ブランドの価値

つくづくブランドの価値って何だろうと思うことがある

私の家のダイニングテーブルには30本入りの青汁が長方形の箱に入れられたまま置いてある
飲む人はそこから一本取っていくが、箱だから中が見えない。
最後の一本を飲む人が言えばいいのに、手で探ったら空っぽだったということが何回もあった。

そこで、母が考えたのが、箸立てのようにカップに青汁の袋をさすというやり方だ。
それで、何本残っているか一目瞭然であり、補充もしやすい。
母がその入れ物に選んだのは、ずっと日の目を浴びることなく押入れに仕舞われていたマグカップだった。
アンティークに詳しくはないが、口をつけるところに所々剥げた金色の染料とその下にリボンの絵柄が一周描かれ、可愛らしいマグカップだった。

こんな可愛いマグカップが収納されていたことに驚き
「なんで今まで出さなかったの?」と母に訊くと
「可愛いからもったいなくて。でも使わないのももったいないから出した」
とのこと。

へえ、と思いながら、私はカップの裏を見た。
Bone china、とか、カップの底には名前が書いてあるから。
ただそれだけの理由で、何とは無しに。


そして、私は絶句した。

そこには、女性を魅了するブランド
「YSL(イブサンローラン)」のロゴが書いてあった



ブランドは、知っている者からすれば価値もわかるが
知らない人にとっては、100円ショップで買った品物と同等だ。

だからダメだ、とか非難したいわけではなく
ブランドを持っているからすごいとか、ブランドを知らないから馬鹿にするとか
そんなマウントはやめようと言いたい。
人に自分の価値観を押し付けることほど愚かなことはない。

好きなブランドがあればそれを自分の中だけで愛でる。
それがそのブランドの価値をさらに上げている気がする。

おわり

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