ数はこれの枚数で大きく上下するので、他のプレイヤーを見るときも5000点チップの枚数を数えます。
プリフロップでJと10でコールしたら、その後に3倍レイズしたオジサンがいましたが、とりあえずフロップだけ見ようとコールしたらQKAと来ました。最強のストレート完成です。すぐにマークを見てフラッシュの可能性を確認、3枚とも違ったのでフラッシュはなさそうです。
私がレイズしたら、さきほど3倍レイズしたオジサンがコールして、他がフォールドしました。AAやKK、AKを持っているのかもしれません。ストレートはスリーカードやツーペアより強いので、私の勝ち確定です。
ターンは5でした。関係ないカードですね。私はオジサンのチップ残額を見て、既に手持ちの3分の1を突っ込んでいるのを確認しました。もう後戻りはできないでしょう。私がオールインすると、オジサンも即座にオールイン。AKを見せました。ツーペアですね。リバーでAかKが出るとフルハウスで逆転できましたが、そうはならず、私の勝ちとなりました。
私は卓上で3位です。アンティが始まったので、残額が少なくなった人がプリフロップでオールインし始めました。ここからが問題なのですが、退場寸前の人が苦しまぎれにオールインしたものをコールして、連続で2回負けました。手持ちのチップ数が一気に減ったので、しばらく耐えるとKKが来たので(全ハンドで2番目に強い)オールインしたらA7sにコールされ、ボードにあっさりAが出て負けました。終わりです。もうしばらく回数を重ねて、ダメなら考え直そうと思いました。
翌日、さっそく2回目です。面子は私の目の前にアジア系(中国人か韓国人)がいて、右側にヨーロッパ系がいました。その他はアメリカ人で、前日にも見掛けたおばあさんがいました。
始まって早々、大きく負けました。2手目で8と9のクローバー揃いでコールしたら10/J/Qと来てストレート完成、しかもJとQはクローバーでした。AK持ちがいると上のストレートで負ける為、レイズはせずに行こうとしたのですが、レイズしてくる人がいて私ともう一人がコール。ターンに5のハート、リバーで3のスペードが来たのでフラッシュにはならずでした。そしてショーダウンすると、ひとりはQと5を持ったツーペア、もうひとりが危惧していたAKでした。クローバーではなかったのでフラッシュなら勝てたのですが、これで序盤から大きく持っていかれました。
しかしその後は慎重に行って巻き返し。
下位のストレートとフラッシュには気を付けつつ、確実に勝っているところでオールインを仕掛けてコールを引き出しました。2人分を飲み込み、そこで最初の休憩です。
見ると28人が参加して、現状は21人。賞金は1位が798ドル、2位が479ドル、3位が319ドルとなっています。それ以外はありません。ここから18人も飛ばさないとゼロなので、結構きびしいですね。
休憩から再開後はディーラーが変わりました。さらに慎重に行きつつ、勝負手では大胆に仕掛けます。プレッシャーをかけられても強気で応じます。
さらに増えました。波に乗ってきたので、退場間際のオールインにもコールしていきます。が、これがどうも駄目みたいです。
やられました。5000点のチップを全て失い、辛うじて1000点の山を積み上げているだけです。さらに勝負手を絞って、待つしかありません。
30分ほど奮闘しつつ、AとJが来たのでオールインしたら、3人にコールされました。6のペアと9のペア、そしてAとQを持っている人でした。これはかなり勝算が低いので、もう帰ろうかと思ったらボードにJが2枚出ました。一気に巻き返しです。
それからまたしばらくベタ降りしていたら、ついに来ました。AAです。しかも私の番が来るまでに2人がオールインしました。私はどうするか。勿論オールインです。AAは相手が増えると不利になるハンドですが、既に終盤に差し掛かり、オールインする人は基本的にAを持っていることが多いです。つまりAAは完全に上位であり、Aを1枚持っている人に対してはその時点でほぼ勝ちが決まります。逆に5や9のペアでオールインされ、ボードにもう1枚出るとスリーカードで負けます。スリーカード同士でぶつかるのは100回に1回という確率なので、これは運ですね。しかしこのときは私の予想通りで、オールインした2人はAKとAQでした。ボードにQが1枚出たものの、私がすべて巻き上げました。
これがポーカーですね。
退場寸前のところから1位になりました。
