ブタオ先生との思いで④

 第4回目は、今回の演奏会の実現にあたり、岡山シンフォニーホールとの調整をしてくれて頑張ってくれている、紀伊 良彦さんからいただいたブタオ先生との思い出です。
 彼の仕事ぶりに応えるために、7月25日の深夜は、ブタオ先生に代わって誰が奥さんに謝りに行くか、事前に担当を決めておいてもいいかなと思っています。

「ブタオさんと楽器と私」
 ブタオさんは、時に偉大な音楽家、時に人生の教えを乞う師匠、時に行きつけオカマバーのママ、のような様々な顔をお持ちで、お会いするたびにいつも新しい気づきをもらいます。

 さて、そんなブタオさんとのいろいろな思い出がある中で、まず外せないのは楽器のお話になりましょうか。

 私が大学2年生にあがったころ、それまで学校楽器を使わせてもらっていたのですが、物足りなさを感じていました。想いが募る中、私はどうしてもMy楽器が欲しくなり、レッスンに来られたブタオさんに相談したところ、快く楽器探しのお手伝いをしていただけるとのこと!

 あれよあれよという間に話は出来上がり、夏休みにブタオさんがチョイスしてくれた楽器を試奏しに、東京の楽器店まで行くということになりました。
 楽器ケースを担ぎ東京まで来た私は完全にお上りさん状態で、都会の人は歩くスピードが早いなぁ、と街行く人を眺めていたところ、

「どうも~ブタオです~♪」

 とブタオさんが颯爽とあらわれ一安心。

 練馬にあるオシャンティなその楽器店は、薄暗くシックな雰囲気でビビり上がってしまいましたが、事前にブタオさんが選定してくれた2台の楽器、3本の弓を試奏し直感で選んだのは、現在も良い相棒となってくれているクレモナ新作のアレッシオ・フェラーリ(もう1台はドイツのオールドでこちらも渋い重厚な響き・・・!)、そして程なくフェラーリは海岸寺の潮風に包まれた過酷な夏合宿でデビューすることとなるのでした・・・。

 随分と長い時間が経ちましたが、ありがたいことに、ブタオさんにはお会いする度に「フェラーリは元気~?」と声をかけてもらいます。
 ご縁をいただいた素晴らしい伴侶にはますます愛情が深まるばかりで、その点においてもブタオさんは神通力を持っているな~と感じさせられるのです。
 
 私も歳をとりましたが、岡山にレッスンで来られたときには声をかけていただき、また、明日も仕事がありまして・・・と言っても何故か最終的にはお付き合いさせていただくことになったり、夜が遅くなってブチギレている奥さんに、私の代わりに謝罪してくれたりと、学生時代と変わらずブタオさんにはお世話になりっぱなしです。

 そんなこんなで大変お世話になっているブタオさんの大切な節目のイベント、どんなことになるのだろうと今から楽しみでしょうがありません。

 是非是非、多くの仲間と盛り上げていければと思います!

 紀伊 良彦(第45回卒)