第五章: アイアン・オタク ~ シュウゾーの場合

シュウゾーは撮っていた。

文字通り、競技中にカメラを回していた。

この特別な舞台、アイアンマンでの全ての瞬間をカメラに収める為に。

アイアンマン・ケアンズのスイム・スタート前、トライアスロン仲間の、シンジ、ノリコ、ハラダ、マツイのそれぞれの意気込みとアイアンマン直前の緊張した面持ちを撮っている。

しかもシュウゾー自身もこれからアイアンマンに挑むのだ。

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テクノロジーが発達して、このようなアクティブ・スポーツをデジタルに支える面は急速に増えている。

自転車や、走っている時の映像を撮る、防水型のカメラも小型化し、GoProやSonyなどから簡単軽量に付けられて、驚くように高精細の映像を残す事ができるようになっている。

また競技中のデータも様々な形で取得可能だ。

移動しているGPS情報から、スピード、自転車のクランクが回る数のケイデンス、ペダルを踏む強度、その時の心拍数に、その日の天気まで。

すべて腕時計型のGPSウォッチで測れる。

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それにしてもシュウゾーのデジタル・オタクぶりはグンを抜いている。

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