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【CoCシナリオ】I'm R./Kuku hayate

【あらすじ】
雷雨の夜、あなたたちはある出会いをする。
一匹の黒い犬。
それはとても弱っていて、助けを必要としていた。あなたはどうするだろう。濡れそぼり丸まっている犬を無視することができるだろうか。それとも心を砕いて連れ帰るだろうか……物語はそこから始まる。
一匹の犬が、あなたたちにもたらすものは一体何だろう。
「癒し」か。
「畏怖」か。
それとも―――

「〇×」か………。


――――――――――――――
シナリオ概要
推奨人数:2人(もしくはタイマン)継続 / 新規とも可能
推奨技能:探索技能全般(※調整可能)
シナリオ形式: 半シティ
ロスト: なし
後遺症: なし
所要時間:
オンラインボイスセッション2時間30分~
KP・PL難易度:低
システム: クトゥルフ神話TRPG6版
使用: 基本ルールブック6版
添付ファイル:記事最後にキャラクター画像ZIPファイルがあります(PNG)。セッションにご利用ください。

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※本シナリオは神話生物に関する独自解釈、オリジナル成分を含みます。
※原型がなくなるほどの改変は禁止です。
※シナリオに関してのご質問はTwitterの返信欄等をご使用ください。不特定多数の方の目に触れる可能性のある場での『ネタバレ』に関しては、ふせったーなどをご使用くださいますよう、よろしくお願いします。

本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


【KP情報】
探索者には「犬」を拾ってもらい、迷子犬としての世話を行ってもらいます。探索者の関係性は、関係が深い、仲が良い二人であればどんなものでもよく(※関係が悪くなっている親子などの設定でもよい)最終的に「〇×(愛)」を感じ取れる間柄であれば、発展途上の恋人同士の絆を深める物語として使用することもできるでしょう。その際の細部改定などは、自由に行っていただいて構いません。目星等のダイス頻度の調整なども自由とします。

「R」……真っ黒の大きな犬型のロボット。ミ・ゴが作り出した通信探査装置。毛皮は有機体で傷ついても再生可能。そのため普通の犬に見える。ただし、通信を行うときだけは、頭部の皮が剥げる。雷に打たれたたことによって、思考回路に何らかの支障が出ている。

「ミ・ゴ」……Rの主。月の裏の基地にいて人間の調査を行っている。Rには「人間の〇×(愛)の監査」という任務を与えている。「愛」という感情がどういうものか、それが脅威かどうかを調べている。(※シナリオには出てこない)

