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硬くて粘り気のある優れたステンレス

機械の部品だったり、キッチン用品だったり建材だったりと意外と身の回りのいろいろなところで使われている「ステンレス」。
耐食性に優れていてしみや汚れ・キズなどがつきにくい金属の種類の一つ。
ぼくが仕事をする建築現場でもたびたび扱うことのある「ステンレス」は、鉄製とは違ってステンレスにはステンレスの扱いかたがあるので注意が必要です。

ステンレスのことが細かく書かれているステンレス協会には、鉄にクロムを添加することで表面に薄い酸化皮膜を作り、この酸化皮膜が傷ついても酸素や水と結合してすぐに再生する機能をもっているうえに、腐食を引き起こす物質をはじくそうで、周囲に酸素があれば勝手に再生する機能があることから耐食性に優れたものがステンレス。と書かれています。種類も100種類以上もあって、「SUS304」「SUS430」とか。。。覚えきれないぐらいで、用途によって使い分けも可能なステンレス。

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↑髪の毛のような細い磨きキズが入ったヘアーライン加工のステンレス。

英語では「stainless steel」っていう表記から
stain(ステン)= しみ、汚れ、キズ、less(レス)= ○○○しない、steel=鉄、という名前の通りから「錆びない鉄」という意味になります。
「錆びない鉄」と直訳できても、鉄製と比べて「錆びにくい」という表現の意味も含まれているので、使い方・扱い方次第ではステンレスでも錆びてしまうこともあるので注意が必要なんです。

ぼくが現場で見かけることのあるステンレスが錆びている時の一番の原因は、「異種金属」。
ステンレスと鉄製、ステンレスとアルミとか違う素材の金属同士が接触しておこる「異種金属接触腐食」と呼ばれるものです。違う素材の金属を接して使用するとある一方の金属に集中して激しい腐食がおこってしまいその錆びがうつってしまうことがあります。もらい錆びとかとも言われています。
これはステンレスだけに限らず鉄製の金属でもおこってしまう錆びの原因なので気をつけないといけません。

そしてステンレスは粘り気があって硬い素材です。
ステンレス製の物に鉄製のキリを使って穴を開けようとしたり、ビスを使って留めつけようとしたりすると、すぐに先端が焼けてしまうことがあり、使い物にならないことがあります。これはステンレスの粘り気に鉄製が負けてしまって焼き付いてしまっておこります。

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こうしてステンレス用のキリも市販されているので、ステンレスに穴を開けるなら、ステンレスのキリを使えば難なく開けることできます。

特殊な素材っぽいステンレスも、素材の違う金属と接触しておこる「異種金属」を避ければより錆びにくい金属となり、またステンレス製の物はステンレス製の物、同じステンレス製同士の物でぶつけてあげると扱いやすくなるのが優れもののステンレスです。




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