見出し画像

つづけて聴いた曲:右体18

Because/菅野よう子×手嶌葵
June/優河
灯火/同上
WATER/同上
Wonderful Life/七尾旅人
紫陽花/KOHH
波よせて(Live)/クラムボン(cover)
미화(ミファ)/七尾旅人
ソウルフードを君と/同上
M78(ma FD)/Tohji
1AM in Asahikawa/C.O.S.A.

ごく些細な箇所でしかし決定的に、自分をこの時この場所に繫ぎ止めている曲が数えきれないくらいにはあることに気づいておどろく。
ちゃんとやれているときは音楽を聴くことが少なくなる、ほとんどすべてを拒絶するほどだったときに繰り返し聴いたアルバムを今朝聴くと胸がきゅうとなった。

ドライブをしながらちょうど二年前につくったプレイリストを聴いているとすごくなつかしかった。口ずさめない曲が一つもなくて、こういう大切さにしか拘れなかったそのときの僕のことを大切にしようと思うとともに、どうやったら静かに暮らせるのか、それがいつになってもわからなくて、途方に暮れる気持ちでしずかな一連を聴いた。

何かにしがみついている自分がすごくいやになって、それで感情そのものを取り出そうとして数年、捻くれたあと、それも無駄だったと知って、詩も歌も、じっさいの体験も、かえってよくわからなくなった。

こういうことも、そしてこのあと書くことはもっと、極私的な話ではあるけれど、僕はいま前を向いてしかも方向を意識しながら書いているので、濁ったり固まったりするところなどどこにもなくて、むしろ僕にはやめたいことが一つもない。

粉雪が降る街
声が枯れる程にShoutしてた
そこにはFake Loveも存在してたよな
「まあ確かに」と口癖が出る
口が滑る
思ってもねえのに
流れでやっちまうこと見透かされてる
俺らより強い存在に夢中
昔に話したこと ずっと覚えてる
けど曖昧になるモノだって多い
俺は作り続けるだけ
別に望みはない
いつもそうしてクラブでは
1人でいるのか?って
ある奴が問う 考えたことねえな
とっくに孤独じゃねえって思い込んでたか?
背中について回る儚さが
映えるのはステージの上だけ
色んな物がこの手からこぼれていく
俺は知ってる 俺は誰かを傷付ける
良かれと取った行動が裏目に出る
誰も俺を知らない雪の街で空気を吸うと
不思議と落ちついて肩の荷が降りた

6シリーズの白いBMW
それを抜き去るChevyと同じスピードで
俺たちの人生は加速する
ホイールは錆び付いたBBS
まだうちに帰りたくないとTeens
うちに帰れない訳がある俺ら
このCE$のMixが終わる頃
あいつの着信に折り返そうと思う

(・・・)

キーにはついてる
南で買ったストラップ
なに表してるか忘れちまった
撮った写真は全部消えたし
俺たちを忘れるなって声がする
言ったろ 俺は無慈悲な奴
愛はあるけど情がないのさ
次の夏には あいつがいると良いな
マジでああいう奴が上手くいくと良いな
今Love以外は全て景色に変わる
そんな俺たちを誰も笑ってない
溶けてなくならない雪の街で
空気を吸うと 不思議と落ち着いて
肩の荷が降りた

-「1AM in Asahikawa」

今Love以外は全て景色に変わる
そんな俺たちを誰も笑ってない

それで、ここからはけっこう実際的な話で、音楽という分野とは直接は関係のないこと
恋人がいないと頑張れないっていうのがとても自然で一般的なことだとずっと思ってきたんだけど、意識の上では何の前提もないかたちで、頑張ることが「必要」な人がいるってことも最近はわかってきた。べつに、いても頑張れないときは頑張れないんだけど、「いないと頑張れない」っていうのはすごく身体に合った言い方、僕の。

じゃあ僕は何なのかってこと。きっと、僕は、それが唯一のかたちではないにせよ、その都度深く愛してもらう、その泣き笑いのような感情、激甚とまで言うべきであるような興奮を通過して、そこではじめてリラックスできるのかもしれないと気づいた。

何に駆り立てられているかということよりも、つねに何かに駆り立てられ続けるという事実によって僕は駆り立てられている。緊張が解けない。一人で部屋にいても、都市の人ごみのなかにいても、すごく大切なひとと親密な時間を過ごしているときでも。

詞のなかで繰り返される「あなた」や上で言っているところの恋人は、結局のところ、波そのものであるところの自分をみている、お互いが誰であるかもわからないままみているところのもう一人の自分のことだ。

その人と、波の人とが、自分に合った愛嬌を自分に許して、合わない愛嬌を捨てることができたら、自分たちのことを誰も笑ってないと信じられるのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?