振り返れば幸せ**#幸せをテーマに書いてみよう**

夢を諦めた事がある。そして、夢を諦めていない友人がふたり居る。その夢とは漫画家である。

同じ目標がある仲間が居ると強い。なぜなら、仲間が背中を押してくれるからだ。頑張っている姿を見れば、自ずとやる気が出てくる。

ただ、逆に自堕落の世界にも陥りやすい。夢という逃げ道があるからだ。周りの人は無責任に夢を追いかけている人を応援する。初めはそれが心地良い。夢に向かって1歩1歩進んでいっているように思える。その進んでいっている様に思えている時は良いけれど、月日が経つにつれて不安になってくる。果たして自分は前進しているのだろうか。

それと、同時進行で生活する為の賃金を得なければならない。漫画家を目指すなら夢への前進とも思える漫画家のアシスタントという仕事もある。自分の漫画を描くという夢は実現していないが、漫画に携わる仕事が出来、画力も向上する。知識も得られる。友人の1人はそのアシスタントをしている。画力は凡人の比にならない実力である。ただ、漫画家のアシスタントをしていても、全く違う職業に就いていてもやはり、夢に追い詰められていく。

もういい歳なのにまだ夢とかなんとか言って・・・、漫画は?漫画はどうなったの?遊んでて良いの?

そして、僕はドロップアウトした。夢への階段を登らない決断をしたのだ。圧倒的敗北感。人生の挫折感。それと同時に呪縛からの解放感。あの何かしら充実した感じのある二重生活。東京の出版社へ持ち込みに行く高揚感と帰りの絶望感。もうそれは味わえない。

もうひとりの友人はネット配信の漫画を描いたり、雑誌に掲載されたりと夢を叶えている。これから先が多分重要なんだろう。その漫画の仕事だけで生活出来るようになるには・・・

一緒に漫画家の道を目指したのはもう20年も前の話。早々にドロップアウトして看護師として生活し、結婚し子どもも居る。たまに漫画を描いてみたいなと思う事はあるものの、落書き程度に絵を書いて、思い立って子どもに絵本を作る程度。友人ふたりに幸せか聞いた事はないが、それぞれが充実した生活を送っていると思う。突っ走ったって良いし、歩いたって良い。立ち止まっても、戻ってもダメな事なんてない。後悔なんかするに決まってる。でも、やっぱり自分の人生を振り返った時、色々あったけど幸せな人生やなって思える。

なぜなら、あの時夢を叶えるために本気だったから。そして、それが楽しかったから。幸せの形なんて人それぞれで、人と比べるものじゃないから。

億万長者でもない、波瀾万丈でもない。平々凡々な幸せを満喫しております。



サポート頂けるとモチベーションになります。どんどんサポートしたくなるように精進します