【論文紹介】Choice of Implicit Signal Matters: Accounting for User Aspirations in Podcast Recommendations

文献情報

タイトル:Choice of Implicit Signal Matters: Accounting for User Aspirations in Podcast Recommendations
著者:Zahra Nazari, Praveen Chandar, Ghazal Fazelnia, Catherine M. Edwards, Benjamin Carterette, Mounia Lalmas
会議:TheWebConf 2022

概要

あるサービス上でのユーザのアイテムに対するimplicit feedbackとみなせるユーザの行動が複数種類存在することがある。この論文では、Spotifyでのポッドキャストを対象に、ポッドキャスト内での番組のフォローと、番組内の動画の再生という2種類のimplicit feedbackを扱い、implicit feedbackによって推薦結果やユーザの振る舞いがどのように異なるかを検証する。

従来研究との差異

推薦モデルを提案する研究では、複数種類のimplicit feedbackが考えられる場合でも、その中の一つだけを扱うのが一般的である。しかし、それでは推薦結果にバイアスがかかることもあり、エコーチェンバーやフィルターバブルといった問題につながる。本論文では、implicit feedbackの種類の違いが与える影響を調査したうえで、そうしたバイアスを除く推薦手法も提案する。

推薦結果への影響

ユーザに番組を推薦する際のimplicit feedbackの種類の影響を調べる。以下の2種類のimplicit feedbackを扱う。

  • Subscribe:ユーザuが番組pをフォローしていたら、uとpのペアを正例とし(p内の動画を再生していなくてもよい)、uのフォローしていない番組を負例とみなす。

  • Play:ユーザuが番組pの動画を1件以上再生していたら、uとpのペアを正例とし、uが1件も動画を再生していない番組を負例とみなす。

深層学習ベースの手法で各implicit feedbackを使った際に推薦される上位10件の番組のカテゴリを比較すると、Subscribeを使った方が「Knowledge」カテゴリの番組がPlayよりも2倍以上多く推薦され、逆にPlayを使った方は「Politics & Current Events」と「Sex & Relationship」カテゴリの番組がSubscribeよりも約2倍多く推薦された。

ユーザの振る舞いへの影響

「Knowledge」カテゴリの番組はフォローされやすい(Subscribe)一方で番組内の動画は再生されづらい(Play)のに対して、「Sports」カテゴリの番組は動画が再生されやすい(Play)などの傾向が見られた。番組ごとに、番組がフォローされやすいのか、実際に番組内の動画が視聴されやすいのかを、番組のメタデータを元に回帰で予測するタスクにも取り組んだ。


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