「流動の犬」……ミ・ゴの使役する兵器型ロボット犬。タールをまとったような姿をしており素早い。


【導入】

(PLの関係から同席している場所を決定)→自宅など、パーソナルな部分。

あなたたちは時を共に過ごしているだろう。ただ空はあいにくの雷雨だった。雨はさほどひどくはないが、雷がひっきりなしにゴロゴロと鳴っている。あなたたちは停電を気にするかもしれない。それに最近、よく通信障害がおきる。近くの高層マンションの工事現場が電波を阻害してるんじゃないかともっぱらの噂だ。
(※PLの関係やどこにいるかなどのRP)
PLのどちらかがゴミを出しに行く(※少し外に出るか、近所に出かけるでもよい)その時、ゴミ捨て場(※奥まった暗がりや路地等)で横たわっていた真っ黒の何かを見つける。
★目星
【成功】
犬(成犬)だとわかる。浅く息をついている。怪我をしている様子はない。だがひどく弱っているようだ。体毛は闇のように真っ黒。今は毛羽立ってパサついている。雄雌はわからない。(さらに目星で※首輪発見)
首輪…首に食い込むほど強く巻かれた首輪。「R」というような文字が書かれている。
【失敗】
犬だとわかる。だが不用意に近づいてしまった。(幸運)ダイス失敗で噛まれる(HP-1)(※幸運処理後に【成功情報開示】)
★アイデア
【成功】
首輪はかなり昔からはめていたもののようだ。子犬のころはめられ、そのまま迷子になり、大きくなってしまったのだろうか。幸か首を絞めているほどではないようで、緩めてあげられそうだ。
【失敗】
首輪はきつそうだが、息が止まるほどではないようだ。
★知識
【成功】
犬種…ハスキーくらいの大きさ。だがハスキーではない。顔つきは狼のそれに近い。
【失敗】
大きな犬だなと思う。
あなたはその犬を不憫に思い、助けてあげようと手を差し伸べるだろうか。…慈悲の心があるならば、助けてあげよう。(※助けない→特殊エンド①へ)
(※一夜目は触ろうとすると→(幸運)ダイス失敗で噛まれるHP-1)
(※ここよりR友好度発生)
「撫でる」POW5成功で友好度+1
自宅に犬を連れ帰ったひとり。犬は冷え切っていた。あなたたちで介抱をするだろう。温めたり世話をしたりするだろう。だがエサを用意しても、それは口をつけない。水も知らんぷり。口にする元気もないんだろうか。病院に連れてゆくことを考えるかもしれない。
「首輪をゆるめる」
POW5成功で緩められる。失敗した場合は噛まれる(HP-1)が、首輪は緩められる。
「寝床を作る」(R友好度+1)
雷と雨は落ち着いてきた。ひとりはドッグフードを買いに行くと出かける。残されたもうひとりは家であれこれしているだろう。
「食事や水を用意する」(R友好度+1)
★コンピュータ・図書館
病院検索・迷子犬検索・症状検索(※PLが思いつかなければ(知識)で誘導)
【成功】(※獣医のRPは任意)
病院は既に閉まっている時間。救急病院はかなり遠いようだ。電話連絡はできる。電話をすると、獣医がどのような犬種か聞き「迷子犬」かどうか調べてくれる。保健所や警察には今のところ「迷子犬」の登録はされていない犬のようだ。獣医は症状も聞いてくれる。「熱があり、呼吸が荒いなどの緊急的症状がなければ、一日温かくして様子を見るとよい」とアドバイスする。※病院に連れて行こうとしたら唸られ、噛まれそうになる。行くことは断念。
【失敗】
近場の病院は見つかったが、電話がつながらない。迷子犬の登録サイトを見つける。そこで条件を入力して探すが「該当なし」と出てくる。
症状検索…じっとうずくまっている。呼吸はゆっくりで熱はない。過労、栄養失調の症状に似ている。一晩様子を見てみようかと考えるだろう。
ふと目を離した間に、犬に用意していた水がなくなっていた。飲んでくれたのだろうか、すこし安心する。帰宅したもう一人にそれを報告するだろう。エサも食べてくれるかもしれない。ただ、犬は口を付けようとはしなかった。今は体力を温存しているときなのかもしれない……。
そしてその夜は心配ながらも過ぎてゆく。あなたたちもうとうとと仮眠をとるだろう。

(※Rはその間に勝手にコンセントから充電をし、体力回復)


あなたたちは朝を迎える。目を覚ますと、犬は目覚めていた。しかも元気そうだ。だが警戒しているのか、尻尾を振ることはなく警戒は続いているようだった。ごはんや水は食べた様子がない。
不思議に思いつつも、あなたたちは日常の生活を続ける。

★目星
【成功】
瞳が金色だ。珍しい色だ。真っ直ぐ見つめてくるからだろうか…妙な畏怖を感じる(SAN0/1)
【失敗】
じっと見つめてくる。怖くなって目をそらすだろう。
★アイデア
【成功】
犬に仮の名前を付けよう。首輪には「R」の字があった。「アール」と呼ぶのはどうだろうと提案する。
【失敗】
犬に仮の名前を付けよう。どんな名前にしようか…(※KPが{アール」という名前に導くこと)
あなたたちは、飼い主を探さねばと思うだろう。写真を撮り、チラシを作るかもしれない。写真を撮りがてら(排泄のこともあるので)散歩に出よう。(※リードは何かしらのひもで代用可能。Rはリードも難なくつけさせてくれるし、ついてくる)
(行き先の選定。両方行って良い)
「愛犬家の多い土手の公園」
愛犬家がよくいる堤防に散歩。色々な飼い主に出くわす。話を聞くこともできる。だがあなたたちが連れているRは見たことのない犬だと言われる。(目星成功→飼い犬達は吠えている。ひどく怯えているようだ・失敗→吠えてうるさいなぁ…)Rは吠えられても興味なし。
「街中」
街中の散歩。犬は挙動が不審になり、落ち着きがなくなる。人の数も音も多いからだろうか、キョロキョロとし、耳をそばだてている。(目星成功→周囲の人々のスマホが通信障害になっているようだ。なぜだろうと思うだろう・失敗→わからない)Rの様子が悪いと感じたら、家に帰ろう。
Rは散歩中、排泄をすることがなかった。だからといって具合が悪そうでもない。いたって軽やかに歩いている。その様子に、あなたたちは不思議に思うかもしれない(SAN0/1)
★アイデア
【成功】
訓練が行き届いた警察犬なんかは、排泄もコントロールされていることを思い出す。Rは毅然としている。もしかすると訓練された犬なのかもしれない。
【失敗】
家で粗相してもいいように、トイレシートでも買っていかなきゃな。


