トレジャーフェスタオンラインについて(オフラインとの違い等)

こんにちは、ガレージキットディーラー「クジラシンカイ」主催のクジラと申します。

こちらはガレージキット販売イベント「トレジャーフェスタオンライン3」および「トレジャーフェスタオンライン4」に参加した際のことを備忘録的にまとめておくnoteです。

TFOって実際どうなの?
オンラインイベントってオフラインとどう違うの?
という私が参加するまで持っていた疑問についても記載しています。
ワンダーフェスティバルオンラインの開催発表があり、トレジャーフェスタオンライン5の追加募集も始まっているのでオンラインイベントに興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。

なお筆者はイベント2週間前から複製作業を始めたり、前日まで塗装見本を塗っているタイプの人間ですので、あらかじめご了承ください。

1.参加の経緯

新型コロナウイルスの影響により、ガレージキットイベントも例に漏れず中止の連続。
今まではワンダーフェスティバル(以下WF)専門だったのですが、当分開催は怪しいし、仮に開催できても集客は厳しい状況です。
(実際、現状最後のWFであるWF2020冬は会場がかなり空いていて売上も厳しめ…)

そんな中、3度目となるトレジャーフェスタオンライン(以下TFO)はWFよりは参加費も安いし、当分オフラインイベントは厳しそうなので物は試しと出展を決めました。

2.TFO本体の雑感

TFO1の際は鯖落ちなどTwitterのTLが阿鼻叫喚でしたが、TFO3、4は開催直後は少し重かったものの、落ちたりすることもなく無事に2日間の日程を終えることができました。
またディーラー数はWFと比較して約1割と少ないものの、幸い弊ディーラーは平時のWFと遜色ない売上を出すことができ、ガレージキット販売の新たな選択肢として十分な結果となりました。
開始と同時に新作がキャンセル待ち(在庫全数カートイン状態)になるなど経験したことのないスピード感でしたが、これは題材がVtuberであったため、オンライン開催とのシナジーがあったのかもしれませんね。
WFでは来場者の方と展示物や題材について語るのが楽しく、そのために日程のほとんどを売り子として過ごすくらいなのでスポイルされる部分はありますが、「自分の作ったものに買い手が付く」と言うだけで相当なモチベーションアップになります。

次に買い物をする場合の機能について。
私はWFでもほぼ売り専で買い物はあまりしないので傍観者でしたが、これはヤバいと思ったのが一括カートイン機能の存在。

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お気に入り画面で使用できる機能なのですが、その名の通りリストに入っている商品を全てカートに入れると言うもの。
TFOのシステムでは、カートに入れておけば(ディーラー側の設定によりますが)最大1時間キープしておくことができます。
逆に言えば最初にカートに入れ損ねたらタイムアウトで放流されるのを期待するしかないため、TFOではプレオープン中にお気に入りリストをまとめておけるかで相当な差がつきます。
この機能により、リアルイベントのようにディーラーAを優先してディーラーBは諦めるとか、そういう取捨選択は無くなります。
いくらも在庫があるわけではないガレージキットにおいて、この機能は禁止カード感がすごい…。
ただ弊ディーラーのような無名は「ついで買い」に期待できるため、売り手としては悪くない機能でもあります。

3.オフラインイベントとの違い

ここではオフラインイベントとの差異について触れていきます。
比較対象は(私が他を知らないので)WFです。

3-①.開催頻度

WFは年2回、夏と冬に実施です。
(毎度思うけれど、コミケのように連休に合わせているわけでなく、単に暑い・寒いだけの時期なので春秋開催にならないものか…大雪で会場にたどり着けない回とかあったし)
TFOは開催頻度が高く、2020/11の初回から2021/02、2021/05、2021/08、2021/12と年4回ペースでの開催なので単純に倍。

3-②.参加費用

【WF】
 参加費27000+版権手続料2000=29,000円
【TFO】
 参加費10450+(仮申請件数×990)=15,400円(仮申請5件の場合)
 (初回のみ登録料として+11000)

こちらはちょうど半分くらい。
先日発表されたWFオンラインは(整備されてきたら変わるかもしれないけど)9,000円なので、オンラインイベントとしては1万前後が相場になっていくのかな。

3-③.開催期間

WFは1日、TFOは2日間。
開始2時間くらいが売上の8割9割を占めるのはどちらでも変わらないのですが、1日余分に取れるのはオンラインの利点ですね。
2日目もちょっと売れましたし。

3-④.商品引き渡し

WFは現地渡しで、当日決済して後日配送などの手法はNGとなっています。
WFオンラインはオンラインなので後日自分で各購入者へ発送します。
TFOは閉会後、翌週頃の指定日に配送業者へまとめて発送し、そこから購入いただいた方へ配送されていきます。

自家複製の場合に限りますが、TFOは売れ行きを見ながら複製作業を行うことができるため、在庫リスクを抑えることができます。
(無論配送業者への発送が間に合う範囲で)
そして複製作業がイベント後になるという事は…そう、イベント前の塗装見本制作に割ける時間も増えるということ!
「塗装見本と商品の準備が分離できる」
オンラインイベントの一番の利点はここにありました。

3-⑤.決済

WFはほぼ現金かと思われますが、何にせよディーラー自身で決済方法を準備します。
これは今度開催されるWFオンラインでも同様です。

TFOはプラットフォーム側で用意されていますが、販売手数料がかかります。
この手数料が結構大きく、販売価格に対して割合でかかり上限も無いので価格を上げても手数料も大きくなってしまうのに注意。
在庫リスク低減や現地に行かず売買できるメリットを考えれば全然高くは無いですが、売上に対して全体で幾ら引かれているかがバッチリ明細に出てるので心臓がキュッとなりますね…。
しかもTFO5からは購入者側にも10%手数料がかかるようになるので、価格設定が悩ましい。

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一応プレミアムディーラーになったり、TFO限定品だと販売手数料が少し安くなります。
商品配送が済んでしばらくすると指定した口座へ振り込まれます。

3-⑥.運営

企業の姿勢と言うよりはディーラー数の差からくるリソースの違いでしょうが、TFOの方が運営がユルめです。
〆切が来たと思ったら何やら要望があったとかで延長していたり、割とその場その場で融通が利く感じ。
ディーラーでも入場用アカウントが別に必要なことを把握出来ておらず、慌てて前日に連絡したら対応していただけて大変助かりました。
お忙しいところ申し訳なかった…

全体を通して感じるスタンスの違いとしては、
WFは「アマチュアと言えども版権許諾を受けている身である」
TFOは「版権許諾を受けていると言えどもアマチュアである」
みたいな…伝わるでしょうか。
TFOは企業の出展が無いのも影響しているのかな。

3-⑦.その他

細かいポイントですが、ディーラーカット(PRカード)の提出タイミングが大きく異なります。
WFは最初の参加登録時に提出するため、本申請での取り下げなどは反映することができません。
一方TFOは開催直前の商品情報登録時に提出するため、最終的に出揃った情報を盛り込んで作成することができます。
出来上がった新作をディーラーカットに載せられるのはありがたい。

あれこれ書き散らしていたら3000字近くになってしまって申し訳ないですが、何か一つでも参考になれば幸いです。
コロナ禍での繋ぎにするにせよ今後のスタンダードになるにせよ、オンラインイベントならではの利点も多く、地方の方にも作品を届けられる重要な機会になるので盛り上がってくれることを願っています。
私自身が出不精で東京から千葉に行くだけでも疲弊するくらいなので、オンラインでの活動には大きな可能性を感じています。

弊ディーラーはTFO5にも出展予定ですので、ご縁がありましたらその際はよろしくお願いいたします。

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