君とゆうDフェス/SHISHAMO

ゆうDフェスについて僕の視点から振り返ります。まあまあ長いです。

0.会場入り
ゆうDはいろんなものを当日に調達したため1時間遅刻してきました。こら。ゆうD-1を控えた演者たちよりも遅く、到着した頃には拍手で迎えられてました。懸念していた機材トラブルはちゃんと発生し、場当たりやリハが遅れてしまいました。ここが一番分からないんですよ。なにせお笑いライブ主催どころかライブハウス借りるのも初めてでなんにも分からないし。開き直ってどんどん人に頼りました。前日なんて「あ〜思いつかない事故を考えても仕方ない!」とポジティブになってました。未知が過ぎるとポジティブになることは山で遭難した時に経験済みです。

1.ゆうD-1グランプリ
出場組数が前説含め13組でるネタライブで、前説と結果発表を除けばほぼグレイモヤのようにノンストップでネタが続きました。組数多すぎて不安でしたが、お祭りなのでたくさん呼びました。その不安はちゃんと現実となり18分押しに。ただ内容はとても良くて、確実な演者が確実にウケながらゆうDTシャツを着てくれたり、ネタでいじってくれたりとお祭り感がたっぷり出てました。ネタライブはそれぞれの点の集合体ですが、こうしてゆうDフェスという線で繋がるとより盛り上がる感じがします。ゆうDはほぼ即興ネタで『フェスの力』だけでウケてました。フェスでなければスベってました。それくらい盛り上げてくれた演者の皆さんには頭が上がりません。
個人的にはせっかく寝てたのに、馬場は研究会員、警察、フリックフラックが初見でした。演者はほぼゆうDの希望通りです。ビデボーイズだけ僕が観たくてオファーしました。ありがたいね。
あまりにも押しすぎて演者全員集合EDができず終演したので楽屋で「えっ!???」と軽いブーイングな空気が流れました。アメリカだったらボコボコにされてます。
これに関してはめちゃくちゃ申し訳ないです。
それとカンパ忘れて一番客入りが良かったのに大損害でした。

2.ゆうDvideos
18分押しに加え、小屋入りの段階からの機材トラブルで開演時間に入場していただく(しかも動画の用意がまだ)最大のピンチがきました。
とりあえずトークで繋ぐことに。この回だけは演者を落研で統一しましたが、話題は日高屋の麦飯になってしまいました。
この公演だけは予約の売れ行きがあまり芳しくなく「通しで買ったから見るか」もしくは「時間が空いてるから見るか」的な期待されてない空気、よく言えばフラットな感じでした。15分押して麦飯の話をしても緩やかな雰囲気で笑ってくれました。めちゃくちゃ期待してたらイライラしますよね。

・演者が少ない(演者目的で見るライブではない)
・映像ライブというアンチシナジーの塊
・学生のライブではギャンブルすぎる企画
・企画は普通のロケ

これで期待する方が難しいです。ただ勝算はある程度あり、一つは相席食堂があれだけ面白いのだからライブでやっても面白いはず…という希望。もう一つは友人の芸人のライブに行った時の荒すぎる映像に突っ込む企画がめちゃくちゃ面白かったことです。
とはいえ、生活保護編は僕の計算をはるかに上回る奇跡の産物でしかありません。時間や編集の都合でおじいちゃんの顔が見れなかったことも変に悲壮感が出なく笑いやすかったかもしれません。
正直、生活保護編が始まって1分も経たずに会場が映像とは思えないほどうねったので(ブリーカー史上最もウケた…!)と確信しました。
乱痴気と写楽斎はツッコミが早くて的確で短くて強い。映像は待ってくれないので脊髄反射でツッコまないと次に進んでしまいます。やっぱ2人がいてゆうDロケは成立したと思います。噛み砕いてくれる可々四と、また南京虫を見たいと言った打ん突もいてくれて頼もしかったです。
大学生というそれなりの身分がどんだけ面白いことを考えたところで83歳の前科者に勝てるわけがありません。
そんなライブでした。

3.絶対にエッチなこと言ってはいけない大喜利60分
ガキ使のパロディAVのパロディをすな、と言われそうなタイトル。
オーソドックスな60分の大喜利ライブだと僕自身が逆だった場合「わざわざ新宿まで足を運ぶフック」にしては弱いと思い考えた縛りあり大喜利です。
ただゆるい縛りなあまり、司会の乱痴気含め演者に趣旨がやんわりとしたまま本番直前まで迎えさせてしまいました。
「最初にエッチを切り出すのが難しい」「エッチなこと言ったらペナルティはあるのか?」「ないならなんで禁止するんだ!」と意見はありました。ただ蓋を開けてみると、各々が好きな回答してそれを乱痴気が審査する流れにもなりいい感じで見れました。
ただこれだけでは終われないので終盤に「エッチ回答解禁」を設けました。ゆうDはエッチ回答禁止継続のまま、周りはエッチなこと言いまくる図式です。
普通お題なのかエッチお題なのかは司会に任せたのですが「朝ドラ『おさせさん』の名シーン」になりこれがハマりました。それまでのお題が「最低」と「キモキモ」と、陰寄りのお題だったこともあり、明るくてエロいお題で良かったです。
ゆうDはずっとBLEACHネタばっかやってました。「オカマと温泉旅館」で『おちょこをカチーンと合わせて「卍解〜!」』と答えて、オカマお題でオカマ要素抜く人を初めて見ました。
エンディングでバキDことぐんぴぃさんが一答だけしてスベったにも関わらずMVDになりました。大喜利ライブでも『存在』だけで役割を果たした人、珍しすぎませんか。

