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#106 日帰り温泉デート【恋活日記】

2023年6月6日の日記

物流センターで働く通称「失恋おじさん」とのやりとりをやめたら、その日の夜は結構ぐっすり眠れて、昨日の朝の目覚めはスッキリしていた。かなり体に負担がかかっていたのかもしれない。
昨日は、家族の事や実家の用事をいろいろして少し疲れていたので、今日は誰とも約束せずゆっくりしようと思っていた矢先、突然朝LINEが来る。
相手は、酒好き図書館司書の通称「ヤリモクくん」。彼にも少し未練があったので私から再び連絡をしたわけだが、この先恋愛に発展しないと分かっていても、もう一度どんな人かちゃんと会って話してみたかった。
LINEの内容は「今日は休日なので、一緒に近所の日帰り温泉に行きませんか?」だった。前からその話題は出ていたので、温泉の誘いは驚きもしなかったのだが、いきなり今日の今日かい?!
突然だったのはびっくりはしたが、本音は彼からのLINEを待っていたので、素直に誘ってもらえて嬉しかった。
今日は銀行や買い物に行く予定はあったが、それは別の日にずらせるので、昼頃ならいけると返事をする。すると、突然LINE通話が!!おいおい、通話も突然かいっ!?私もある程度関係性ができていて近所に住んでいれば、突然お茶とかランチに誘うこともあると思うが、まだあなたとは1回しか会ったことないんですけど💦
もしかしたらこの人はいつも突然なのかも?

日帰り温泉は、私の家からも自転車の距離で行けるわりと近い場所。ここに越してきてから1人で何度か行ったことがある。今日は駅で待ち合わせをして2人で目的地までお話ししながら歩いて行った。
2回目に会った彼の印象。初対面の時は若く見えたが、改めて間近で見ると、年齢なりの顔だった(なんであの時は若く見えたのか今思うと謎)。そして行き先が風呂屋ということもあり、前回にも増してラフな格好。ランニングシャツの上に1枚羽織ものを着て、チノパンにサンダルにバック。ほっぺたからは、約1センチ位伸びた剃り残しの2本のヒゲが目に入り、ちょっと猫みたいで気になった。昨日は仕事から帰って、風呂も入らずに寝てしまったとのこと。
まぁこんな感じの人だから、私も特におしゃれに気を使わず、適当な格好で来たわけだが…。今思うとノーメイクでもよかったな。

誰かと一緒に日帰り温泉に行くのは、2年ぶり以上?
もちろん最後は元カレだったから、本当に久しぶり。以前住んでいた埼玉の時も徒歩圏内に日帰りスパがあったので、1人でちょくちょく行っていたが、2人で来るという感覚が新鮮だった。というか、横に並んで誰かと歩くこと自体忘れていたので、どうも距離感とか歩幅とか調子がよくわからない。
受付を済ませて「じゃぁ14時にここで待ち合わせね」と、時間と場所を決めてそれぞれ浴場に移動する。あ、このやりとりもなんか懐かしいなぁ〜。

お風呂から出て、併設のレストランで遅めのランチを共にする。
これが1番楽しみだった!何がって、いつも1人だったから注文するのも単品のみ。ラーメンとか…ラーメンとか…ざるそばとか…。
あれも食べたい、これも食べてみたいと欲求がたくさんあったのだが、ついにシェアできる時が来た!
元カレも呑平だったので、以前は酒のつまみみたいな単品をいろいろ頼んで2人で分けて食べていたが、今回2年ぶりにそれができたのが嬉しかった。うれしかったので、記念に写真も撮ってしまった😆

憧れの餃子と鶏の唐揚げ、1人だったら絶対両方食べられない

だが…その後にまた辛い時間がやってきた。心を引き裂かれるような、ズドーンと重くなるようなお話が彼の口から・・・。
ヤリモクくんは所詮ヤリモクくんなので、とにかく1年間誰ともエッチできずに体を持て余していることがつらいそうで、一日も早くそれから抜け出したいようだ。
お金があれば風俗に行っている、と言ってたから、結局はお金の問題のようだ。「お金を出して緊張してできなかったらもったいないから行かない」…だそうだ。まぁ〜この人らしくて、正直でいいわ。

「今日会ったら、ひなたぼっこさんにこのアプリを紹介しようと思ってたんだけど」と言って、とあるマッチングアプリを教えてくれた。
「今、僕がここで体験的にやってて、年齢も写真も載せるんだけど、5人ぐらいの女性とやりとりしてるんだよね🥰それで、僕はぽっちゃりとかコスプレとかする人が結構好きなんだけど、ぴったりの人がいてさー。明日の夜、その人とご飯食べに行くんだ〜。多分焼き肉屋で、僕がおごることになるだろうから、1万円ぐらいはかかるかも…」
ウキウキして話し出す。

おぉ〜いっ!!またかぁ〜!
初めて会った時は、私のことをきれいだなんだ、さんざん持ち上げてくれたのに、やれないとなるといきなりそれかよ!
しかもなんか悔しかったのが、焼肉屋さんは私が2回目のデートで行こうとしていたところじゃん。へぇ〜、その人には、安月給の中から1万円も出しておごるんだ〜。私と初めて会ったとき、500円の喫茶代金を払ってもらっただけで喜んでたのが、なんだか馬鹿みたい。
私はきっぱり「愛のないセックスはできません」とお断りして、彼の候補からは消えたこともあり、ヤリモクくん的にはぽっちゃりさんと久々のエッチがやれるかどうかの勝負デートなので、多少の出資は致し方ないのかもしれない。

いやそんなことはどうでもいいんだけど。
じゃぁ、ヤリモクくんにとっての私の今の立場って何なんだ?そう尋ねてみると、「話しやすいし、話を聞いてもらいたい」そうだ。彼なりに、私の利用価値はあるらしい。

