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深夜の宇宙ステーション

居た堪れない感情を
どうすることもできず
街灯だけを頼りに
ぼくはただ歩くことしかできない

深い静寂 行くあてもなく
ぼくは船から放り出された
宇宙飛行士

気怠い重力に引っ張られながら
長い坂を下るサンダルの音

眠るバス通りのなかに
くっきり浮かぶコンビニは
そこだけ昼間みたいな顔をして

煙草の火 ペットボトルの冷たさ
時間はゆっくりと静止したまま
曇り夜空の隙間に星が見える
深夜の宇宙ステーション

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