金沢市長選挙を終えて、その1

令和4年3月13日、石川県知事選挙と同時に実施された、金沢市長選挙の投開票が終わりました。

 私は富山県民ですので、石川県知事選挙と金沢市長選挙には投票できません。ですが、自民党員ですので、党員の立場から見て、今回の金沢市長選挙に立候補された、小間井大祐氏に関して、言及してみます。

 金沢市長選挙の開票結果です。引用元は、NHKです。

▼村山卓、無所属・新。当選。7万9496票。
▼小間井大祐、無所属・新。4万8029票。
▼永井三岐子、無所属・新。3万5562票。
▼森一敏、無所属・新。2万6285票。
▼中内晃子、無所属・新。1万953票。

期日前投票を含めた投票率は55・95%で確定し、過去最低だった2018年の前回選(24・92%)を31・03ポイント上回った。引用元は北國新聞です。

 ここから、各候補者の立候補前に実施された、公開討論会での発言内容に関して言及してみます。
日時は、令和4年3月3日、場所は、金沢歌劇座において、
金沢青年会議所の主催により、開催されました。

Youtube上でも見られたので、2時間、じっくり見てみました。
落選された4人の候補者に関して私見を述べてみます。

 まずは、落選された4人の内、得票数が4位と5位の、森一敏氏と中内晃子氏ですが、昭和時代から続く、古き良き左派と感じます。このお二人に関しては、ブログ読者の方々も、よくご存じかとおもいますので、言及は割愛します。

 また、得票数3位となった、永井三岐子氏ですが、永井氏は、選挙が初めてらしいです。
永井氏とは、一度話したことがありますが、今回の公開討論会での発言内容に関しては、私は勉強不足です。
言及にかんしては、次回のブログにて投稿してみます。

 そして、得票数2位となった、小間井大祐氏ですが、小間井氏は自民党を離党されて金沢市長選挙に立候補されました。
私も自民党員ですので、小間井氏の発言に関して言及してみます。

 前述の公開討論会において、1時間3分後、小間井氏は、
〇『自身が上げられた課題を解決するために何を取り組むか』
について、以下のように発言されていました。

①「私は、子育て、教育予算を、10年間で、市税200億円分の経済成長で、捻出してゆきたい」、
②「財源を確保するためには、主に文化産業や観光産業、そして地元企業の成長を軸に、外から、お金をしっかり稼ぎ、金沢市民の負担とならないような、税収の仕組みを作る必要があります」、
③「たとえば、自身が市議会議員だった当時に、力をいれた、宿泊税ですが、大体、年間10数億円、外から、観光客から税収を頂く仕組みができました」、
④「文化施設の料金の見直し」、
⑤「行政のDX化でコスト削減」、

以上のように発言されていました。

 なんでも、今後10年間で、子育て、教育に必要な予算は、200億円らしいです。200億円を10年間で割ると、年間20億円の「子育て、教育予算」が必要となるようです。
小間井氏は、その年間20億円を、金沢市民の負担を増やさずに、捻出したいと、述べていました。

年間20億円の出所ですが、小間井氏が自民党所属の市議だった当時から関わっておられて成立した「宿泊税」で、年間10数億円「観光客、出張客」の税収を確保する仕組みが成立したようです。

 私は、さすが、金沢市は国内外から観光客が来訪するので、税収は確保できそうなのですね。と、浅はかに納得しました。

ですが、宿泊税が実施され始めた、

①令和元年度(2019年)の決算書、
②令和2年度(2020年)の決算書、
③令和3年度(2021年)の市税のあらまし、
を確認したところ、おかしな数字を発見しました。

①令和元年度(2019年)決算書にて、宿泊税の収入済額を見たら、
「768,916,900」と記載してあります。つまり、7億6,891万6,900円です。

②令和2年度(2020年)の決算書を見たら、
宿泊税の収入済額は、「423,814,400」と記載してあります。
つまり、4億2,381万4,400円です。

③令和3年度(2021年)の市税のあらましを見たら、
宿泊税の予算額は、4億6,000万円と記載してあります。

念のため、資料を画像化して添付します。

 小間井さんが話した、年間10数億円の宿泊税収入ですが、実際は、
年間8億円位(令和元年度)ですね。
おかしいなと思い、金沢市の令和3年度諸税を見てみました。
すると、宿泊税の詳細には、各年度ごとの宿泊数と調定額が記載してありました。下記に画像を添付します。

 令和元年度の宿泊数ですが、
①税率200円(1人1泊20,000円未満)の宿泊数は、3,731,555泊です。
②税率500円(1人1泊20,000円以上)の宿泊数は、     46,945泊です。

①の、3,731,555泊を365日で割ると、1日当たり10,223泊、
②の、46,945泊を365日で割ると、1日当たり128泊です。

①と②を合計すると、1日当たり10,351泊となります。

 ここで、金沢市内で、宿泊施設の客室数が何室あるのか確認してみます。
金沢コンベンションビューローのウェブサイトによると、
金沢市内の客室数は、

①都市ホテル、1,530室、
②ビジネスホテル、9,579室、
③旅館・簡易宿所など、1,530室、

合計 12,639室です。下記にリンクを貼ります。

https://www.kanazawa-cb.com/11stay.html

公益財団法人金沢コンベンショビューロー

 前述したように、令和元年度は、1日当たり10,351泊の実績がありました。金沢市内の全客室数に対して、
年間稼働率は、81.89%(10,351÷12,639×100)だったようです。

 仮に、客室稼働率が、年間100%、全ての客室の税率200円とした場合、
実現できる税収は、9億2,264万7,000円(200×12,639×365)となります。

 確か、小間井氏は、「たとえば、自身が市議会議員だった当時に、力をいれた、宿泊税ですが、大体、年間10数億円、外から、観光客から税収を頂く仕組みができました」と、発言されていました。
小間井氏によると、「子育て、教育予算」は、年間20億円必要らしいです。
宿泊税収入だけでは、あと10億円ほど足りないようです。

 小間井さんは、市議会議員を3期務められた、元自民党所属の人物です。
金沢市民に対して、誤った(誇張した)税収額を発言されるはずが、ありません。小間井さんの本心を聞いてみたいと思っている金沢市民の方々が多くいると思われます。

小間井さん、今後も、金沢市民へ対して、年間税収20億円を実現できる具体案を教えてくださいませ。

以上。2022年3月20日


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