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1月のこと2:国事

2024年1月のこと。
国事と家事のそれぞれについて書いてみる。
この記事は国事について。
(2024年1月1日-26日の朝日新聞朝刊を参照した。)

新聞では能登震災とパーティー券問題ばかり取り上げられていた。が、数日単位で進展のある話題なだけで、それほど問題として重大であるようには思えなかった。

政治とお金

特にパーティー券のほうは。いつでも騒ぎを起こせる用意がありつつ、特捜部が今を選んだというだけで。安倍派が集中砲火されているうちは岸田派としてはまったく痛くないしむしろ党内での自分たちの影響力が相対的に上がるからうれしいわけで、内閣支持率が下がろうがどうでもいいはずだった。安倍派「五人衆」を主要ポストから外せたし。

それが、二階派、岸田派の会計責任者も起訴されるに及んで、派閥解体の話にまで大きくなった。岸田派、安倍派、二階派、森下派が解散を決定している。岸田の宣言はけっこう思いつきのような軽い感じで、麻生副総裁は馬鹿言ってんじゃないよって感じ(実際言ってる)。そのあと出てきた政治刷新の方針は実際馬鹿なんだろう。派閥が「お金と人事から完全に決別」するのなら、じゃあ一体何をするの?って感じだし、「政策集団に生まれ変わる」なら、今よりずっとお金が必要なんじゃないの?この話の結論としては、議員立法15%以下の現状でこれらの宣言をそのまま受け取るわれわれが一番の馬鹿である、そのまま受け取るように=馬鹿であると見積もられているということか。要は今までよりは国民から見えにくいかたちで裏金を運用しますという宣言だろう。

連座制の導入とか政治資金の透明化のための収支公表とか、おそらく実現はしないだろう「公正な案」はどうでもいい気がする。お金と人事の流れを政治家が引っ張らなかったら、官僚が今まで以上にそれらをコントロールするわけで、それが民主主義にもとるわけがない。政治の領域が今まで以上に狭まることが重大で、今まで以上に薄汚くお金を使って、大胆にお金を使うべきではないか。それがどう帰結するにせよ。

能登震災から

:インフラ復旧過程

1日に発生。22日の時点で死者233人。
安否不明者と避難者の推移は、7日→13日→22日で安:195人→26人→22人、避:2.8万→2.3万→1.5万。

どのインフラがどれくらい破壊されていて、三週間経過時点で、何がどれくらい復旧してきているか。

まず通信障害が大方解消されてきたのが18日あたり。孤立地域もその後2,3日で応急復旧が達成されている。22日、通勤利用者の多い七尾-金沢のJR七尾線が再開。能登空港(輪島市)が応急復旧を終え自衛隊の輸送機などに限って利用されたのが11日、27日には、週三日、一日一往復、民間飛行機が飛ぶ予定。まる一か月でようやく民間人が移動できるようになる。

22日までに珠州市・能登町すべての小中学校が始業する。先立って、21日、両市町の中学生142人が金沢市に集団避難、学習を再開した。県立高校生については、希望者を対象に県教委が金沢市のホテルを取って避難させている。学校が再開はすれど、住宅被害や断水は広範であるため、金沢市にこのまま1,2か月避難して集団生活、学習を進めるのがよいとの判断のようだ。

通信、交通、教育の復旧にめどがつきはじめているのに対して、断水はこれからも長らく続く。七尾市ではいまだ水道が2割ほどしか機能せず。3月末に至っても4割弱しか復旧しない見込みで、残りの6割は4月以降になってしまう。

2号が再稼働に向け規制委員会の安全性審査中だった北陸電力志賀原子力発電所は、津波で外部電源が一部使えなくなり、変圧器から油が流出して辺りの海に6メートルの油膜が貼るなどの被害を受けている。原子炉建屋の基礎部分での揺れが想定をわずかに上回ったが異常はないと規制庁は説明する。12日の発表では復旧に「最低で半年」。

インフラの復旧過程は主に以上の通り。
死者の9割が家屋倒壊によるもの、との報道が目をひく。
少なくとも3万棟を超える住宅被害。全国的には9割が耐震化する一方、していない木造住宅の多さが被害拡大の大きな要因とされている。耐震化をクリアしている割合は、輪島市では46%にとどまる。過疎化が進む地域は建築基準法が改正された1981年以前に建てられた住宅が多いためだ。