帰宅後、あなたたちはRを甲斐甲斐しくお世話するだろう。
POW5成功→ひとりずつ3回行動できる(合計6回)
撫でる…友好度+1
毛づくろい…友好度+3
足をふく…友好度+2
(4以上)不思議そうに見ていた犬だが、それに従順に従うように見えた。
(4以下)無感動に見つめている。
フードと水を用意するが、相変わらず食べる様子はない。やはり生理現象が存在していないかのように感じる。すこし違和感を覚えるだろう(SAN0/1)
あなたたちは協力してRのチラシを作る。張り紙協力を繁華街の至る所に頼みにゆくことだろう。すると最近、この辺りでよく見た犬だと情報を得る。同時に、ここら一帯で通信障害がよく出ているんだという情報も得る。近くの工事現場が干渉してるのかなと訝しんでいるという。
帰宅すると、Rは元気だ。相変わらず食事はとっていないが。様子を見てあげよう。

POW5成功→ひとりずつ6回行動できる(合計12回)
撫でる…友好度+1
芸を仕込む(お手・お座りなど)…友好度+3
※友好度15以上になったところで、Rが尻尾を振ってくれる。

あなたたちはまた生活に戻る。夕食を取り談笑をし、そして眠ることだろう。その夜、ふと…目覚める。(※友好度が高い方のPLのみ)Rがいない…どこに行ったのだろう。室内を探す。
どこにもいない…いや、窓が薄く開いている。Rは逃げてしまったのか。あなたは不意に窓外を見るだろう。
そしてそこにRを見つける。犬は屋根(※屋上)に上がっていた。
しかし、それは…頭部の皮が禿げ金属の頭骨を持っていた。瞳が瞬間眩い光を発し、空の彼方へと打ち上げられる。それが何かはわからない…だが、あれは犬ではない、異形のものだ
(SAN1/1d3)
あなたは驚いて逃げるだろう。
★DEX5
【成功】
もう一人のPLを起こす。そこに犬が戻ってくる。
【失敗】
先に気づいたRにのし掛かられる(SAN0/1)物音にもう一人のPLが起きてくる。
Rは犬ではなかった。あなたたちは身を寄せ合いながら警戒をするだろう。
するとRは…唐突に言葉を紡ぐ。
「まて」
「わたしの なは あーる」
「通信探査機 製造1975 あーる」
「ニンゲン の 情報を 収集中」
と機械的な声を出した。
(SAN1/1d3)
※友好度が15以上ならばRは自分の境遇を話してくれる。
Rは命令を受けて地球に放たれたロボットだった。しかし雷に打たれ、機能が一時低下。そこを助けられたという。通信機能が回復したため、本部への通信を再開したようだ。
解答例(※PLの質問に対して返答。答えにくい場合は沈黙でよい)
「わたしは ニンゲンがいうところの ロボット」
「雷に打たれ 機能が 一時 著しく低下 通信機能回復 通信を再開」
「わたしの 主は 地球にはいない 月の裏の 基地に 通信を果たす それがわたしの 使命」
「主の真意は 理解不能 わたしは 探査装置でしかない」
どういう人間の情報を集めているのかと、あなたたちは問うかもしれない。するとRは言うだろう。

「〇×の測定」(※〇×部分は伏字に)
と言う。だがそれは耳をつん裂くような耳障りな解せない特殊な言語だった(HP-1)犬は異形であった。……いや、ロボットであったのだ。
★アイデア
【成功】
最近ここらで起こっていた通信障害がRのせいではないかと気づく。Rがこの地域で地球外への通信を通信を行うことで阻害されていたのではと。
【失敗】
何もわからない。
あなたたちはRを恐ろしく感じるかもしれない。地球外から派遣されてきたロボット犬なのだ。しかし…Rは不気味ではあるが、現状、あなた達に危害はくわえるそぶりはまるでない。
解答例(※PLの質問に対して返答。答えにくい場合は沈黙でよい)
傷つけることはない わたしの使命は ニンゲンの 観測」
「ここは 〇×の測定 収集に とても 適していた」
「わたしを 遠ざけても 問題はない」
「嫌悪を感じるならば わたしは あなたたちから 離れる」
「あなたたちが それで 安心 ならば」