4.ゆうDがお世話になった人に好きなことやってもらうライブ
一番メインの時間帯にも関わらず、自分を出さない(目立とうとしない)ところがゆうDの良さであり怠惰でもあります。
無味無臭のイロモネア以外は全員の希望をほぼ叶えました。無味無臭にイロモネアをしてほしいと言ったのはゆうDですが本人は覚えてないらしく、どっちが言い出したか打ち上げで水掛け論をしました。
ただ「無味無臭5番勝負」か「学生芸人無味無臭vsアマチュア芸人無味無臭」の無味無臭主催ライブになりそうな企画を止めたのは本当です。
イロモネアは審査をどうするかがライブでの難しいところだったのでギリギリまで決められませんでしたが、100万円出せない以上競技化は無理なのでゆうDの独断にしてもらいました。まさかのリズムネタがハネました。もっと見たい。新ジャンル『シャウト』(静かになったらアウト)を作ったのですがこれも良かったです。
開場中は謹製ゆうDスーパードンキーコング実況でしたが、お客さんがちゃんとゲーム映像を見てて面白かったです。この流れで謹製さんにこの回の司会をしてもらいました。僕では手の届かない部分を任せられる安心感たらないです。ゆうDの扱いも上手で謹製さん隙がないなぁ。
桃部屋というえちえちガールがいるのですが、ゆうDの希望とはいえ運用には悩みました。なにせしっかりとしたえちえちなので。一か八かで高座設営中にエロい自撮りしてもらったのですが、作業とエロの不釣り合いさがウケて良かったです。
ちゃんとえちえちな人は喋らせない方が夢を与えられます。
特別映像としてまんじゅう大帝国竹内さんが出演してくれました。落研時代、『ゆうDに「雑草むしゃむしゃ」と名付けた張本人だから出演してほしい。』の一点突破で承諾してくれました。諸事情で画質がとても粗くなったのですが、それでも分かる竹内さんの華ですよ。これだけでもフェスのプレミア感が出ます。
落語の部では大喜利の知り合いが見に来てくれるから絶対にスベれないワールドスリーさんの迫真の落語から始まりました。
初代ごおるどさんはゆうDの代表ネタ『吉鬼』をやっていました。初代は古典がちゃんと上手い方なのでちゃんとやればやるほどゆうDの狂気が見えてきて良かったです。コラボ大成功の例ですね。ゆうDは稽古しないので。
僕もやりました。奇しくもゆうD主催の時にやったネタを再演しました。前2人がしっかりウケてたので僕はウケが足りないと錯覚してしまいました。
トリは乱痴気です。この回は乱痴気が学生最後の落語が裏コンセプトにあります。彼はいつもこう言う「俺の適正タイムは6分だ」ってね。落語で6分はまずあり得ません。陸上で言えば50m走です。小学生のお試し落語ぐらいです。その中で15分、それ以上のウケで圧倒するのが彼のスタイルで、逆を言えば15分やると必ず訪れる笑いのない時間の怖さの克服が課題でした。
今回はトリだけあって持ち時間は20分、彼からしたらマラソンです。
たぶんいつもなら20分もやらないでしょう。まくらで繋いでサッと落語やっても4分余らせます。しかし今回は20分やりきりました。さらに驚いたのは終盤も終盤に後を引くような深い笑いが起こったことです。爆発的な笑いよりは、永遠に客が笑うんじゃないかと錯覚するような拍手混じりの笑い。落研の大体は他の寄席に取られ、完全にホームではない環境なのに、いやだからこそ実力が発揮されたのか、ラスト1kmでまた全力疾走したのです。フォームが美しいから速いのではなく、速いからフォームが美しい。そんな最後でした。
ひとまずおつかれさまでした。さよな乱痴気。

