見出し画像

ChatGPTのProject機能、GPTsとの使い分けは?(12月16日追記)

昨日、ChatGPTがProject機能について追加しました。
XやRedditでは散々とフォルダ機能を追加して欲しいとの声があったが、いよいよ来たって感じです(笑)。

ChatGPT Project

まず、最も驚きなのは、コンセプトから名前まで、ClaudeのProjectの機能を「真似している」ところです。
OpenAIはChatGPTをリリースして以来、ずっとリーダーポジションのイメージでしたが、今回のように競争相手を追従している動きが初めてではないでしょうか。(Canvasとアーティファクトはややコンセプト違うので除外)
正直なところ、OpenAIが「Project」という名前をそのまま採用したのは意外でした。これまでのOpenAIなら、独自の名前をつけてきたはずです。「GPT Workspaces」とか、「Conversation Spaces」とか。でも、競合他社の良いアイデアを素直に取り入れる柔軟さは、むしろ成長企業の証かもしれませんね。
さて、肝心な中身ですが、「さほどClaudeと大きく違わない」という印象です。

真横で並んだら、UIがほとんど一緒に見えますね(笑)

ClaudeのProjectとの比較

半年間ClaudeのProjectを使ってみましたので、両者の違いを中心に考察していきたいです。

Claudeしかできないこと

  • アーティファクトをProjectのコンテキストに追加

  • Projectにスキマークをつける

  • 明示的なアップロードファイルサイズの上限の提示

最大ファイルサイズが分かる

ChatGPTしかできないこと

  • アイコンの色を変える(これは地味に便利)

  • 他のチャットをドラッグアンドドロップで既存のProjectに追加(これはClaudeにも実装してほしいな)

アイコン色変更

また、誰も言及していないかもしれませんが、Claudeのアップロードファイルの扱いは「LongContext」で、ChatGPTは「RAG」という違いもあるではないでしょうか。だからこそClaudeは明示的にコンテキストの上限を提示しています。これについては要検証です。

ChatGPT Project現時点見えている課題

Project機能を少し使ってみた感想をお伝えすると、「もう少し様子見かな」というのが正直なところです。
というのも、現時点では明らかにBeta版です。例えば、WEB検索機能が使えないことや、モデルがGPT-4に固定されていて、o1が選択できないといった致命的な機能不足があります。
12月に発表された12個の新機能を揃うための、数合わせ感があります(笑)。
とはいえ、これらはいずれも一時的な課題だと思います。OpenAIの直近の開発スピードを考えると、近いうちにアップデートされて、より使いやすい機能になることを期待しています。年末年始ガッツリ使いたいので、12月中に直してくれたら嬉しいです。

GPTsとの使い分け

さて、ここからが本題。
ふっと疑問に思いませんか?どうしてGPTsがあるのにProject機能を作ったと?
機能の重複でユーザーが混乱しませんか?
そもそも当初ClaudeのProjectがリリースされた時は、「簡易版のGPTs」という風にSNSで紹介されていましたよね?
ここから掘り下げて行きますが、実はこれは結構高度なUI/UXデザイン、そして将来のエージェント時代への伏線かと個人的に推測しています。

GPTsは水平型機能

GPTsとProjectの最大の違いは、「チャットで呼び出せるか」「外部ツールの使用ができるか」と思います。
GPTsはみんなさんご存知の通り、@をすることで、チャットで呼び出すことが可能です。必要なGPTをその都度呼び出す形で利用されるため、同じ会話内で複数のGPTを組み合わせて使用可能。それぞれのGPTが独立しているため、目的に応じて最適なツールを即座に選べ、短期間で多様な課題を解決
例えば、私が良くこれらのGPTsを使います:

  • 抽象的な思考に特化した「哲人」GPTs

  • ワールドビルディング(世界観構築)に特化したGPTs

  • 自作のキャラクターシートを基にキャラクターをデザインするGPTs

複数の観点を必要な時に呼び出せて、結構時短です。
これぞ「水平型」、複数のチャットを横断する機能です。

Projectは垂直型機能

一方、Projectは1つのプロジェクトやタスクを深掘りする「縦の流れ」を重視する仕組みと整理できます。 明示的な期限とゴールがあるのプロジェクトだと定義されています。Project機能はプロジェクト全体の文脈を保持しながら、長期的に作業を進められます。 例えば、小説のプロット構築→執筆→編集→フィードバックという一連の流れを一つの「Project」として管理。
普通にフォルダとして使うだけで、便利ですよね。
Projectには明確な終了時点があります。完了したら、そのProjectも自然と終わりを迎えます。例えば、特定のプロジェクトでは、小説のプロットを構築し終えた後、執筆を進め、最終的に出版準備を終えるまでの流れが一つの完結点となります。一方、GPTsは常駐型のアシスタントとして、期限という概念がありません。これが私が思う使い分けの重要なヒントです。

終わりに

OpenAIが急遽Project機能をリリースしたが、現時点では使わないというのが率直な感想です。
検索機能・モデル切り替え機能の追加が来たら、また本格的に今までのチャットを整理しようと思います。
一方、GPTsと異なるProjectをリリースしたことはもう一つの隠されているメッセージがあります:GPTs機能はアップデートされ、よりProjectと差別化になるかもしれません。
これからのエージェント時代、GPTsがそのエージェンの入り口になるではないかと思っています。
OpenAIの発表が後五日分が残っているので、これからどのような追加情報や機能が明らかになるのか楽しみです。ワインを飲みながら待ちましょう。

12月16日追記

OpenAIが早速Project機能をアップデートしてくれました!!
さすがに色んな人に機能不足だと突っ込まれているようで急いで対応したようですね(笑)

モデル選択ができるようになりo1が使用可能に
Project内のgpt4oが検索に対応

要注意なのは現在の検索アイコンが表示されていないことです。検索したい場合は明示的に検索と聞いてください。また、o1を使う場合のファイルアップロードが画像のみに対応している模様です。

#OpenAI #ChatGPT #Project #GPTs


いいなと思ったら応援しよう!