【論文紹介】Exploring the Impact of Temporal Bias in Point-of-Interest Recommendation

文献情報

タイトル:Exploring the Impact of Temporal Bias in Point-of-Interest Recommendation
著者:Hossein A. Rahmani, Mohammadmehdi Naghiaei, Ali Tourani, Yashar Deldjoo
会議:RecSys 2022

概要

チェックインサービスでレジャー関連のチェックインが多いユーザは、仕事関連のチェックインが多いユーザよりもPOIの推薦精度が高い傾向にあることを示し、POI推薦におけるユーザバイアスの存在を明らかにした。

従来研究との差異

POIの推薦手法を提案した研究は多数行われてきたが、本研究ではPOI推薦において、ユーザ群(レジャー関連のチェックインが多いユーザ群と、仕事関連のチェックインが多いユーザ群)の間での推薦の公平性を調査した点に新規性がある。

実験

YelpとGowallaのデータセットを使用。午前8時から午後6時までを「仕事時間」、それ以外を「レジャー時間」と定義。各ユーザの仕事時間とレジャー時間でのチェックインの比率を求め、仕事時間の比率が高い上位20%のユーザ群を「仕事重視ユーザ」、レジャー時間の比率が高い上位20%のユーザ群を「レジャー重視ユーザ」として分類。

POIの推薦手法として、2種類のSoTA(GeoSoCaLORE)を使用。下図のように、いずれのデータセットと手法でも、「レジャー重視ユーザ」の方がnDCGが高かった(図は論文より引用)。「レジャー重視ユーザ」と「仕事重視ユーザ」では、平均チェックイン数等のアクティビティの高さはほぼ同じであり、この推薦精度の差はチェックインの頻度が高い時間帯の違いに起因するものである。

実験に用いた推薦手法では、例えばGeoSoCaであれば、あるPOIの推薦スコアを計算する際に、geographical、social、categoricalという3種類の各コンテキストでのスコアを計算し、それらの積を最終的な推薦スコアとしている。実験では、これらの和や多項式回帰で最終的な推薦スコアを計算したときに、「レジャー重視ユーザ」と「仕事重視ユーザ」の推薦精度の差がどのように変化するかも検証している。和や多項式回帰を採用することで、それら2つのユーザ群間の推薦精度の差は小さくなるので公平性は高まるが、両者ともに推薦精度自体が下がることなどを示している。

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