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クジラと幽霊

言葉の水平線を泳ぐ
クジラの垂直運動
うつつのなかに
世界という沈黙を飲み込む

潮と煙
吐き出しながら
背骨を立てる いきものの
音のない旋律

垂直の幽霊は
膠着した時間の隙間から
こちらを覗いている
声のない 足のない 背骨のない

雨の歌をうたえ
クジラの見る夢の底
幽霊をみちしるべにして
世界という旋律を言葉にする

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