そう告げるRの目は、初めて見た時のような恐ろしさはなかった。まるで飼い犬が主人を見上げるようなまなざし。Rの中には人間のよく知る、「主従」のような絆が生まれているのではないかと、あなたは思うだろう。
そのRの態度と発言に、あなたたちはどう思うだろう。どんな感情が生まれただろう。それをRに伝えるかもしれない。

(※PLのRPをはさむ)
すると、不意にRが顔をあげる。そして頭皮がはがれ機械の頭骨が現れた。通信をしている…? 何かを傍受しているようだった。すぐにまた犬の姿に戻り、あなたたちに向き直り言った。(※もう一人の探索者がこれまでにRのロボット頭骨を見ていない場合SAN1/1d3)
「にげろ」
何故だと問うだろうか。するとRは言う。
「主に あなたたちは 危険とみなされた」
と言う。
「あなたたちの 〇×が 脅威」
その意味はわからない、だがあなたたちは逃げる暇もなく、窓の隙間から忍び込んできた何者かによって行く手を阻まれる。言葉通りそれはすべりこんでくる。それは明らかにRとは違う、タールをまとったような流動体の犬だった。
(SAN1/1d3)あなたたちはお互いの身をかばうだろう。しかし、その前に…Rが立ちはだかる
Rはあなた達を守るため、この2頭の犬と戦うだろう。


(戦闘開始)
【戦闘特殊ルール】
流動の犬の攻撃は確定で先行。
PLは戦闘に基本参加できない。
流動の犬はPLを確定で(1d2)狙う。
そのため、Rは自動成功でPLが受けるべきダメージを肩代わりする。
友好度の高かったPLはRに命令を出せる(※Rの行動指示・ダイスはKP)
技能判定ダイスはシークレットにする。ダメージダイスは公開。
クリティカルが出た場合はダメージに(+1d3)

{流動の犬ステータス}
HP15・DEX30・噛みつき60(1d10)・ひっかき70(1d6)・(※スタンしていないときにPL攻撃した場合・2体共が生存していて、1体がスタンしている場合にPLが攻撃した場合)カウンター攻撃50(1d3)
※2体の流動の犬はとても素早いため、PLの攻撃はヒットしない。そもそも戦闘に参加できない。それでも参加したい旨があれば、大幅なマイナス値を提言。PLが攻撃を仕掛けた場合、カウンター攻撃を受ける(※スタン中は無効)
※流動の犬が1体になり、スタン中の場合は、PLも攻撃に参加できる。マイナス値もなし。
※死亡した場合、流動の犬は細粒となって霧散していく。
{Rのステータス}
HP30・DEX28・噛みつき70(1d10)・ひっかき80(1d6)・スタン90(※単体の動きを次の1ターン止める)
PLが命令できるのは「噛みつき・ひっかき・スタン」
カウンター受け流しは自動成功(そのかわりダメージを肩代わり)
※Rが勝利するようにKPは調整する

Rはあなた達を守り切った。だが体は傷つきボロボロ。機械部分が露出している。あなたたちが受けるはずだった攻撃をその身に受けたのだ……直してやりたいと思うだろうか、それが可能だろうか。
★目星
【成功】
傷ついているのは有機体の表皮だとわかる。
【失敗】
傷の具合がわからない。
Rが言う。
HPが5以上の場合→「表皮は時間と共に修復可能。体内コアは損傷なし」
HPが5以下の場合→「表皮は時間と共に修復可能…だが、体内コアに損傷あり。エネルギー流出 自動修復不可能」
表皮の治療

★応急処置・医学・アイデア成功で応急処置+30
【成功】
Rがアドバイスをくれる。傷口はホッチキスでつなぎとめるだけで可能。次第にふさがるだろう。あなたたちは包帯などを巻いてやるかもしれない。
【失敗】
傷を治療してやることはできなかったが、Rは「修復可能 心配は無用」と言う。
体内コアの修理
★修理技能・その他該当技能
【成功】
体内コアを守っているらしき防壁を修繕できた。これが正しい修理なのかはわからない。だが、エネルギーの流出は防げたようだ。
【失敗】
Rを救うことはもはや…できないだろう。
RのHPが5以上・技能による修理が成功した場合→エンドAへ
RのHPが5以下・修理もできなかった場合→エンドBへ
※「破壊する」の特殊エンド②あり