話しやすい…なんとなく今ドラマでやってる「合理的にありえない」の天海祐希的なキャラなのかな?なんて考えたりもする。
それに、私のこれまでの職業は相談員だったので、いろんな人の話を散々聞かされたが、あくまでそれは職業だからできたことだ。

それなら、私の気持ちはどこで発散したらいいの?
一体いつになったらプランに描いているような恋ができるのか?
せっかく久しぶりのシェアランチの途中に、なんだかすごく切なくて、悲しくなって、心の中がモヤモヤしてどうしようもないんだけど…。お前にわかるか、この女心が?!多分、わかんないよね〜。この手のタイプは、人を愛するってことすらよくわかってないみたいだから。元カレも同類だったなぁ。「愛って何?」とよく言っていた。

私としては、失恋おじさんの時もそうだけど、人の失恋話や人の幸せな恋活話なんて聞かされてもちっとも楽しくないんだけど。
なぜ楽しくないかって?その人の目線の先に私がいないからだろう。
もちろん異性として全く好感を持ってない純然たる男友達だったら、応援するだろうし、慰めもするだろうけど。ほんのわずかでもその人に恋愛の期待があるならば、それは傷つくでしょ。

しかもさらにむかついたのは、精算の場面。
向こうから誘ってきたんだし、ランチぐらいおごってもらいたいなと思ったが、とりあえず千円出してみた。向こうはアルコール3杯飲んでいて、私は200円のカルピスを1杯だけ。もちろん食事はお互いに食べたけど。正確には1500円位出してあげてもよかったけど、あいにく500円玉がなかったし。

ヤリモクくんが「え?それだけ?もっと出してよ〜」的な反応だったが、4千円の合計金額に対してあれだけ飲んでたくせに折半はちょっと違うだろう?小銭が300円位あったので、「じゃぁ300円」と言うと、さすがにそれは断ってきた。結構しつこく文句を言っていた。
ちょっとせこい話になってしまったが、明日会うぽっちゃりさんとのデートでは1万円払うつもりでいるくせに…というのがなんとなく悔しかったのだ。せめてもの腹いせ笑?
もちろんその辺は、私も心の中で根にもつタイプではなく、本人に直接嫌味を言うので笑、その時その時で発散しているけど。
「今日の悔しいこの思いは、ブログで発散するしてやるからね〜!」
と捨て台詞を吐き、じゃれあいながら駅までの道のりを歩く。
(そうは言っても、心の中は何か虚しいんだけどね)

3年間の結婚生活で、何人かと浮気とか不倫をしていたらしいヤリモクくん。またその嫁も、隠れて浮気していたらしいが。
そんな話を聞くと、ますますこの人は女にだらしないというか、ちゃんと向き合えない人なのかなと思ったりもする。
「人のことを愛せない人は、人からも愛されないから」と言うと、「僕も、2週間位前からそんなこと考えるようになったんだよね。今までは愛を与えてもらうばっかりだったから」と言う。
おい!!それは私が電話で言ったからだよ!!
あなたはいつも自分が大事で、自分を愛している人だから、人と真剣に向き合えないって。確かに本人も、ナルシストを自覚しているらしい。

分析力とか洞察力とかちょっと鋭すぎちゃって、逆にそれが恋愛の邪魔になったりもするのだが、この人を好きになって溺れてしまったら、メンヘラになりそうな…。メンヘラ製造機かも。

そんなわけで、相手はアルコールが入っていることもあり、結構慣れ慣れしく距離を縮めて、気軽に肩を抱いてきたり、腰に手を回してきたり、エスカレーターで上る時も後ろからちょっとハグしてきたり…。酔っ払いのおじさんがよくするような甘えん坊行為もあったけど、そこに私への特別な感情が何もないのはわかっていたので、私もクールにされるがままに流した。

久しぶりに男性に触られてドキドキしたかっていうと…否定はできない。一応、女の端くれだし笑、それより風呂上がりのランニング姿に、不覚にもちょっとドキッとしちゃったけど。
逆に、触られて不快だったかというと、少しいいなという気持ちがある人だし、お触りありの友人関係は望んでいたことなので、別に不快ではない。だからといって心がときめくというわけでもなく…これから恋愛に発展するかもしれない好きな人だったら盛り上がったろうなぁ。
単なるいい年したおじさんとおばさんのただのじゃれあい。
あ、でも、私からは決してヤリモクくんの体には触らない。自分から触れたいと思う人は、好きになった人だけだから。さすがにそういう欲求はなかった。

そういえば、元彼が私とのエッチの時にこんなこと言ってたっけ。
「抱いてもらえるだけでもありがたいと思え」と。もちろん、彼独特のジョークでもあるが、ある意味当たってるのかもしれない。いい年したBBAなら、男に触ってもらえるだけでも感謝の気持ちをもたないとダメなのかな?知らんけど。

ヤリモクくんは、このあと私の部屋に行きたいと言ってきたが、もう夕方だったし雨も降り出してきたし、今日はそんなつもりはこちらはなかったのでお断りした。
駅のホームでそれぞれの電車を待つ。彼が乗る電車がホームに入ってきた時、手を差し伸べてきたので握手をしてお別れした。何の握手なんだか意味不明だったか。
この先がどうなるのか…全く予測はつかない。わかるのは、ヤリモクくんを好きになってはいけないということだけ。その先にあるのは、苦しみだけだから。

なんだか切ないデートで、そうなってくるとまたブロックした失恋おじさんがふわふわと頭の隅によみがえってくる。何やってんだ、私は。
こんなことでいちいちへこたれないで、前に進むぞー!




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