これがあるから最後まで諦めてはいけません。
そして2度目の休憩です。
残り6人です。私のチップ数はぶっちぎりの1番なので、このままのんびり待っているだけでも3位には入れます。なので無駄にチップを消耗させずに、確実な手を待つことにします。そう思っていると休憩明け早々にQQが来ました。即座にオールインです。
コールしたのは1人で、私がブラフだと思ったのか、相手のハンドはJと9でした。結構なチップ数を持っていましたが、あっさり飛びました。こういう参加者がいてくれるおかげで勝つことができるので、そのままの戦略でたまには勝てるように武運を祈ります。
圧倒的かつ壮観です。
これがトーナメントの愉しみですね。
残り3人になったところで賞金獲得が決まりました。このとき、3位の人が「ディール(交渉)」を持ちかけてきて、2位の人も同調して「ここで3分の1ずつにしないか?」と訊いてきました。私は1位の状態なのでこのまま勝負したいところでしたが、差額も小さいので、ここはトーナメントの文化に見ようと応じました。2人は喜んで、握手を求めてきました。
受付にディールしたことを伝えると、賞金の計算と手続きを始めました。ゲームはこの時点で終了となり、ディーラーはカードの整理を始めました。3位だった人は私に「どこから来たのか?」「日本もポーカーが熱いのか」「ラスベガスは愉しんでいるか」といった話を振ってきました。
プレイヤーズカードを渡して手続きが終わった後、受取にサインします。
換金用のチップを渡されました。
これでもう一度、賞金獲得となった3人で握手しあい、解散しました。
換金しました。
これがポーカーで初めて手にする賞金です。
次は参加費150ドルのトーナメントに挑みます。
実績をあげながら、ひとつずつステップアップしていきます。
まあ、ここのトーナメントは安いので、また参加します。
以下、1回目の参加で考えたことです。前回の記事で書いた戦術論に付帯したものですが、ばっちり対応して、成果をあげることができました。
まず80ドルの参加費は他のトーナメントに比べると非常に安いです。しかも同時刻に他のカジノで150ドルや400ドルのトーナメントがあります。要は完全なプロは不在で、アマチュアが多いということですね。
これはすぐ近くにあるAriaというカジノのトーナメントです。参加費が400ドルで優勝賞金が8428ドル、参加者は67人いますが、7位まで賞金があります。
結果、MGMはアマチュアかつ参加費が安いので、プレイヤーの打ち筋はゆるめでした。なんでもコールする人がいますし、88や55のようなペアでも平気でオールインしてきます。私ならローカードのペアはフロップを見れそうなときしかコールせず、そしてフロップでスリーカードにならなければフォールドします。ここでまずトーナメントで生き残れるかどうかが別れます。
運勝負に持ち込むプレイヤーというのは早かれ遅かれ退場します。つまり私の問題は序盤から中盤で彼らのチップを取れるかどうかです。4回出場して1回は運負けするくらいが丁度良いと思います。
一方で、確実に勝てるところはできるだけ増やします。とにかく「コールステーション(なんでもコール)」が多いので、ブラフは避けて、ダメそうならどんどんフォールドします。特にチップ数が多いときは、小銭を稼ごうとせず、確実に仕留められそうなところまで待ちます。
そして勝ち確定の状況が来たら、スロープレイしてレイズされるのを待ち、一度でもレイズされれば、運命は決します。チップを注ぎ込んだプレイヤーが完全なブラフでない限り、フォールドすることはまずありません。オールインすればコールしてくれるし、その前にオールインしてくることもあります。たいてい、相手の役はAやKのワンペアです。自分はツーペアやスリーカードですべて巻き上げます。
結果として、やはりアメリカという舞台だったので少し性格は異なりますが、プロが他のカジノに行っているので日本国内で開催されているトーナメントよりは層が浅いですね。正直、日本のアミューズメントカジノのほうが苦戦するかもしれません。
ということで次は150ドルのトーナメントに出ます。1位になると3千ドルほどの賞金があるので、勝負もシビアになりそうです。頭を切り替えて挑みます。どう切り替えるかはこれから考えて実践していきます。
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