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“奇をてらう”空間デザインの手法

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「奇をてらわない」というデザイナーはたくさんいるが、「奇をてらう」というデザイナーはなぜかいない。 「奇をてらう」意味: わざと普通と違っていることをして人の注意を引こうとする。…
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2022年1月の記事一覧

20年の仕事をふりかえる7(16年前)

【2006年/キルビルを再現したパチンコ店】 パチンコ店ランドマークEXのリノベーション。パチンコ店はやはり入店時にテンションが上がる方が良い。 映画が好きで、いつもを色んな映画を見ながら空間のコンセプトを練るが、(そう言えば昔、空間作りは映画制作に似ていると、うちの親父も言っていた。)この頃はタランティーノにハマっていてキルビルの影響がモロに出た案件。キルビルの誇張した和の世界観に惹かれた。 エントランスの土間を掘り下げ、強化合わせガラスの床下に石庭を作った。頭上を鏡

20年の仕事をふりかえる6

【2005年/ 滝壺のあるお好み焼き屋さん】 ホームページでこのお店を見たオーストラリアの飲食店オーナーから、ゴールドコーストにオープンする100坪のファインダイニングの設計をご依頼を頂くという、転機となったプロジェクト。 設計を始めて間もない頃に設計させて頂いたお好み焼き店「ちゃんどら」さんの2号店。建設会社の事務所が撤退した後の建物を改装した。 2階の床板に穴を開け、2階の水盤から1階へと落ちる滝壺を作り、そこからエントランスへと水が流れる。 壺に入れたソースをこ

20年の仕事をふりかえる 5

【2004年/ 初の設計監理案件】 三木市、鉄骨造の中華料理屋さん。これまで設計施工一括で引き受ける案件ばかりやってきが、このプロジェクトでは初めて設計と監理のみを引き受けた。チーム皆が最初から同じ場所を目指している自社設計施工の場合に比べて、思い通りにいかないことも多い。最近は設計監理や意匠監修という立場で仕事をする機会も多くなった。 ちなみにこの中華料理屋さんは十数年経った今でも、ランチタイムには行列ができる息の長い繁盛店。設計させて頂いたお店がずっと繁盛してくれること

20年の仕事をふりかえる 4

【2003年】一級建築士を取得し、初めて設計した鉄骨2階建の小さな店舗。ファサードの柱をV型に、外壁面をVの両辺に沿ってランダムに出入りさせた。1つの枠組みを決めて、その中でランダムに動きをつけるのは今でも好きな手法。これは大学時代の恩師、末松利紀先生の影響かもしれない。末松先生は私と同じくギタリスト。デザインには「リズムとノイズ」が必要だと仰っていた。 KTXアーキラボ 建築設計事務所 KTXアーキラボ オフィシャルサイト