:全国的なインフラ老朽化+空き家増=街の廃墟化

こうした状況から、家屋や道路などが過疎地域を中心に全国的にガタガタなのは想像がつくだろう。道路や橋やトンネルなどのインフラは建設後50年が寿命らしい。国交省の調べでは、2040年に橋梁の75%・トンネルの53%・港湾の66%が50年を超える。道路や橋は5年に一度点検が義務化されているらしいが、政令指定都市を除く市町村では、橋梁の60.8%・トンネルの47.4%は未修繕で放置されているという。国管理の未着手割合は橋梁37.7%・トンネル31.5%。

家屋のほうで重大なのは、空き家の割合がすこぶる多いこと。家はあるのに、住めない家が多すぎること。空き家は18年に約849万戸と7戸に1戸となり、野村総合研究所の予測では38年に最大で2356万戸と総住宅のうち3戸に1戸を占める。これらの空き家はしかも、耐震性、耐熱性に難がある。国の調査では18年時点で居住世帯がある住宅約5360万戸のうち、約700万戸は耐震性が不足している。新耐震基準でも約3450万戸は省エネ基準を満たさない。空き家849万戸の詳細な性能調査は見当たらないが、居住世帯のある家より良い状態とは考えにくい。

要は、今は30年前のいちばんお金があったときの公共投資で街に道路に分厚く貯金があって(只今貯金を切り崩し終わる最中で)、街は先進国風に見えているだけ。家もたくさんあって、家を欲しい人もたくさんいるけれど、住める家が少ない。20,30年規模でみると、政令指定都市以外は廃墟であるわけだ。

震災があると、その地域でこうした傾向が一気に進む。すると、より政令指定都市に人が流れ、さらに過疎化が進んで、悪化の一途をたどる。

京アニ放火殺人から

:孤立の受け皿は現実的にありうるか

36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、青葉真司被告の裁判員裁判が25日、京都地裁であった。求刑通り死刑。法廷での供述から半生がメディアに並んでいる。朝日新聞2024年1月26日朝刊の社説「京アニ事件判決 社会的孤立 考える機に」より以下引用。

幼少期、両親の離婚や父親の虐待に苦しむ。中学で不登校となり、社会に出てからは派遣社員などで職を転々とした。30代の時に起こしたコンビニ強盗で服役・出所後は、生活保護や精神科の訪問看護を受けていた。
 同じ「就職氷河期」世代である秋葉原殺傷事件の加害者に共感を寄せ、地元の駅前で無差別殺傷計画も立てた。他方、心のよりどころである京アニ作品への執着を募らせ、応募したアイデアを盗まれたとして犯行に及んだ。

「社会的な孤立を深め、虚構の世界に居場所を求めた被告」と結んで社会の包摂や支援のあり方に問題を投げかける方向に記事は進んでいく。

「社会的な孤立」とは何か。もっと詳しく見てはっきりさせる必要があるだろう。それは、社会的動物としての、社会内的人間としての能力を喪失してしまうこと。我々は、感情的な関係性からの脱落によって、一定の限度を超えて破壊的な自責行動/他責行動へ走ること、あるいは著しい無感動、無力感に陥ってしまった人の状態、およびその経緯背景を、「社会的な孤立」とぼかして表現している。なぜぼかすか。ぼかさざるをえないか。
それはあらゆる社会的な対立/協力関係は、この感情的反応・判断能力を前提せずには成立しないからだ。イデオロギー上の対立も、経済利益上の対立も、ありえなくなるからだ。

さて、社会的な孤立、感情的な関係性からの脱落について、行政的な対応には限界がある。市場や行政に依存的なままの個人を包摂するのはコストが高すぎて現実的に無理だ。というかそもそも、感情的な関係性、そしてそれがもたらす感情的安定というのは、サービスや行政的保障とは対極にあるものだ。むしろ官僚的、合法的支配から逃走したところにそれはある。つまり現実的なコストだけでなく、原理的に無理だと言うことにもなる。

ここでは施策的な方向で考えるのはやめる。では社会の側からではなく、個人の側からどうすればいいか。どう実践していけばよいか。
まず踏まえなければならないのは、マクロには、そして展望的には、家族は孤立の受け皿にはなりようがないということである。どういうことか。簡単に言うならば、恋人がいること・できることや結婚していること・できることは孤立を解決しない。こうした事件を準備する孤立をマクロには癒さない。

