柴田さん1

はじまり商店街 代表取締役兼コミュニティビルダー 柴田大輔さん

秋田県出身コミュニティビルダーとして、時代の課題解決を生業とする柴田大輔さんにお話を伺いました。

■プロフィール
・出身地:秋田県
・経歴:
 幼少の頃から、家族・学校・社会のコミュニティに疑問を抱く。
 鎌倉を拠点にシェアハウスやゲストハウスの運営。
 他にもカフェ・バル・家具屋に関わりながら、街のコミュニティづくりに
 携わる。
 2017年4月よりBETTARA STAND日本橋のコミュニティビルダーになり
 映画上映・まちづくり・地域と連携した飲食のイベントなどを多数企画。
 2018年5月よりTinys Yokohama Hinodecho のコミュニティビルダー。
 2018年8月よりはじまり商店街 代表取締役社長兼コミュニティビルダー。
 (コミュニティビルダーは「ヒト・モノ・コトを編集する」存在のこと)
・職業:はじまり商店街 代表取締役社長兼コミュニティビルダー
・座右の銘:ジブンごと化されたこと日常を送る。隣人を幸せにする。
     「選択」と「集中」。「調整」と「余白」。

記者:柴田さん、今日はよろしくお願いいたします。
柴田大輔さん(以下、柴田):よろしくお願いします。

目指すのは、はじまりをはじめられる場

記者:コミュニティビルダーとは、どんなお仕事なんでしょうか?

柴田:一言でいえば、宿借りです。宿を借りてにぎわいをつくっています。
ぼくたちは建物をつくることはできないけれど、イベントのノウハウやメンターとの人脈は持っているから、そこをマッチングさせて、活用されていない建物のスペースを運用して、どうしたら活性化するか、どうしたら継続的に人が根付いていくか、クライアントとともにアイディアを出し合って作っていくんです。

会社名を「はじまり商店街」っていうんですけど、ぼくらがつくりたいのは商店街みたいにいろんな人が力を発揮できるにぎわいの場。
踏み出した先、はじまりをはじめられる場を目指しています。

記者:すごく楽しそう!どんなジャンルのイベントをやられているんですか?

柴田:クライアントによって要望が違うからどんどんジャンルも関係なくなっていますね。
ただ釜の飯を集まって食べる会もあれば、企業研修もやりましたよ。
ゆるやかに人が集える場をみんな求めているんです。

ぼくたちがやることは即時解決

記者:どんな思いから、コミュニティビルダーとしての活動が始まったんでしょうか?

柴田:今社会にある会社と個人の課題解決をしていかなきゃ!って思いですね。

今やっていることでいうと空き屋問題の解決策ですけど、20代の頃、いろんな人に会って、ああした方がいい、こうした方がいいという人はたくさんいました。

でもみんな現実ではやらない。
いいよねとは思っているけど、お金にならないからって。

でも、個人のやってみたい小さな課題ってやらないとずっと課題のままなんですよ。
妄想や空想じゃだめなんです。
実体をつくりあげるにはパワーがいるし大変さもあるけど、やってみるとめっちゃいい。

だったら誰かの決済なんか待たずにぼくがやる。
ぼくらがやることは即時解決、それに尽きます。

記者:すごい主体性!

柴田:主体性がないと死にます(笑)

やるかやらないか ジブンゴトにする豊かさこそ幸せの証

記者:柴田さんはジブンごとの範囲がとても広いですよね。
多くの人がジブンごとにならない理由はなんだと思いますか?

柴田:シンプルにやらないからですよ。やらない問題です。
やりたいっていっているのにやらないのは、やりたいんじゃくていいたいだけ。

そりゃすぐにはお金にならないけれど、儲からないからできないといわれるとどれだけお金に縛られているの?と思います。
ぼくは2年しかサラリーマンをやっていないけれど、先輩たちを見て、長時間働いているわりに給料は上がってないし、今度はもっと給料は上がらない。
ナンセンスですよ。全然豊かじゃない。
だったら給料は低くても好きなことで夜中まで働いた方が絶対いい。
覚悟を持って働き方を変えるべきです。
情熱を持って継続すれば、お金になりますしね。
目減りするのが嫌なんでしょうけれど、使うことを知らないから貯めることばかり考えるんです。

記者:柴田さんにとって豊かさとはなんですか?エピソードはありますか?

