シンプルくんとテンプルちゃん

つい先日桜と同じ頃に解散したコンビ、シンプルテンプル。
立命館の落研で策伝大賞の立命亭写楽斎(三角定規に似てる方)、てんしき杯4位の立の家志っぱい(地元のヤカラみたいな方)からくる元コンビ。
平成30年度の大会でそれぞれ決勝に上がった2人。
この両者の落語についてのお話。

結論から言うと、落研賞レースのイメージを塗り替えたのでは??実はすごいことなのでは??
ということ。
関西の落研は出身によって江戸落語と上方落語に分かれる(分けられる)のが主流らしい。
賞レースで上方落語はとても強い。
理由として、江戸落語より骨格がしっかりしてるので学生でもしっかりやればちゃんと面白い、落語の空気感が出る、などなどある。
要は学生が本寸法にやって面白いのは型にはめやすい上方落語に軍配が上がる。
それを証明するように、賞レースの決勝では、関西からゴリゴリの古典毎回上がっている。もしくは完全な新作。少なくとも僕の印象はそうだった。
それに対抗するように関東は、『型』が弱い、柔らかいことを利用し自由な発想で笑いを取るスタイルになる。
いつしか関西と関東との間には
本格派な上方落語vs自由な江戸落語
という分かりやすい図式、対立が現れた。数年前まで。

それを踏まえてシンプルテンプルの落語を見ると、かなり自由なのだ。
自分の言葉で、自分の考えたくすぐりで展開で笑いを取っていく。音源かどうか分からない細かなくすぐり、言い回しではなく、ガツンと入れ事をする。
古典の空気感を壊すリスク、それを上回る強度のくすぐりで笑いを取る。
『型』が強い分自由度の狭いと言われてた上方落語をバンバンに崩していく。
これってすごいことなのでは??(2回目)
空道さんや一拝さんなどがやってきて関東の主流になっている「お笑いの技術を落語に落とし込む」を上方落語で成功したわけだ。
漫才の間でスパッと笑わせながも、古典落語をしっかりとやってきた地肩があるため世界観は崩さない。
写楽斎は古典の中で新鮮な笑いを生み出し、志っぱいは新作の中に古典の安心感を出している。
どちらも高いレベルで実現できるからなせる技で、良い意味で学生落語だ。古典と思わせて裏切ってくる裏切ってくる。
『学生がやる落語』から『学生落語』へシフトチェンジさせている。
もう関東と関西の学生落語に差はなくなったのかもしれない。
関東が漬け込む隙を潰された。フィジカルだけでねじ伏せてくるパワー系落語から、関西は頭もキレてパワーもあるつよつよ系に進化した。
つよつよ系ってなにー!?(自信がないのか早めに回収する盛山)
なにはともあれ2人の落語ラスト1年ほんとに楽しみにしてる。
時代をまだ変えるかもしれないから。

また遊びに来て欲しいな。写楽斎はエッチだけど面白いツッコミたくさんしてくれるし、志っぱいは麻雀ムカつく強さだけど飄々と淡々と面白いこと言ってるし。

は〜関東にも歴史を変える天才現れてくれ〜。

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