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テクノロジーで、もっと優しくて、もっと面白い世界へ。

この記事はWHILL ADVENT CALENDAR2019 10日目の記事です。ギリギリ間に合いませんでした。

去年(2018年)新卒で入社したSonyを10ヶ月で辞めて、WHILLに転職して今月で10ヶ月が経ちました。

転職した今年1年を振り返りながら、なぜ自分がSonyを10ヶ月で辞めてWHILLに転職したかということを書いてみようと思います。

自分は大学の頃から、障害者の方々の為のアシストデバイスの研究を行ってきました。
最初は白杖のロボット化の開発をしていて、手話の翻訳デバイスの開発をしていました。学部の専攻は工学部で、特に制御工学や情報工学、大学院ではHCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)の分野を専攻していました。

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それと並行して、落合陽一先生の研究室に共同研究学生として、協力していました。こちらでは、VRや空中フォグディスプレイやインタラクションなどのいくつかの研究プロジェクトに微力ながらお手伝いさせていただいていました。

このような、2つの研究室でバラバラな活動をしていたように見えるかもしれませんが、自分の中では、「テクノロジーで、もっと優しくて、もっと面白い世界にしたい」という思いがありました。これは自分が20歳になったころに、自分で決めた、自分の生き方です。

何か困っている人たちに、丁度良いテクノロジーで解決策を提供することができれば、世界はもっと優しくなれるだろうし、
最新テクノロジーで、できることが増えれば、今よりもきっとワクワクする面白い世界になるだろう。という思いです。

こんなことを考えながら、学生の頃、周りの人に協力してもらいながら、いくつかの作品の制作や研究などを行ってきて、その成果の一部が認められ、卒業する時には学長表彰までいただくことができました。
(学生の頃の活動はこちらの記事にまとまっています)

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そんな自分が就活するにあたって、人をワクワクさせ、感動させることのできる仕事がしたいと感じました。
学生の時、色々なものづくりをしていて、自分が作った新しいものを他の人に見せた時に、その人の目がキラキラするのを見るのが、他の何とも代え難く、そういった仕事をしたいと思うようになりました。

Sonyは創業時から、ラジオ、テレビ、カメラ、ゲームなど、人々をテクノロジーで感動させることに力を入れて、製品開発をしている会社のように自分は思いSonyに入社したいと思うようになりました。
「なぜ他のメーカーじゃなくてSonyなのか」と面接官に聞かれた時に、
生意気な僕は「炊飯器を見てても、あまり感動しないから」と答えました。

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[写真] 昨年閉館してしまったソニー歴史資料館で見つけた井深さんの言葉。

そしてSonyのR&Dの部署に配属されました。
Sonyには優しい人、面白い人、技術力が長けている人など、今まで人生で会ったことのないような人たちと出会うことができました。
しかし10ヶ月で辞めました。

その理由は主に、スピード感とタイミングでした。
大きい会社で大きい組織だと、どの会社でもスピード感が遅くなってくることはあると思います。特に自分が所属していたのがR&Dというのもあり、世の中にものが出てくるまでにかなりの時間がかかる印象を感じました。
学生の時の自分は大企業のR&Dというのが、世の中からこんなに距離があるものだとは知りませんでした。
また、R&Dでは、自分が作っているものがお蔵入りして日の目を見ないということもあると思います。
しかし、自分の思いとしては、まず世の中に出ないと意味が無いのです。
大量に売れるものじゃなくてもいい。誰かをワクワクさせ、世界をアップデートするテクノロジーを何らかのパッケージにして、世の中に問いたい。という気持ちが強くありました。
2020年という東京オリンピックで世界中が否が応でも日本という国に注目するこのタイミングで、世界をワクワクさせるテクノロジーの開発に携わりたいという気持ちも強くありました。
いつか歳を取って、2020年を思い出した時に、「あぁ、あの頃は議事録を書いていたな…」という風にはしたくない。と思ったのです。

