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@ドローン×地方 ミートアップ @大阪に行ってきました!

12月8日に関西大学梅田キャンパスで行われた『ドローン×地方 ミートアップ @大阪』に行ってきました。

主催者は、DRONE MEDIA(ドローンメディア)さんで、ドローン事業者やドローンに興味を持っている人が集まって、関西のドローン業界を盛り上げるイベント(セミナー&飲み会)です。

今回のテーマは「ドローン×地方」という切り口で、「ドローンを使って地方で仕事をするには」というテーマで情報共有することが目的でした。まずは乾杯で始まり(笑)、イベントの前半では、ドローンを使って地方で活躍されている方が登場して、事例紹介とパネルディスカッションを行い、後半は、ゆるい感じの懇親会でドローン仲間と交流しました。

ドローン初心者でもウェルカムというイベントなので、ラジコン時代から空を飛んでいるベテランさんやドローンビジネスを検討している人、学生さんやら女性の方も入り混じって、カオスな雰囲気を醸し出すイベントになりました。黎明期の産業というものは、いろんな人が集まって面白いなぁと感じました。

@パネルディスカッション ドローンを使って地方で仕事をするには

パネルディスカッションの登壇者は、一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会 会長 の坂口博紀さん、2012年から現在までドローンによるPV撮影に関わり、フライト時間はなんと約1700時間以上。でも、ドローンレースをしたら、ゲーム好きの若者にボロ負けしたらしいです(笑)MODE『3』で飛ぶ若者がいるだよ!と、ほぼ酔っぱらい状態w ダイジョーブか、このイベントw

もう一人の登壇者も『さかぐちさん』で、(株)TADACO JAPAN 操縦士 の阪口公恵(キミー) さん。英語が得意らしくて、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(通称:JUIDA)で唯一英語でのドローンの講習ができる講師らしい。

司会者は、丸川英也さんで、DJI JAPAN初期メンバーとして立ち上げから参画し、イベントマネージャーやプロダクトマーケティングなどに従事したらしく、現在は、ダイキン工業テクノロジーイノベーションセンターにて新規事業創出を担当する傍ら、個人としてドローン普及活動を行っているそうです。

乾杯ではじまったのですが、よくわからない人達が集まったイベントなので、空気を読むのが難しく、真剣に話を聞く人もいれば、酔っぱらいもいて(司会も酔っぱらいw)、仲間とのおしゃべりに夢中になる人もいて、本当にカオスな雰囲気だなと感じました(笑)

キミーさんは、ドローンのインストラクター以外にも、京都府の森林調査に協力しているそうで、足場の悪い『横断排水溝』なるものの点検をドローンで行ったそうです。林業関係者と人達と一緒に現地に入り、小回りの利く『Mavic Pro』を使って上空から点検作業を実施したそうです。

いざという有事に備えて、日頃から点検することが法律で決まっているそうですが、足場の悪い山間部での作業でドローンが使えるとのことでした。

会場から「どうやって、その仕事にありついたのですか?」と質問が上がりましたところ、日頃からインストラクターとしてドローンを飛ばしていたところ、たまたま林業関係者がその話を聞いて、仕事の話が舞い込んだということでした。予期せぬ成功事例ですね。

@空撮は、写真家の人と分業せよ

ドローンと言えば空撮ですが、パネルディスカッションの中で面白かったのは、坂口さんの「写真家は、ドローンを使わない」というお話です。

坂口さん自身、元々はファッション関係のカメラマンをしていたそうですが、2012年のロンドンオリンピックで『リモート接続』で撮られた映像が世界に配信されたことに衝撃を受け、「これからは、新しいカメラの時代が来る」と、カメラとの関係を考え直したそうです。

写真家にとって写真を撮るとは、ファインダーを覗いて撮る行為である、という美学があるらしく、ドローンで撮るなんて邪道であるとのことです。僕も、似たような話を聞いたことがありまして、友人のお爺ちゃんがパラグライダーで写真を撮るカメラマンをしていたそうなのですが、ドローンが出てからも「そんなものは、写真にあらず」と受け付けなかったそうです。

素人には同じに見えるのですが、プロフェッショナルには何か譲れないものがあるのでしょうね。ちなみに、そのお爺ちゃんは柔軟性のある人らしく、何かの機会にドローンを触って、「ん?これは、意外とイケるな。」と悟って方向転換したらしく、いまはドローンで空撮しているそうです(笑)

坂口さんが提案するには、写真を取る写真家とドローンを操縦するオペレータを分業して、二人一組で空撮をするのが良いとのことでした。確かに、本当に美しい写真というのは写真家でなければ撮れないと思います。

まず、第一段階として、ドローン技術者が操縦して目標地点の『近く』まで行く。第二段階で、写真家の人が遠隔操作でカメラを操作して本物を写真を取るわけです。本格的な『一眼レフカメラ』を搭載できるように、例えば、DJI社のMatrice200 or 600 を利用すると良いかもしれません。

@プロフェッショナルは、仕事を断る勇気を持て

最後に、坂口さんのお話で印象に残ったのは、「プロフェッショナルは、仕事を断る勇気を持て」ということです。

例えば、どこかの自治体から街のプロモーションビデオをドローンで制作してほしいという要望があったとします。ドローン技術者が見積もりを出すと、ほとんどの場合、「○○さんのところは、もっと安くしてくれると言っている」と価格交渉をされるそうです。

そのときに、交渉相手に押されて値下げをしてはいけないということです。もし、そこで値下げをしてしまうと、空撮産業そのものが値崩れを起こして、産業そのものが安かろう悪かろうの世界に陥ってしまいます。

では、どうすれば良いか言えば、勇気を出して仕事を断ってくださいとのことでした。そうすると、数日後に交渉相手からお詫びの電話がかかってきて、「この前は申し訳ない。いろいろ検討したけど、やはり、御社にお願いしたい。」と相談されるそうです。

ここでのポイントは、相手の立場になって考えることです。交渉相手は、もしかしたら『ボッタくられるのではないか』と心配しており、他に依頼する宛がなくてもカマをかけてくるということです。なぜなら、ドローンで空撮するのに、どれくらいの『コスト』がかかるかイメージできないからです。

さらに、キミーさんから「空撮の定価をホームページに掲載してください。透明性の高い取引なら交渉相手も安心しますし、具体的で正当性のある価格なら納得するはずです。」というアドバイスがありました。現在社会は、『定価』があるのが当たり前の時代です。

利用者が望んでいるのは、ホームページでメニューを選んで、その適正な価格が表示され、『購入する』ボタンをクリックしたら、ドローン技術者が飛んできてくれる『楽々サービス』です。もし、ドローンの撮影の経験が豊富なら、『プロフェッショナル』オプションを付けて、料金を3割~5割増しにすれば良いだけです。INSPIREのような良い機体を持っているなら、『高性能ドローン』オプションを付けて、料金を3割~5割増しにすれば良いわけです。

それでは、P.F.ドラッガーの言葉で締めましょう。

「プロフェッショナルにとっての最大の責任は、2500年前のギリシャの名医ヒポクラテスの誓いの中にはっきり明示されている。「知りながら害をなすな」である。(中略)プロたる者は、自立した存在として政治やイデオロギーの支配に従わないという意味において、私的である。しかしその言動が、依頼人の利害によって制限されているという意味において、公的である。したがって、「知りながら害をなすな」こそ、プロとしての倫理の基本であり、社会的責任の基本である。」
(『マネジメント–-課題、責任、実践』、1973年)

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