「好き」と「嫌い」の成立条件

人間関係の心理学の研究では、それぞれ「好き」と「嫌い」には成立条件があり、それぞれ以下の条件や状況があるとされています。

「好き」の成立条件

1. 相手からの行為や賞賛:自尊心の是認、互恵性、サポートなど
2. 相手との相性:趣味や性格、育ちなどの類似性、相補性など
3. 自分の心理状態:自己評価、生理的興奮、アルコール度など
4. 相手の人の魅力:外見、容姿、服装、匂いなど
5. その時の状況や環境:対人距離、温度、風景、危機など
6. 相手との相互作用:その期待と実際の相互作用、言葉や行動のやりとり、自己開示など

「嫌い」の成立条件

(基本的には「好き」の成立条件の逆)
1. 自尊心を傷つけられたとき
2. 相手が自分を嫌っているとき
3. 趣味や意見の不一致のとき
4. 心理的不利益を受けたとき
5. 自分の心理状態が悪いとき
6. 自己領域が侵害されたとき
7. 相手の容姿や行動
8.そのときの状況や環境

好きも嫌いも、相手が自分のことを好きであれば好きになり、嫌いであれば嫌いになる、という互恵性があります。嫌いの場合は、好き以上に明確に示されると言われています(嫌悪感報復性)。

この成立条件について、個人的には「嫌い」の成立条件は頭に入れておいた方が人間関係において役に立つと思いました。
例えば、同じ職場の中に嫌いな人がいる場合、友人関係とは違って関係性を維持しなければいけない状況もあると思います。その際に、「なんとなく嫌い」の状態で関係を続けていくよりも、いったいどの成立条件によって嫌いの感情を持っているのかを把握できていた方が、冷静に対処ができます。
コーチングのアプローチでも、「嫌い」などのネガティブな感情を持っている場合、どうしてその感情が引き起こされているか、と一段上の視点で自分を見ることが、ネガティブ感情をコントロールの第一歩となります。

参照書籍:


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