1978年の厚生白書は、家族三世帯の同居を「福祉の含み予算」として考えている。これはこうした同居が当時世帯の7割を占めていたからである。今なら親は老人ホームへ入れられる。核家族化の進行のためだ、とひとまず言っておこう。つまり、子には頼れない。
それどころか、晩婚化と未婚化の進行はこうした家族的包摂を打ち壊しつつあるし、今後ますます打ち壊す。夫婦二子世帯は一割以下。核家族すらまったくのマイノリティであり、単独世帯が38%を占める。高齢化率は29.1%で、高齢者に限った単独世帯率は42.4%に上る。単独世帯率は今後さらに上がっていくだろう。

ここで気づくだろう。われわれの想像力と願望は、青葉被告と同様アニメに規定されている。つまり、今の日本、これからの日本には、サザエさん一家もクレヨンしんちゃん一家もありえない。結婚できたとしても、上記の半生にみるように、子の心理的安全が確保される可能性は現実的なものとは言えなくなっている。

:サザエさんからスパイファミリーへ

社会保障的感覚は家庭に持ち込むことは現実的でないどころか、子の心理的安全を脅かす。それは結局のところ、われわれの家族的願望が、そもそも行政的、社会主義的で、要は「戦後日本的護送船団」の部分として家族を捉えてきたということだろう。

それとはまったく反対に、合法的支配、官僚的支配に抗するという戦略をとるしか個人にとって希望がないとするなら、参照するべきアニメは『スパイファミリー』だろう(アニメを参照することはする。それを脱することはできない。それがどんな結果、破壊的な行為に結びつこうとも、妄想を手放すことはできない)。ただし、その似非家族性、つまり「家族的なるもの」の特殊形態に目を向けることは本質を逸する。実際の発生、運営上のポイントをみる必要がある。つまり、家族の中には一人も〈よき父・よき母・よき子〉がいない。それどころか、全員反社会的存在ですらある。早い話が、父も母もやくざだ。しかしやくざ的な相互扶助や道徳に縛られず、家庭外での違法行為(合法的支配からの逸脱!)はつねに家庭の心理的安全に奉仕している(父の「スパイとしての任務」は家族愛へのツンデレとしてつねに理解してよい)。全社会的な抑圧や暴力打ち砕く力があってこそ、そして家族など「私の秘密」の露見一つで崩壊するだろうという一人ひとりの覚悟と諦めによって非自明的に〈家族的なるものの包摂〉が成立している。『義母と娘のブルース』をその現実化として見てはいけない。母子的、父子的な愛を接ぎ木する点で家族的想像力にあきらかに依存しているからだ。『逃げるは恥だが役に立つ』は一つの実験として参照されてよいだろう。

国々事

アメリカ大統領/台湾総統選挙から

共和党は7月15日から18日に大統領候補者を指名する。15日アイオワ州の候補者指名争いを受けて、元フロリダ州知事ディサンティスが撤退しトランプ支持に回る。中道の多いニューハンプシャー州に望みをかけた元国連大使ヘイリーを10ポイント差で倒して、トランプ前大統領の勝利が確実となりつつある。トランプvsバイデンの構図再びか。

問題は司法がトランプをどこまで追い詰めるかということ。連邦議会選挙事件の扇動の疑い、不倫相手への口止め料、機密文書の不適切なもちだし、20年大統領選ジョージア州の結果を不正に覆そうとした疑いなど、選挙戦と並行して法廷闘争がこの一年進んでいくことになる。前から順に、3/4、3/25、5/20、8/5に初公判を迎える。民主党の大統領候補者氏名は8月で、大統領選の投開票は11/25だ。

13日、台湾総統選で与党・民主進歩党の頼清徳(副総統)が当選し5月20日より総統となる。対中国強硬姿勢の頼清徳に中国は選挙期間中から反発していた。同時に行われた立法委員選は国民党52席民進党51議席で第二党へ転落。総統と米国との安全保障連携に足かせが懸念される。

:選挙危機としての(事実に対する)印象の優位

中国は総統選挙期間中に生成AIのフェイクニュース動画を流して頼清徳および民進党に不利な偽情報・印象を拡散させていて、台湾市民の8割がこれに触れたとみられる。世界経済フォーラム(WEF)報告書発表における「今後二年間の危機」の第一位に選ばれたのは「誤報と偽情報の拡散」。これが政府の正統性をゆるがし、暴力的な抗議行動やヘイトクライム、市民の対立を生じさせるだろう、と。