こういった違和感とモヤモヤを感じて、社内での異動も考えていました。色々な人に相談していました。
そんな時、大学の時の同期と元Sonyの知人に誘われてWHILLに遊びに行くことがありました。

WHILLはパーソナルモビリティのハードウェアスタートアップです。
「100m先のコンビニに行くのも諦める」という車椅子ユーザーの言葉をきっかけに、走破性能が高く、デザイン的に優れた電動車椅子を作るところから始まり、現在では自動運転のパーソナルモビリティの開発もしています。

WHILLで色々な人と話してみて、自分に似たことを考えている人が多いと感じました。今の自分の上司である白井さんも元Sonyで、会って話してみると、共感するところがとても多かったです。

そこから少し悩むこともありました。
せっかく新卒でSonyに入ったのに、1年も経たずにやめてしまうのはもったいないんじゃないか。という気持ちもありました。
ベンチャーに転職したら忙しくて大変なんじゃないかという不安もありました。
しかし、ここで、チャレンジしないことを選んだら、一生チャレンジできなくなるような、何となくの強迫観念がありました。

E.B.ホワイトは、農場を持っている友人から、電流を流せる柵の多くは実際には電流を切っていると聞いて感心したそうだ。牛は一度感電を経験したらそういう柵に近寄らないようになるから、電流を流し続ける必要はない。「立ち上がれ、牛たちよ!」
ポール・グレアム ハッカーと画家 p.89より

ハッカーと画家の一節ですが、
不安だと感じている電流は、実は流れてないんじゃないか。
不安に思っていることは、飛び込んでみたら、案外平気なんじゃないか。
もし流れていないのなら、それは飛び込まないことの方が機会損失なのではないかと思うようになりました。

時は経ち、今月でWHILLに転職して10ヶ月が経ちました。

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[写真] 自分のデスクで、上司の白井さんと

忙しい日々ですが、毎日充実していて、面白い仲間達と楽しく働いています。たまに街中でWHILLに乗っている人を見かけると、とても嬉しい気持ちになります。転職してよかったなと思います。

そして、ついに先月、実証実験という形ですが、入社してから自分が開発に携わっていたWHILLの自動運転システムが羽田空港で実験を行い、その様子が公開されました。

これは、自分が社会人になってから初めての仕事でのアウトプット(=世の中に出たもの)でした。今後も継続して、実証実験の先のサービスローンチを目指し、チームでUI/UXを改善をしながら、開発していきます。

今後もWHILLで、新しいことにどんどんチャレンジして、テクノロジーでもっと優しくてもっと面白い世界にしていければ良いなと思います。

長くなってしまいましたが、お読みいただいてありがとうございました。

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追記(2021/06/29)
この記事を書いてから、2年ほど経ってしまいましたが、
2020年6月から羽田空港第1ターミナルで自動運転サービスが正式導入されました。 (https://whill.inc/jp/news/27556 )

その後、2021年6月に羽田空港第2ターミナルでもサービスが開始し、サービスのエリア拡大が進んでいます。(https://whill.inc/jp/news/30405 )

並行して、他のいくつかの病院などの公共施設で、サービスが展開されています。
空港や病院で自動運転のWHILLを見かけたらぜひご試乗ください。

また、自動運転モデルだけではなく、購入モデルのModelC2もあり、こちらも微力ながら自分が開発に携わらせていただき、2020年9月に発表&発売となりました。 (https://whill.inc/jp/model-c2 )

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追記(2019/12/13)
WHILL, inc. では、MaasビジネスなどWHILLを使った新しいサービスを立ち上げる仲間を探しています。

色々な募集枠があります。もし興味があったら、見てください。
→ https://www.wantedly.com/companies/whill/projects
ここに掲載していない採用枠もありますので、もし話を聞いてみたいという方がいましたら、 @ktansai までDM or リプライ等いただけたら、質問回答orご紹介します。
僕たちと、世界を一緒に驚かせませんか。

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