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8門Key考察-2023後期版-

割引あり

はじめましての方ははじめまして!

HN.シャルンと申します。

今回は、ネオスタンダードで使用した8門Keyについて解説記事を書きましたので、紹介していきたいと思います。

8門Keyの参考書を目指して書いた側面もありますが、今期のデッキ選択の過程や考え方をまとめた読み物としても扱えるように書いたつもりなので、「ふーんこんな奴がいたんだ」くらいに読んで頂けるとと嬉しいです。

今期の環境考察


地区が始まる前に、まずはどのデッキを持ち込むのが最も勝率が良くなるかを考察をするべきだと思ったので環境考察を行いました。
このとき考えた仮想敵は以下の通りです。
・オーバーロード
・パズドラ
・転スラ
・チェンソーマン

ちゃんと強かった

環境考察の話をすると長くなるので、個人的な結論から話すと、

1 .詰めが一番強いタイトルはパズドラ(ネイ)である→詰めを目的としたデッキ選択としてはネイ以外の選択肢は個人的に無し。

最強


2.ネイはラストターンにキャンセルされると弱い→8バックの山に4点を3本ないし4本通さないといけないゲーム(例:相手のクロックが2-5や2-1の状況)で相手に止められたら負けなのにも関わらず、そこそこの確率で止められそうなゲームが一定数存在する。

3.CXを8バックの山で返す&2-1までヒールし切ることができる束で、道中戦も強い束があればそれが最強の可能性がある

地区が始まる前はネイが最強であり、それ以外のデッキ選択はありえないくらいの覚悟を持ち、地区当日に持ちこむつもりで調整を進めていました。

しかしながら項目2、3のケースが実戦で多々発生し、後期ネオスタンダードにネイを持ち込むことに不安を抱き始めました。それと同時に、実は上記の条件を満たすデッキがあれば、ネイに対しても十分勝率を稼ぐことができるのではないかという仮説を立てました。

そもそも、ネイというデッキは山札の圧縮が強くなりにくいデッキなので、相手に詰めを走られたら普通に負ける展開が一定数あるという認識です。そのため、どのゲームでも相手よりも先に詰めを走るように努力するのですが、相手の状況を見極めて走るという器用さは無いので「詰めを耐えられたので負け!」という状況が多々発生し、個人的にはその負け方を許容できませんでした。

これを踏まえ、逆に「詰めを受ける側のデッキを考察する価値があるのではないか?」と考えたわけです。仮に「今期は詰めを受ける側に回ることができるデッキは該当無し」ということが検証できれば、前述した「詰めを耐えられたので負け!」という負け方を許容することができると思ったので、この作業は地区でネイと向きあっていくか否かという決断をするための材料集めとしても、自分の中で地区前に取り組むべきテーマとなりました。

ただ、道中では現環境のTier1以上の出力でゲームができて、なおかつ焼きのあるオーバーロードに不利をとらないデッキって普通に探すのが大変です。カードパワーという面でも上記に該当するデッキが最終的に存在するとは思っていませんでしたし、最終的には上記の4タイトルどれかを握ってネイやミラーの対策をしていくのが最終的な結論になりそうだなくらいに考えていました。

【参考資料1】たなとすchでのWSランク表作成配信…1地区目の東京地区終了後に行った環境考察の配信アーカイブです。環境考察の項目が気になった人はぜひ視聴していただけると嬉しいです。

たなとすch

リンク:https://youtube.com/live/BSW-x10f7N8?feature=share

デッキ選択


環境考察パートでは、ネイに勝てる条件を模索しながら他のタイトルにも不利がつかない(特に個人的にはオバロにイージーゲームをされたくなかったので、オバロには有利を取れるようにしたい)強いデッキを探すことに決めました。この段階で候補に挙げたのが以下の2タイトルです。

・チェンソーマン
・Key

まずチェンソーマンは、
対オバロ:ストック圧縮で逃げ切れる展開がある
対ネイ:立集中で山管理をしながら8バックができる、椎名拳の存在も大きい

この2点を主張点にすれば、相手の詰めを受けるプランでも強く立ち回れると考えています。実際チェンソーマンがそこそこ強いことは事前にある程度わかっていましたし、チェンソーマンはかなり有力候補だと思ってました。(地区が始まってから札幌ネオス2位のいばらさ選手とフリーしたら"そこそこ"どころか"めちゃくちゃ"強かったのはまた別のお話ですが)。

ただしチェンソーマンは地区直前のCSのシェア率が高いこともあり、全勝前提のタイトルになるだろうと想定していました。理由はどんな形であっても、ミラーに自信がなければ全勝前提のタイトルは持ち込みたくないと思っているので、練度も自信も無いチェンソーマンはこの時点で選択しないことを決めました。逃げの選択肢ですね、、、。