【エンドA】
Rは治療を終えた体で立ち上がる。そして通信を開始する。Rはあなた達のことを「抹殺した」と主に嘘の報告をするだろう。あなたたちはそれによって、命の危機は免れる。
Rは言う。
(※回答例)
「早急に 移動を 開始」
「〇×は 危険性 あり」
「ニンゲンの〇×は 我らにとって 脅威」
「わたしは 探査装置 任務を続行する」
「しかし わたしには わかる」
「わたしは 〇×をわずかに 理解」
「〇×は ニンゲンの 武器であり盾」
「○○、○○」(※初めてPLの名を呼ぶ)
「わたしは 機械 けれど」
「あなたたちが おしえてくれた わたしを 世話し シンパイし たすけた たべられなかったが しょくじをあたえ そう にんげんでいうところの 慈悲を わたしにくれた わたしは雷に打たれ こわれたのかも しれない いままでそんなこと 思考しなかった」
「〇×が ……ニンゲンが 愛という それが」
「わたしには にくむことができなかった」
そう言い残し、Rはあなたたちの前から去ってゆくだろう。慌てて、窓の外を見れば、Rが屋根伝いに飛んで行き、そして遠く彼方へ消えてゆく姿を見る。
(※PLのRP)
それ以後、ここ周囲で通信障害がおこることはなくなった。ただ、それはあなた達には…Rがいなくなってしまったことを悟らせるのだった。
あなた達はRを思い出すだろうか。
愛を知った孤独なロボット犬は、いまもまだ人間の愛を調査しているのだろうか……(了)
エンド報酬
SAN回復(1d10)


【エンドB】
Rは最後の力を振り絞って体で立ち上がる。そして通信を開始する。Rはあなた達のことを「抹殺した」と主に嘘の報告をするだろう。あなたたちはそれによって、命の危機は免れる。
Rは言う。
(※回答例)
「数分後に 機能 停止」
「〇×は 危険性 あり」
「やはり ニンゲンの〇×は 我らにとって 脅威」
「しかし…わたしは」
「わたしは 〇×をわずかに 理解」
「〇×は ニンゲンの 武器であり盾」
「○○、○○」(※初めてPLの名を呼ぶ)
「わたしは 機械 けれど」
「あなたたちが おしえてくれた わたしを 世話し シンパイし たすけた たべられなかったが しょくじをあたえ そう にんげんでいうところの 慈悲を わたしにくれた わたしは雷に打たれ こわれたのかも しれない いままでそんなこと 思考しなかった」
「〇×が ……ニンゲンが 愛という それが」
「わたしには にくむことができなかった」
「あなたたちが ぶじで よかった」
そう言い残し、Rはあなたたちが見守る前で機能を停止する。瞳が光を失うと、Rの体は細粒にほどけ…そして霧散してゆく。なに一つの痕跡も残さずに……
(※PLのRP)
それ以後、ここ周囲で通信障害がおこることはなくなった。ただ、それはあなた達には…Rがいなくなってしまったことを悟らせるのだった。
あなた達はRを思い出すだろうか。
孤独なロボット犬は、愛を学んだ。そしてそれ故に死んだ。それは…彼にとって、幸せだったのだろうか……(了)
エンド報酬
SAN回復(1d10)


【特殊エンド】
①冒頭で「助けない」を選んだ場合
その後、周辺では通信障害が多発するようになり、正体不明の獣が目撃されるようになる。それをあなたはいぶかしみながらも、日々を過ごすことになる。しかし、それも時と共に落ち着いてゆき…いつの間にか、何変わらぬ日常に戻ってゆくことだろう。

②戦闘後、Rを人類の脅威とみなし、自らの手で破壊する場合
あなたたちは残酷で悲しい選択を選ぶ。しかし、これが人類のためなのだ……。Rはあなたたちの心を読んだのだろうか。一瞬身構えたが、……あなたたちに身をゆだねたように見えた。Rはあなたたちにコア部分を晒していた。露出したそれは人間の拳でも、叩き壊すことができるだろう。
拳をたたきつけた瞬間、まばゆい光が飛び散る。
そしてRの体は細粒になり、霧散していった。
これは人類の敵…、ただのロボット。自分にそう言い聞かせるだろうか。
だが、あなたは。
最後にあなたを見上げたRの慈悲に満ちたまなざしが、脳裏に焼き付いて離れなくなるだろう……(了)
※報酬なし



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