大統領選におけるトランプの躍進と台湾総統選における中国の介入は、誤報と偽情報の拡散による選挙の正統性危機の筆頭に数えることができる。AIはイデオロギーに基づいて「好ましい印象」をつくりだし、トランプは排外主義を助長し打撃を受ける当人であるところの労働者層を感情のフックを突いて動員すると同時に、平然と嘘をつきつづけることによって「事実」と「民主主義的手続き」の権威と安定性を毀損し続ける。事実や構造の訴えよりも印象が動員力において勝るというトランプの慧眼を打ち負かす術はほとんどないと言っていい。しばしば国民健康保険導入の困難の文脈において、アメリカの精神は「個人の自由(選択)は命より重い」と表現されるが、この場合で言えば、個人の選択は真実よりも重いのだ。選択するところの個人がどれほど知的忍耐力がなく、印象によって釣りあげられる受動的な存在だったとしても、個人たちが選んだということがなによりも優先されるのだ。民主主義の没落的帰結を素直に体現している点でどこまでも正当な制度運営だと言える。

この点、選挙率が低く、かつ、首相や内閣が国民判断を直接反映しない、党内政治や官僚との駆け引きで政治が実働する日本と、どちらが妥当な政治決定を出力できるだろうか。

:それは貿易摩擦か

中国と台湾は経済的に相互依存の関係にあり、また、米国はその両方に依存している。

台湾は輸出の35%・輸入の20%を中国に依存し、一方、台湾は先端半導体の生産が圧倒的で世界シェアの9割を占める。特にiphoneの半導体をすべて供給。そのため、2022年に米国は中国への広範な半導体輸出規制をかけ、2023年には人工知能向け技術について制限をしたのだが、台湾をこれに参加させることは規制を実効的にするために不可欠だった。中国のレアアースや重要鉱物資源に世界のサプライチェーンは大きく依存していることも言うまでもない。

と、いうところまでが米中の「貿易摩擦」の全体である。政治的にはバイデンは台湾の独立を支持しておらず、中国の強硬な姿勢にも異を唱えない。しかし台湾の8割の市民もまた現状維持を望んでいる。とすれば、中台対立、米中対立の激化は真実か。真実であるとすればどの国にどんな動機があるのか。

米国が仕掛ける「貿易摩擦」はそれ単体で理解されるべきものではないことは確か。トランプ政権下で発足しバイデン政権へ引き継がれた「インド太平洋戦略」は、世界の安全保障の最重要課題を「対中抑止」であると明記している。アメリカ軍と(日本)自衛隊との相互運用性を高め、台湾有事を想定した日米共同作戦計画に基づいた配備を敷いている。公式文書上の「抑止」は反対に牽制、圧力として読むべきだろう。地理的配置ゆえ、軍事的には米中対立は米日と中国との対立を意味する。台湾と日本、韓国を挟んだうえで、代理戦争的な側面はどうしても発生する。日本の軍拡や辺野古移転(10日、地盤改良に着手)もこの文脈で理解される。

直感的な可能性や政府および官僚の言及量は横に置いて事の重大さを計るならば、単なる貿易摩擦とその悪化としてではなく、「戦争か、それ以外か(貿易圧力)」として理解すべきだろう。

ガザ侵攻/ウクライナ侵攻から

:中東情勢、対立のエスカレーション

パレスチナ自治区であるヨルダン川西岸地区と分裂し、ハマスが武装闘争路線を堅持しているガザ地区は2007年以降封鎖され、14年以降は米国仲介の和平交渉も中断していた。2023年10月7日のハマスによるテロをきっかけにイスラエルからのガザ地区への攻撃が激化。パレスチナ側の死者は21日に2.5万人を超え(イスラエル側の兵士死者は1200人ほど)、6.26万人が負傷。8割の190万人が避難する。病院は13/36しか機能せず水の使用量は59-89%減少しており極限の状態にある。なおもイスラエルは攻撃を加速させる方向であり、ハマスの戦闘員3万のうちいまだ7,8割が健在とみられる。

2日ハマスの幹部が殺害される。16日、カタールが、人質に衣料品を届けることを条件に、ガザ民間に支援物資を提供。11月下旬の一週間休止以来の合意だったが、21日、ネタニヤフ首相はハマスが提示する条件での停戦を完全に拒否した。国連やEUやアメリカが求めるところの「二国家解決」を完全に拒絶し、ハマスにはガザ地区外に出ることを停戦の条件とするなど、根本的な対立を隠さなくなっている。

