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足場屋さんと鳶さんの違い。

建築の現場で、ほぼ毎日のようにお世話になっている「足場」。建物の外周りを囲い外壁や高いところを施工する時には必須の工事。なので、外装の仕事をするぼくにとってはほぼ絡みのある工事となります。
ぼくが建築に携わった頃、足場を組む職人さんは「鳶」さんって呼んでいた記憶があったけど、最近「鳶」さんって呼ばなくなった気がしました。
足場屋さんと鳶さん、と何が違うんだろう?ふと疑問に思い、足場を組んでくれた足場屋さんの親方に聞いてみたところ、ある定説が存在することがわかりました。

足場屋さんの親方曰く「足場屋」と「鳶さん」の違いは、組む足場の材料・施工方法の違いがあるそうです。(そんな明確な理由があったとは。。。)
足場屋さんはビケ足場を使って足場を仕上げる職人さんを俗に足場屋さんと呼んでいるそうです。1980年頃に開発された足場らしく、くさび緊結式足場とも言われ、くさびになっているところにハンマーで打ち込んで組み上げていく足場です。コンコン・カンカンと打ちつけている足場で、狭いスペースや盛り変え組み換えが楽で、ハンマー一つで組み上げることができる足場としてよく住宅の工事などで見かける足場です。


そして鳶さんは枠組み足場を使って足場を組んでいく職人さんだそうです。

門型の形をした枠を筋交い・布板などを使い組みあげていく足場。強度があるので高層の建物に向いているらしいですが、工期がかかり、材料置き場のスペース、部材の種類が限られているので、あまり住宅や狭い場所での組み立ての融通がきかないそうです。

大きな違いは、ビケ足場と枠組足場の違い。
ビケ足場って、ハンマー一つで組み上げることができるから、大げさに言うと誰でもできる利点があるそうです。そして工期がかからないので、コストカットもできるようになり、最近ではビケ足場が主流になってきているとのこと。ただし、ビケ足場は強度が弱いため、高層の建物には不向き!なので、31mを超える高層の建物には枠組足場を使用することが多いそうです。
扱う足場材で呼び方が変わるとすると、ビケ足場は低層・中層の建物。
かたや枠組足場は、31mを超える高層の建物。
どちらも高所作業だけど、高所のレベルが違う。
だとすると、ビルなどの高層は鳶さん。住宅などの低層は足場屋さん。とも分けられる。

鳶さんの由来を調べてみると、高所を華麗に動き回ることから「現場の華」とも言われたそうです。また、鳶さんの種類には、足場鳶・鉄骨鳶・重量鳶・送電鳶などがあってそんじょそこらの経験ではできない職人さん。
命綱一本つけて動き回る姿は、まさに現場の花形。

ぼくの中で足場屋さんと鳶さんがごっちゃになってしまったけど、こんな明確な別れていたとは。扱う足場の種類。そして、施工する高さ。

複雑化する住宅で新しい資材の開発をし工期・コストを縮めた、足場屋さん。肝が縮む高層の建物を安全に組み上げる鳶さん。
扱う資材・高さが違えど、一番で乗り込み、最後に終わる仕事。
建築にはどちらも外せない工事としては一緒なのかな。
明日もご安全に!


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