5.ゆうDとダジャレが言いたい仲間たち
フェスの最後に実験回かよと思われる方もいると思いますが、これは僕の中では深夜枠です。
21時から始まるライブはテレビの中で23時くらいのイメージがあります。だったら狭いコンセプトやっても平気だろうと。そんな時に俺スナさんがダジャレのライブをやりたいと言ってたことを思い出し「やってみるか〜〜〜。」と腰を上げることにしました。
とにかく出演者が楽しみにしてることが楽屋で分かりました。ずっとダジャレ言ってる。いや、普段楽屋でやってることをライブにしたので逆です。ギャック・ハンマー。
企画はシンプルに「トーク」「ジェスチャー」「クイズ」だったのですがダジャレが絡むだけでこんなに別物に。レズ物に。
ダジャレを言いたいのか、思ったことを言いたいのか分からない感じでMCの乱痴気はやりづらそうでした。この回を見返すと川田vs乱痴気のプロレスがずっと続いてることが分かりました。入場時から川田さんは乱痴気の膝をピコピコハンマーで叩いてます。そっから川田さんはダジャレを言いつつ、それと同じだけダジャレと関係ないことも言ってます。乱痴気は立場上、ずっと受け身なので仕掛けられません。とにかく川田さんの攻撃をしっかり浴びながら返してます。見てて気持ちいいですね。そうせき。が「川田と乱痴気は別世界の別物すぎて交わることがないと思ってた」と言ってました。
MCに近いほど発言しやすいようで、遠い人はやりづらそうでした。立ち位置を変えるなど全員にスポットを当てるようにするとやりやすそうです。これもまた発見です。
ダジャレライブ、まつおさんが主催でやりたいとの旨のとても丁寧なLINEが深夜2:00に来ました。「夜分遅くにすみません」があるとはいえ一番暗い時間に送ってくる隠しきれないワイルドさがまつおさんらしい。
そんな訳で僕がいなくてもダジャレライブは生き続けます。0から1を作る実験は成功でした。

6.後夜祭
これを決めたのはフェスの数日前で、乱痴気が「ゆうDの進路を本気で考える時間を作ろう。」と言ってきたのが始まりです。ゆうDに伝えると「そんな時間、いらないんだよ。」とつぶやいてました。
その時ゆうDと新宿を歩きながら俺が『つまらないビートたけし、Dトたけし』をやってました。そこで生まれた『仲見世キッド』を最後歌って締めることになりました。前々から決まっていたのに伴奏のヨシダin the sunさんには当日お願いしました。「コードさえ分かれば弾けます。」と快諾してくれ実現しました。
22時まで残ってくれた人たちは基本優しくて面白い人たちだったので、ちゃんと聞いてくれてすごくウケました。「どこからか「ピンネタじゃん…」と声がしました。最後に自分の手でゆうDフェスを爆笑で締めることができて良かったです。
面白い人が笑い転げてくれるご褒美最高かよ。
危うくしゃしゃった主催になるとこでした。

7.後日
そんなわけで今日こうして文字にまとめています。フェス後には熱量のこもったツイートや送られてきたラインがありちょくちょく読み耽ってます。良かったものはYouTubeに流しますのでたくさんの人たちに見てほしいです。
フェス開催決定した時におしるこカーニバル徳田くんから「『吉田則男オールナイトライブ』を越えよう。」と提案された時は、えらい期待をさせちまったとなりましたが、なんとか成功したと思います。Tシャツも作ったし。収益はまあまあマイナスだけど。でもみんな面白いからいいやさ。

こうして成功したのはスタッフさんのおかげです。当日手伝ってくれた方々には本当に感謝です。知らない人から指示されるストレスったらないですね。特に前半は少しピリついてました。申し訳ないです。お礼に食事でも…とか言うと最悪主催なのでラインでスタバ券とか送ります。
出演者の皆さん、出演していただき本当にありがとうございます。当日挨拶やお礼もしっかりできなくて申し訳ありません。よく分からないフェスに付き合っていただきありがとうございます。
このフェスのチーフスタッフ及び映像制作他たくさん仕事をしてもらったPちゃんありがとう。ゆうDフェスへの熱意がすごくてグチ一つ言うことなく仕事してくれました。ほんと助かりました。
OPを作ってくれたそうせき。フェス中に家族との海外旅行が被ってしまったからこそ事前準備に尽力してくれました。OP5本よ。しかもゆうDだけの。すご。おつかれさまでした。

ゆうD、フェス開催にあたってお笑い落語大喜利で全部結果は出してないことを気にしていました。でもそれなりに活躍してて界隈には名前が知れてる。どれかで結果出したらこのフェスはなかったかもしれません。なぜならゆうDがその世界の人間になってしまうから。ゆうDはどこにでも属していて属していない。いつもそばにいるような男ではなく、いつかどこかへ行っちゃうようなそんな男です。花です。お笑い落語大喜利全てが身内。それはゆうDしかいません。浅く広く活動しているようで、その誰かには狭く深く刺さっている。相反してることが両立している。

半分丸くて半分尖っているから『D』なんだ。

はい上手いこと言えた!終わり!

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