リバーサイド物語

川の近くに住むってなんかいいじゃないですか。
川の大きさもそれぞれ、川の近くのどんな家に住むかもそれぞれ。ここは幾つか妄想をしてみようじゃないか。共通の認識として夏を設定しよう。

まずは小さな川の近くに住むというシチュエーションからだ。小さい川はそうだな、きっと底の浅い清流とかだろう。もしかしたら用水路かもしれない。川の側には青く草が茂って涼しげな川の流れとは対照的に少し暑苦しささえ感じる。
そんな少し田舎めいた土地を流れる川の近くの平家に住んでいる。縁側に座っていると雲のない空から太陽の光がこれでもかと降り注いでくる。そんな中でも近くにある川の流れは相変わらず涼しげだ。
あまりにも暑いので川の方に行き、足だけ川に入る。とても気持ちが良い。このまま夜まで川で遊んでいたい、そんな思いとは裏腹に家族から呼び出しがかかり慌てて家の中に戻るのであった…

う〜んそんなに田舎には住みたくねぇな。平屋よりはアパート/マンション派だし。じゃあこんなもん書くなって?妄想はいくらしてもいいからね。

はい次。川の大きさは中くらいとしよう。大体川幅は10〜20mくらい。神田川とかそんくらいを想像するといいかもしれない。
住宅街を断つかのように流れる川のすぐ近くのアパートの3階に自分は住んでいる。和室がある少し古臭いアパートで、それもまた趣というものだ。ベランダがないので窓を開けるとすぐに眼下には川が見える。
夕刻、そんなアパートへの帰路で川沿いの道を歩く。あまり綺麗ではない川面にオレンジ色がざらっとした質感で反射している。
家についたら窓を開けてさっきまで隣を歩いていた川を見下すように窓際に座る。夏とはいえ、川のおかげか少し涼しいのがこのアパートの好きなところだ。帰り道で寄ったコンビニで買ったカルピスを飲む。少しぬるくなっていた。そんな微妙な気持ちを抱えて夜になっていく。

あ〜絶対この規模の川は臭いからあかんわ。現実問題。
窓開けたら一気に生臭いというか藻の臭いというかとにかく絶対臭い。地元の川がそうだからそう。くっせぇ川にエモさなどございません。

最後は大きい川。江戸川とか荒川とか多摩川。
住んでいるのは結構河口の方でマンションの7階らへんが良い、ちなみ実家。あ〜イイっすね〜羨ましいわ〜。
夏の夜といえば花火大会。毎年家から少し離れたところには屋台が出ていて人々で賑わいを見せる。子供の頃からこの賑わいが好きで、友達とよく色んな屋台を周ったもんだ。そしてみんなで河川敷から花火を見た。子供ながらにこんなことが毎年続いて、何年後でもこの友達らとこうやって花火を見るんだろうな〜と思っていた。
時は流れ大学生になり、友達にも恋人や他の友達ができて中々予定が合わなくなってきてここ数年花火大会も誰かと見ることがなくなってしまった。
夕方までのバイトが終わり、家に帰る途中ふと今日が花火大会であることを思い出した。家からは少し離れているが、気まぐれで少し寄ることにした。
屋台はあの頃と変わらず子供達で賑わっていた。そしてこれを遠目から見つめる自分。時の流れとはこういうものなのか。少し寂しくなりそのまま家に帰った。
家に着いてぼうっとしてたら花火の上がる音がしたのでベランダに出て少し右の方を見ると、そこそこ花火が見えた。一人で見る花火も味がある、しかし先ほどのことを思い出しやっぱりすこし何か足りなくなる。花火を見ながら感想を言い合える人が隣にいるというのは幸せなのだろう。それが恋人でも家族でも友達でも。

いや〜これだけ妙に饒舌ですね。いや別にフィクションですからね。体験談とかではないので。ちょっとずつそうい記憶はあったかもしれないけど。

そういう訳でだいぶ長くなってしまいましたがktkm_c7リバーサイド物語はこれにて終幕です。何が言いたかったかと言うと、特にありません。強いていうなら地元の川がくせぇといことでしょうか。川の近くに住むなら臭くない川を選びましょう。


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