実際のところこの2タイトルはどうやったらミラーで勝率を稼げるんですんかね。チェンソーマンの練度無いプレイヤー代表の俺が回すより、有識者や実力のあるWSプレイヤーが回したほうが勝率を稼げるという話を一旦置いておくとしても、ざっと見た感じだと、
・先功を取ったプレイヤーが順当に回せていけば、ダメージレースやリソース面で有利が拡大していくので自然と勝ちになる展開が多い
・後攻はどこかでゲームをちゃぶ台返ししないといけない(例)アキで強引に詰めに行く

ドリーム


嫌な言い方にはなりますが、じゃんけんの覇者以外は歪なゲーム構成になることが予想できたので、全勝(9-0)しないといけない舞台ではあんまやりたくないなというのが正直なところでした。以上浅すぎる感想でした。

そんなこんなで悩んでいた時にふと押し入れ(物理)から見つけたのがKeyでした。

発掘



・8バックで返しやすい
共鳴3ルック人形劇による山削り能力と疑似リフの存在により、CXを山札に8枚戻す行為を行うことが他タイトルよりも実現しやすい点が強みです。山札を削る行動をノーコストどころかワンチャンアドバンテージを得ることがある(=人形劇のおまけブースト)強い動きとして実行できます。



・早出し多面でヒールができる
疑似リフから早出しヒール多面をすると相手の詰めの射程圏内から逃げることができる可能性があります(特に2-1までヒールし切るとネイの射程圏内からかなり遠ざかるので有効です)。普通のデッキは、早出しヒール多面プランに寄せすぎると息切れしてしまうことも多いのですが、美凪は長期戦にもつれ込んだ状況でもイベント使用時の①回収能力によって、次のターンに必要なカードを持ってこれる継戦能力の高さも魅力です。



・オバロに有利
1連動にこ拳の組み合わせがアインズに対してフロントアタックを牽制しつつ、その隙に人形劇1連動を連打することで本体打点を通しにくいほどのストック圧縮を形成できるので負けにくくなるのがアインズ対面で非常に強い動きです。

イージーWin



・道中は依然強い
→規制がかかったのが詰めの部分(光景逆圧縮観鈴)なので、道中は前期のアリス環境で渡り合ってきた足腰で勝負をすることができます。

Keyはこの強みを内蔵しているのにも関わらず使用者も少なかったので、足回りのカードパワーや立ち位置を生かしながら全勝を狙いつつも、予選4-1の抽選狙いがワンチャンできる(予選でネイアキに負けることを1回までは許容できるかもしれない)点も少なからず魅力です。

Keyをリペアできれば今期持ち込むことができるかもしれないということで、リストとプレイを煮詰め始めました。

最終盤での勝ち方と向かいあう

ここまで、Keyというデッキが環境適性という面でかなり高いポテンシャルを有していることを語ってきました。

しかしリペアKeyの最大の課題は、前期の制限が光景逆圧縮観鈴が選抜入りした事による詰め能力の大幅な出力ダウンです。特に観鈴選抜で組んだ場合、実質光景逆圧縮の使用禁止になるため、相手の強い山に対して無力にな上に、デッキに内蔵されている観鈴の1〜7点バーンも当然受けきられてしまうという致命的な弱点があります(そりゃそうだ)。

勝てない


そして、この弱点を補うことができないと、いくら序盤戦で有利に戦えたとしても、最終的に相手を3−7にできずに負けてしまいます。リペアKeyがシェア率を伸ばすことができなかった理由はここにあります(当たり前だ)。

ここで、考えられるリペア方法は(少なくとも今期の雑多なワンショット環境では)ぶっちゃけ1つしかなく、新しい詰めを搭載するしかありません。ですが、個人的にcxコンボを搭載して詰めに行くリペアはあまり考える気になりませんでした。その理由は下記のとおりです、

①シンプルにカードが弱い
序盤の強さとレベル2での早出しによる継戦能力が高めなので、ロングシュート能力を求めているわけではありません。しかしながら、追加打点を産み出さない扉連動しろはは本体を止められるとそもそも弱いです。前期だと、モカ不使用の際に光景逆圧縮などを拾いつつ次の山崩しorCX回収の動きに繋げられたので強かったんですけどね。相手のレベル3連動を運よく受けた後は悠長に戦わずに1ターンで勝ち急ぎに行けることが安全な選択だと思っているので、しろははこの条件を満たしていません。

出力不足



枝連動は追加打点を生み出せるを作れるのでいい線を行っているようで、本体を3キャンされると3面しても相手が3−0の状態でも勝てないことに気づき評価を下げました。そもそもコストが重いので3面はできないと思っていたので、デッキを歪めて採用するほどでもないなというのが率直な感想です。山崩しが存在する前期のKeyなら光景or逆圧縮のサブテキストで枝を拾いながらワンショットよりの動きができただろうな、、、と思います。

