Yu

映画 備忘録

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記事一覧

エンドレス・ワルツ U-NEXT

私たちと、世間とどちらが間違っているのでしょう? 夫が罹っている精神科医に彼女がこんなようなことを訊ねる。 同じことをアインシュタインも問うている。 私も、いつ…

Yu
1年前

フレンチアルプスで起きたこと U-NEXT

原因があって、葛藤が起こる。 その渦中にいる時には逃れる方法がわからない。 特に生死が懸かる様な特殊な経験をした場合、そこから生まれるものは簡単には拭えない。 前…

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1年前

ザ・スクエア 思いやりの聖域 U-NEXT

正直者がバカを見る とは子供の頃よく言われた無性に腹が立つ格言である。が、一理ある。 最近「論破」が流行っている。彼らは正直者だろうか?「言っちゃいけないことは…

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1年前

チタン U-NEXT

以前舞踏のワークショップで、「既成概念を崩す」というワークをした。 即ち、人間はこうあるもの、身体はこう使うもの、といった当たり前にわかっているようなことを、「…

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1年前

『ザ ウルフ オブ ウォールストリート』(U- NEXT)

資本主義に生きる人間にとっては お金を食う狼になることはひとつの正義である 綺麗ごとが通じない世界で どう戦って行くか 戦うこと自体が正義であるとも言える しか…

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1年前

『ライ麦畑の反逆児』(U-NEXT)

サリンジャーは何者なのか それを知る必要があるのだろうか 謎に包まれた彼の人生に この映画はひとつの物語を与えている 主人公のサリンジャー自身がフィクションだ …

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1年前
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飛べない風船(劇場)

サーカスの象は こどもの時逃げないように鎖につながれる 大人になってその鎖をちぎれるくらい強くなっても 逃げようとしないらしい 愛する人のために私たちは自らを鎖…

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1年前

『由宇子の天秤』(U-NEXT)

嘘の重みと真実の重み それを量ることは難しい そして非常に苦しい だからどちらかに偏るか、誰かに転化する それが社会であると私たちは思い知っている 由宇子はそれ…

Yu
1年前

エンドレス・ワルツ U-NEXT

私たちと、世間とどちらが間違っているのでしょう?

夫が罹っている精神科医に彼女がこんなようなことを訊ねる。

同じことをアインシュタインも問うている。

私も、いつも自分が間違っているように感じる。
戦争を正当化することや、添加物に反対することや、フードロスをかかげることや、全世界を救うことは不可能だと認めることなどに対して、憤りを感じる自分の方が世間とズレていると。
理想を選ぶことは、極論を求

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フレンチアルプスで起きたこと U-NEXT

原因があって、葛藤が起こる。
その渦中にいる時には逃れる方法がわからない。
特に生死が懸かる様な特殊な経験をした場合、そこから生まれるものは簡単には拭えない。

前に進む唯一の方法が、新たな出来事を起こすことだ。

フレンチアルプスで起きたことは、私達の人生にも起こる。
彼らの抱える問題はスクリーンを通して見れば、ゲレンデの高台から雪崩を眺めるように、スリリングだが安全だ。
それが境界線を越えてこ

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ザ・スクエア 思いやりの聖域 U-NEXT

正直者がバカを見る

とは子供の頃よく言われた無性に腹が立つ格言である。が、一理ある。

最近「論破」が流行っている。彼らは正直者だろうか?「言っちゃいけないことはだいたい正しい」と堂々と言えてしまう世の中になった。
正しさを求める彼らにしても敵は多い。それなりにお金を稼いでいるようなので、バカを見てはいないのかもしれない。だとしたら少し小気味良い心持ちである。

さて、論破することによって人類は

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チタン U-NEXT

以前舞踏のワークショップで、「既成概念を崩す」というワークをした。
即ち、人間はこうあるもの、身体はこう使うもの、といった当たり前にわかっているようなことを、「もし知らなかったらどうするか」と問うことだ。

冒頭からアレクシアは自動車への愛着を見せる。そこに説明は無い。
そして自らが愛する自動車と一体になる。

愛や衝動にはその発生の原因があると思ってしまうが、実は明確な理由などないのではないか。

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『ザ ウルフ オブ ウォールストリート』(U- NEXT)

資本主義に生きる人間にとっては

お金を食う狼になることはひとつの正義である

綺麗ごとが通じない世界で

どう戦って行くか

戦うこと自体が正義であるとも言える

しかし

大きな権力の流れの中で

挑戦者は王者に食われる運命なのだろうか

挑む者の役割は

戦い続けることそのものである

そこには確証は無いが希望がある

正義も悪も無い

ただ欲望に忠実に生きる

それは命の爆発だ

映画がも

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『ライ麦畑の反逆児』(U-NEXT)

サリンジャーは何者なのか

それを知る必要があるのだろうか

謎に包まれた彼の人生に

この映画はひとつの物語を与えている

主人公のサリンジャー自身がフィクションだ

ライ麦畑のキャッチャーが反逆児として描かれる

まるで彼が生み出した世界の続きを見ているよう

リアルとフィクションのはざま

そこに読者は自らを探す

サリンジャーの小説は

岸をつなぐことばの海だ

現実と映画

小説にとどま

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飛べない風船(劇場)

サーカスの象は

こどもの時逃げないように鎖につながれる

大人になってその鎖をちぎれるくらい強くなっても

逃げようとしないらしい

愛する人のために私たちは自らを鎖につなぐことがある

それが必要な時がある

その鎖を解くことができるのは

自分だけ

もういいよ

って

思えるのは

誰かと出合った時だったりする

偶然が奇跡に変わる

人生の美しさに

涙してしまう

この映画が

誰か

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『由宇子の天秤』(U-NEXT)

嘘の重みと真実の重み

それを量ることは難しい

そして非常に苦しい

だからどちらかに偏るか、誰かに転化する

それが社会であると私たちは思い知っている

由宇子はそれをひとりで背負って行く

「私は誰の味方にもなれません でも光を当てることはできます」

ドキュメンタリー監督である彼女に許されるギリギリの信念

それさえ覆されてしまう現実

私たちはどこに救いを求めれば良いのか

誰を悪者にし

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