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自由なサイズの穴を開けられる工具、「自由錐」

建築業ではビスを留め付けるドライバーや資材をカット・切断する丸ノコや研削・研磨に使うグラインダーなどいろいろな種類のたくさんの工具があります。その中でもあまり馴染みのない工具が「自由錐」。
自在錐とかサークルカッターなどともよばれ、丸い穴を開ける電動工具の先に付ける工具です。「自由錐」は、その名の通り自由にサイズが調整出来る(自由錐のサイズにもよります)、丸い穴を開けれることができる便利な工具の一つです。

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数ある工具の中でも建築業の業種によっては扱うことはない「自由錐」。
最近では、DIYの流行りでホームセンターでも購入ができます。
センタードリルの両側に対で付いてた外刃と内刃が回転し、材料をえぐるように切り取ることで丸い穴が開くことができる工具。
この「自由錐」の優れているところは、サイズが自由に調整できるところです。
よく穴を開けるための工具には、ホルソーとよばれる工具をありますが、

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開ける穴のサイズによって、ホルソーのサイズも変える必要があります。

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また穴を開ける材料の素材によって刃の形状が違うので、ホームセンターの売り場にいくとこんなにもたくさんの種類がホルソーが並んでいます。
穴を開けるサイズや素材ごとにホルソーを揃えると大変なことになります。
そこで、そんな不便を解消できるのが「自由錐」。

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↑窯業系サイディング の「自由錐」や

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木材・構造用合板、石膏ボード、プラスチック用や

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薄い素材のアルミサイディングの穴を開ける「自由錐」は刃が一枚になっていたりして、穴を開ける素材ごとでセンタードリル・外刃・内刃の形状が違っていたり、自由錐の大きさで開けれる穴のサイズの範囲・板厚があるので「自由錐」自体の中にも種類もあります。

外刃・内刃を開けたい穴のサイズに調整して蝶ネジナットできつく固定したら、穴の外径の芯にセンタードリルの先端を合わせてドリル回転!
力任せにドリルを押し付けても開けづらいので、押したり・引いたりの少しの力加減で穴開け。センタードリルを垂直に下ろす事が大切で、センタードリルが傾くと外刃・内刃が転んでしまい暴れたり真っ直ぐに穴が開かないので注意が必要。また、「自由錐」周りには、カバーが付いていない刃が回転するので手や足などに当たらない様に、またドリルのコードが巻き込まれないように慎重に注意する必要があります。
と、扱いが少し難しく誰でもできる訳でもなく建築現場の職人さんが使うタイプの「自由錐」なので一般家庭にはまず馴染みのない「自由錐」。
ぼくがこの「自由錐」を使う場面は、建物の天井の中の空気を通気するためのベントキャップとよばれる箇所での穴開け。

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こんな感じに天井の中にこもってしまう熱・空気を外に逃すために穴を開けることがあります。この丸い穴を開ける時に使っているのが「自由錐」。

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ベントキャップを取り付けることで、天井の中の熱・空気の通気口となり、雨水・虫が入ってこないようにすることができます。

一般住宅やマンション・アパート、倉庫など「自由錐」を使って仕上げたいろいろな建物があると思います。建物を仕上げるためにいろいろ工具が必要で、その中でもあまり出番がなく馴染みは薄いけど、丸い穴をきれいに開けれる「自由錐」の紹介でした。

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