これは紛争やテロ鎮圧でなくて一方的なジェノサイドであり、民族せん滅の企図は次第に明確なものになっていると思う。アメリカによる横暴な中東支配およびその体現者、「民主主義の砦」としてのイスラエルを根本的に批判することにイデオロギー上の対立があるにしても、いちじるしい国際法違反とジェノサイドとは無条件に非難される必要があるだろう。23日以降、南部ハンユニスでの軍事作戦が強化され、重要拠点たる地下トンネルやロケット製造施設の破壊が進む。24日、住民の避難場所として使われていた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の施設が攻撃を受け、12人が死亡。イスラエルはこれを自軍の攻撃と認めていない。

:米国によるあからさまな抑止、牽制行動

親パレスチナ勢力およびイランとの対立もまた激化する。

イエメンの親イラン武装組織、フーシはガザ侵攻激化を受けて反米、反イスラエル的姿勢を明確にして活発化。紅海での商戦への攻撃がサプライチェーンへの著しく毀損することから、アメリカはこれを排除するつもりでいる。11日、22日の二回にわたって米英両軍はフーシの関連施設へ軍事攻撃を行い、米も単独で複数回攻撃を加えている。「世界の海運を守る」との宣言に迷いがない。レバノン東部のシーア派組織ヒズボラも、ガザ侵攻激化以降ロケットやドローンによるイスラエル領内への攻撃を繰り返す。が、国力の差からして全面戦争は現実的でないように見える。アメリカは24日、ヒズボラの三つの施設を攻撃した。

さらに、イランとイスラエルの対立緊張も明白。イラン革命防衛隊5人がイスラエルの攻撃により殺害されたことを受けて、イランのライシ大統領は20日、報復を警告している。

アメリカの力が十分に及ばなくなっていることがこの混乱を遠く原因づけている。アメリカは中東に金や軍事を回す余裕がないため、反米勢力を抑えることはもちろん、イスラエルの暴発をコントロールすることができないということを大きく見る必要がある。

:ウクライナ侵攻

年明けからロシアからの攻撃が激化。発表や報道がこれに追い付いていない。
12月29日以降ロシアの全面侵攻以来で空からの攻撃が激化。最大規模。
東部ドネツクへ、6日のミサイル攻撃と21日の砲撃が行われ、それぞれ11人、少なくとも25人が死亡。
8日、中部ドニプロペトロウスク州を中心に4州に大規模攻撃で4人死亡。
23日朝、ロシア軍による南部、州都ハルキウとキーウ市内へのミサイル攻撃でそれぞれ住民6人、1人死亡。

3日、それぞれ200人超の捕虜の会報を発表。交換は去年の8月以来5か月ぶり。ロシア側に戻ったのは248人、ウクライナ側は230人。アラブ首長国連邦による仲介。ウクライナ側は計2828人が帰還したが、昨年11月時点で少なくとも3500人以上が拘束されたまま。

ウクライナ側の外交での主な動きは以下。
欧州によるウクライナ支援は難航。12日英国スナク首相がキーウを電撃訪問。25億ポンド(4600億円)の軍事支援約束を含む二国家間協定に署名した。これはG7で初である。18日、欧州議会はウクライナ財政支援に強硬に反対するハンガリーに非難決議を採択。ハンガリーは昨年12月からの首脳会議でウクライナの関連法の成立にことごとく反対しているためだ。加盟交渉については成立したが財政支援はこれにより2月1日まで見送られることになっている。ポーランド、北欧、米国などを上川陽子外相が5日からの14日間歴訪し、ウクライナ支援を継続する方針を伝えた。対無人航空検知システムの供与のため53億円の拠出を発表。

ロシア側の動きは以下。
北朝鮮製ミサイルがロシアによるウクライナ攻撃に使われたと4日に発表されており、米欧からのウクライナ支援が弱まる一方、北朝鮮からの軍需補給をロシアは充実させる。
23日、ニューヨークでの国連安全保障理事会に出席したロシアのラブロフ外相は、ウクライナが提唱するロシア軍撤退の和平計画「平和フォーミュラ」を強い口調で否定した。3/15-17のロシア大統領選の前後にプーチン訪朝か。

米欧のウクライナ軍事支援が鈍化。ロシアが空からの攻勢を強める。
この侵攻、NATO拡大の圧力でプーチンが暴発したと見えるが、引くに引けなくなっている。国規模からみてさらなる長期化は必須か。

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