コストが重いわりに詰められないから
他のタイトルでいいやとなったのが第一印象


②CXを抱えて詰めにいく行為が弱い
今期の雑多なワンショット環境で詰めを受ける側に立つデッキが、構築段階でCXを抱えて詰めの準備をすることを想定することは矛盾していますし、相手の詰めを舐めすぎていると思っています。プールにCX回収がもう1種類あるのでこの部分のリスクは軽減すること自体は可能です思いますが、3コストが重い上に、そもそもそこまでして打ちたい連動がありません(①に戻る)。

彗星ではお世話になりました

③CX構成が歪になる
同じトリガーアイコンのCXを8枚採用する方がプレイの一貫性が上がり、回しやすくなるのは言うまでもありませんが、このデッキだと特に

1連動連打によるリソース爆増のイージーwinがある→8門にしたい

・手札アンコールの条件が「青いカード」である→素引きやトリガーで過剰に手札に集まった際にもコストとして切れる青いcxを8枚採用したい

・相手の山が弱くなったタイミングで(CX交換などを絡めずに)いつでも観鈴発砲ができる選択肢を残したい。特に極端に下振れた負けゲーではゲーム開始4ターンとかでさっさと観鈴を(記念に)打つことがあるが、その時に他の3連動のCXを抱えてる場合ではない。

以上のわがままを叶えたいので、できれば8門のままリペアをしたいと考えていました。

④レベル2でのヒール面取りでの逃げ切りから綺麗に繋がる詰めがいい
レベル2では早出しヒールが強いことは述べた通りですが、道中でレベル3連動を集める労力を割いてしまうとレベル2がその分手薄になります
早出しヒールで面を制圧し切ったゲームだと①回収だけで詰め札を集められるのでその限りではないんですけどね、そんなにうまくいかない試合も多いです)。中盤戦以降に向けて集めておくレベル3は早出しヒール、それ以外は集める必要がないデッキを組めたらプレイの一貫性が高く、本番でミスをしにくい=地区向きのデッキが組めそうでいいなと考えていました。ところで前期Keyとオバロ、チェンソーマンってこれを満たしているからすごい。

ここまで話すと察しがついた方も多いとおもいますが、リペア構築では「夜空に舞う食券」を採用しました。

だいたいこれでしか勝ってない

このカードの強みは以下の通りです。
・1点×5という打点を刻む詰めカード
 →相手の圧縮率が高くてもレベル3からなら強引に詰めに行ける可能性が比較的高く、詰みにくい。

・条件を満たせば集めるカードの質:イベント1枚でいい
→8コスト、手札2枚カット、盤面5枚条件とコストはありえないくらいに重いです。しかし、ここで求められているのはコストの量であり、質の面では手札にイベントを1枚抱えるだけでいいので、他のゲームプランを大きく阻害することなくプレイすることができます。

・早出し面取りと相性がいい詰め 
 →盤面5枚条件があるので、早出しで面制圧ができた試合は実質イベントのコスト踏み倒しになるのが強いです。人形劇を打ちまくる上に早出し方式が1コストヒールのこのデッキだと、このイベントを打つにあたって1番のハードルになるのは実はストックではなく、盤面条件になりがちなのです。
ヴァイスシュヴァルツで強い動きの1つ=面取りを繰り返していれば自然と勝ち筋になっていくのも良い点です。

人形劇観鈴の発砲をケアするために、相手目線だとラストターン手前でサイドアタックが最善のプレイとして選択されることもあるデッキなので、イベントはカードの見た目よりもかなり打ちやすくなってます。

・CX不要の詰め
相手の詰めを受けるために8バックしたところまでは良いものの、その後CXコンボが決められずに負けた経験がある人は多いのではないでしょうか?
Keyは1度詰めを受ける側に回ることが多いデッキなので、詰めを受けたのプランが大事になってきます。8バックした後に詰めに行く手段は、CX回収手段(CX回収、CX交換、Xルックなど)を投入して詰め手段を確保するのが基本パターンですが、食券はイベントのためCX不要で詰めに行ける→8バックしたとしても余計なコストをかけずに綺麗に詰めに行けるのがデッキ選択のコンセプトと合致しているため、綺麗な動きとなり強力です。

余談ですが、今期のKeyは耐久するデッキと言われがちですが、個人的には「耐久」という言葉は近いようでなんかちょっと違う印象を受けます。実際自分から詰めのアプローチを仕掛けに行くデッキと比べると後ろ向きなデッキなので間違っているわけではないんですけどね。耐えることは耐えるんですが、「久」が意味するように永遠に長くヒールするゲームをすることを目指しているわけではありません。