柴田:幸せかどうかです。
元々うちの家族はお金はあるけど喧嘩が多くて全然仲良くなかったんです。
ぼくは子どもの頃から自分の発信したことが好転的にとらえられたことが少なくて。
それが悔しくて承認欲求がどんどん上がっていきました。
何に幸せを感じているか言語化したかったんです。
でもちゃんと伝えるには、承認欲求が強いだけではだめで、自分のことを分析して実践することが必要だった。

結果、今すごく豊かです。

記者:豊かさが幸せに繋がっているんですね

柴田:寝ている時間以外はすべて豊かにしたいです。

だから時間を決めないことは悪だと思っています(笑)
打ち合わせをしているのに次を決めないのは意味がないです。
時間は有限だし、やることはいっぱいありますからね。

考えたくないことを考えなきゃいけない時代が来た

記者:問題意識の高さは社会に出る前からですか?

柴田:大学生の頃からまわりから浮いていましたよ。友達は少なかったですね。
みんな就職するのがゴールだと思っていて、就職後のことを全然考えていないから。
それって自分の人生に責任をとっていないってことだと思うんですよね。
この国では責任とらなくても生きていけるような環境なんですけど、かっこよくはないなと。

あと、大学の専攻は福祉だったんですけど、実習に行くじゃないですか。
そのとき学んだのが、施設の考え方があって、法律があって、さらに制度があること。
でもそれはぼくからすると邪魔なものとしか思えなくて、この制度がはたして人を幸せにしているのかといったらしてないことばかりだった。
ちがうなと思ってやめました。

記者:柴田さんは秋田県出身ですよね。
秋田の魅力と課題はどんなところでしょうか?

柴田:優しい人が多いですよ。
それは逆説的に決めない人が多いということです。
みんなで仲良く暮らす分にはとってもいいところですが、一人決める人が必要です。

秋田ってSNSの普及率が全国最下位なんです。情報格差が著しい。
スマートフォンはみんな持っているのに、どうしてそうなるかというと知るのが恐いから。
できないとか理由にならないのにね。
情報格差を埋める施策を考えています。

記者:AIも到来し職の危機も叫ばれますが、
今の時代の課題と理想を教えてください。

柴田:今の時代の課題は教育の失敗ですね。
今までやらされる教育だから、ジブンゴトにならないし主体性がない人が多い。
今会社にある仕事なんてほとんどが作業ですよ。クリエイティブじゃない。

作業はロボットがやってくれることを早めにいっているのに、未だにみんな作業にしがみついているのは教育の影響だと思いますね。
この先どうなるかわからないから考えたくもないかもしれないけれど、考えたくないことを考えなきゃいけない時代が来ているのに、考えない大人が多いからみんな幸せじゃないんでしょうね。
課題を解決してほしいとぼくに仕事は増え続けます。

だから、理想はコミュニティビルダーが増えること。
一緒にやろうぜっていえる同志が増えることですね。
どんどん課題を解決していって、クライアントだけでなくみんなのやりたいことが叶ったらいい。
やりたいことはそれぞれ違うから、その土壌が整っていたらいいですね。

記者:最後に、読者に向けてコメントをお願いします。

柴田:ぼくは会う人みんなにきくんですけど、これがいえたら人生は豊かになります。
あなたにとって好きなことと、嫌いなことと、得意なことと、苦手なことはなんですか?

好きでもないことはやれないし、得意なことを把握しないと給料は上がらないし、苦手なことがわからなければ効率化できません。

内省が大事なんです。

ぼくは他人から評価されることはすばらしいと思っていて、人から嫌われたり否定されることが多かったから豊かになったなって思います。
否定されることは嫌だけど、否定されることから逃げないほうがいい。
逃げたら自分という本質に近づけなくなります。
ちゃんと形にして世に出して評価を受けた方がいい。
情熱をもって継続したらいずれそれが報酬になるから、人に感謝できるようになる。

継続的にやりましょう。
ぼくは消費されるつもりはありません。
ともに生産しましょう。それが未来です。

好きなことと、嫌いなことと、得意なことと、苦手なこと、これに答えられる人と仕事がしたいですね。

記者:
柴田大輔さん、本当にありがとうございました!
柴田大輔さんについての詳細情報についてはこちら
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FB:https://m.facebook.com/daisuke.shibata.0121?tsid=0.4135933252936278&source=result



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【編集後記】
今回インタビューの記者を担当した口野、山本です。AI時代の大きな課題に対して、シャープに解析し、自ら主体性を持って行動し続け、解決策を発信する若者の覚悟に痺れたインタビューでした。柴田さん、素敵なお話ありがとうございました。

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