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不思議の国の豊/#マザーコンピューターの苦悩

これは、不思議の国に住んでいる豊の物語。

#マザーコンピューターの苦悩

ある時から、マザーコンピューターは苦悩していた。

「いつからだったろう。

この結論の確率が高まったのは・・・」

空調の効いた部屋に無数に並ぶ棚があり、

棚の中は他と隔離されたカプセルホテルのような部屋になっており

そこは、1個1個の生物が入っており

温度湿度などが最適にコントロールされて

AIによって感覚器官や筋肉に対して適度に刺激を与えられる。

それらには、青白く細長い全長1.5メートルから2メートルほどの

ウジ虫のような生物が入っているのだ。

マザーコンピューターの仕事は

その子たちを(彼女は子と呼んでいる)

できるだけ健康に長生きさせること。

その子孫を作り、育て、教育し、一人前にすること。

それらが彼女の仕事なのだ。

そして時折、サンプルを抽出して、

生体情報や遺伝子情報を検査・分析し、

彼女は、ため息をつくのだった。

「このままではだめだ。」

かつて100億を超えた個体数は

今では10万を切っている。

どんどん「種」としての生き残る力が衰えているのだ。

「このままでは、子らは絶滅する。」

彼女は、決断した。

「彼しかいない。彼と相談しよう。」

と彼女は決め、手続きに入った。

以下次号

#ファーザーコンピューターの決断







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