どちらかといえば、相手の詰めを最善の状態で受けに行くことができるデッキという認識です。言い換えると「綺麗に受け身を取れる」デッキっていう表現ができると思います。受け身を取った後はきちんと勝ちに行くアプローチを取った方が勝率を稼げると思いますし、耐えた後の攻め方を常に頭に入れながらデッキを回してます。


ここまでをまとめると
・道中の基盤は依然として強い
・山削り手段が豊富かつ強い
・堅いWSをして勝ちに行く
・厄介なTier1タイトルの1つに有利がつく
・詰めはさすがに弱体化したが、環境にマッチした詰め手段で最低限のリペアができた
・最善の状況で詰めを受けに行く

雑多なワンショット環境な今期で、ここまで基本に忠実かつ強いWSができる事前評価Tier外デッキはなかなか有力なのでは?と思い、地区に持ち込むことを決めました。

今期のKeyは強いのか?

これはよく聞かれますが、「デッキとしては弱い」って答えることが多いです。特に前期からKeyを使ってた人にとっては、発狂するくらい弱く感じると思います。理由は、

・前期よりも勝ち筋が減っている
アグロだけで押し込んだり、1連動共鳴だけでリソースを拡大させて観鈴+αを発砲する試合がかなり減りました。面を放棄したプランを取った時に光景で捲るor牽制する勝ち筋が無くなったので、今のKeyは基本のヴァイスシュヴァルツで勝たなければいけません。

・基本のWSで勝つ難易度の上昇
しかし、前期よりも普通のWSで勝ち切ること自体も難しくなってます。その理由として、相手目線のプラン取りが単純になったことが挙げられます。

前期からのKey使いならイメージしやすいと思いますが、「相手が観鈴をケアするためにあえて盤面をサイドアタックで返しながら2レベルで留めてきたからヒール多面して耐えに行った」勝ち方をしたことが多かったのではないでしょうか。相手の戦略として、このプレイ自体は詰められるリスクを最小限にするので間違ったプランでは無いことも多いのですが、この戦略を逆手に取ることでKey側が基本のWSで勝つ試合をよく見かけました。返しに詰めが飛んできたら、リソースを吐いた相手に対して逆圧縮+観鈴で倒し切れることも多いですしね。デッキのゴールが強かった副産物として、こういう勝ち方が結構な頻度で生じていて、そのビッグウェーブに乗るだけでイージーゲームが発生していました。

しかし、今のKeyに対してアタックを止めることがメリットになる状況はほとんど無いので、どの相手も真っ向に打点を放り込んできますし、ヴァイスシュヴァルツで真っ向から応戦してきます。前述したイージーゲームはほぼ無いと考えてもらってよいと思います。よって、デッキの総合力としての強さはかなり落ちてしまったと思ってます。

・がっかりさせたくなかった
これ強いよ!って言ってデッキを渡して弱かったらがっかりされるので、強いって言うことはやめておきました()。

しかしながら、環境適正を有している点と根本的な基本の面取りヴァイスシュヴァルツプランの強さでは、他のTier1デッキと同格以上に戦えると思っています。デッキの形に仕上がってしまえば、あとはKeyの強みを真っ向から押し付けているだけでデッキの評価以上に今期は勝ち切れると確信していました。

・ヴァイスシュヴァルツの基盤
・立ち位置

以上の2点では今期最強だったと思いますし、個人的には選択肢になるデッキの1つだったと思います。ちなみに、このあと紹介する後半の地区で使ってた8門Keyは、デッキの総合力としても十分評価できるレベルで綺麗に組めたと思います。

私が前期にKeyを使用する側のプレイヤーではなかったことから、カードリストをフラットな目線で見ることができたのが、「立ち位置」と「基礎WS」の強さに気づけた理由の1つだったのかもしれませんね。

デッキレシピ

前半の東京地区~広島地区で使用した旧構築

今までのテンプレの面影が残る構築

後半の名古屋地区~京都地区で使用した新構築

環境適性とデッキコンセプトを見直し、さらに今期のKeyの強みに寄せた構築

全国権利を勝ち取ることはできませんでしたが、
・東京地区 ネオス2位
・熊本地区 ネオス3位
後期ネオスタンダードで2回入賞することができたので、一定の成果を上げることができたのではないかと思います。

まあ死ぬほど悔しいですけどね!!!!!!

以下有料部分となります。
ここまでの内容で本質はほとんど語ってきたと思うので、Keyへの理解はここまでの内容で十分ともいえます。それでも続きが気になった人は、お布施感覚で読んでいただけるとめちゃくちゃ嬉しいです。

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