NKODICEが軽く炎上した件(前編)

拙作の『NKODICE』というゲームを巡り軽い炎上案件が発生した。その経緯について。
(ゲームが少し売れたことによって、若干調子にのっているような自覚があり、内容も不快かもしれないです。あとで消すかもしれない。ですが事実関係に基づいて書いたつもりです、あと文章クソ下手です)

まず『NKODICE』について簡単に説明すると『う』『ま』『ち』『ん』『こ』『お』の6文字で構成されたダイスをふりスコアを競う、チンチロリンをベースにしたゲームで、役が成立すると下ネタになる要素が小学生レベルの感性をもった人たちに好評を博し、PC向けに先月(2021.05.29)リリースして以降コミュニティや口コミなどで徐々に広まり、最近はVTuberによる配信も行われるようになっていた。

個人系VTuberの『NKODICE』配信がわりと好評だったようで、企業に所属するVTuberも徐々に配信を始める中『NKODICE』の配信を許可しない方針を採る企業も現れ「自分も下ネタを言わないアイドルを推してるからその方針、わかる」と思いながら遠巻きに見ていた。
同じ頃、配信可能なVTuberのファンと、配信不可なVTuberのファンの間でちょっとした論争が起こっているのも漏れ伝わってきていた。

そんな中、配信不可の企業に所属するVTuberの方が「『NKODICE』を配信したかったが上の許可が下りず断念した」という趣旨のツイートをしていた(当該ツイートを探したが発見できなかったため、もしかしたら削除されたのかもしれない)
この時点で作者として嬉しかったが、さらに

自作『NKODICE』(的なもの)を作り始めていて、自分の作品に二次創作が出来たことなどなかったので非常に嬉しく思い、その動向を見守っていた。

そしてついに

ゲームが完成して配信されることとなり、配信開始10分前から心を踊らせ全裸待機していた。ここまではとても幸せな人生。


そして配信が始まる「例のダイスゲームが遊びたすぎて暴走し危険なので、自作の偽NKODICEを3日かけて作りました!」ありがとうございます...感無量。視聴者数もモリモリ増える、普段よりかなり多いらしい。
ゲームが始まる、同接1000人を超える、オープニングまである、凝っている。和室に佇む味わい深いキャラが二人、キャラはご自身で描かれたらしい。最高。ありがとうございます。
『真剣勝負!始め!』の表示とともにダイスをふる、カットイン的な演出、3日とは思えない丁寧な作り、ありがとうございます。
ダイスの結果が出る、なるほどこういう表示、ん?ひらがなの目とともに、なにか梅干しのような赤い丸がある。独自要素かな。またダイスをふる、結果が出る。ひらがなと赤い丸。ん?もう1回、よく見ると『ま』が無い。

『ま』が無い?

いや、それはそう。『NKODICE』が配信出来ないからマイルドにしたものであり、最も危険な『ま』を無くした。正解。というかさっき「『ま』を無くしました」と言っていた気もする、目の当たりにして初めて気づく。
同時に自分の中で猛烈な違和感が湧き上がってきた。


ものを作る時に、あえて言わないようにしているがひっそりと込めているメッセージ・意図・コンセプトのようなものがある(無いこともある)。それは言ってしまうと受け手が意識してしまって伝わり方として面白くなくなるので普段は言わない。が、今回は違和感の原因となっているので説明すると

「なぜ『ちんこ』は大っぴらに口に出せて、『まんこ』はダメなのか。ていうか言っていい世界のほうがよくね?」

という、長年考えてきたが文化的な素養も学もないため全く答えを出せていない(しょうもない)疑問を、『ち』と『ま』を同列に扱うことで、考えてもらったり、あわよくば詳しい人に教えてもらったりできるのでは?という意図が、ちょっとだけあった。ジェンダーなんやらが叫ばれて久しい昨今、そのあたりまったく詳しくないが、研究されている方もいるかもしれないし。

だから『ま』が無くなったことで、本質の一部が欠けてしまったように感じたのだと思う。

「『ま』を無くしたら、上から配信を止められなかった」という話もしていた(上の許可とってるんですね)。この点においても「その理由が明確でない、既存の、なんとなく綺麗なルール・基準に迎合して個人開発者までもが自主規制をしてしまう昨今の風潮に抗いたい」というこれまた別のコンセプトに対して真逆のアプローチだったので違和感が増幅してしまった。抗って欲しい。せめてなぜ『ま』がダメなのか考えてから無くして欲しい。そう思った。

『NKODICE』はその内容からスマホアプリでもコンソールでもリリース出来ない、海外では絶対に売れない。という状況の中で、時間をかけて考えた末リリースに至ったものだったから、3日で制作されたゲームが(こちらが勝手に思っている)本質的な部分を伴っていないまま(勝手ですみません)配信されているのを見て、違和感に繋がってしまったのだと思う。違和感の原因ここまで。

ここで気づく「今の自分、二次創作にケチつけてる老害」
すみません、ほんとそれ。3日で作られたとは思えないクオリティの二次創作、とても嬉しい。そしてそれを楽しむファンの人達。最高の関係、なにも間違っていない。こちらが考えてるどうでもいい『本質』とやらを勝手に押し付けギャップに違和感を感じているだけ。そのとおり。だが、自分は自分が作ったものに対しての厄介オタクなので、どうしてもこうした感情も若干湧いてしまう。自制していきたいですが。


配信に戻る。


そのクオリティからファンの熱も高まる。猛スピードで流れるチャット欄。スーパーチャットも飛び交う、1万円のもある、海外のファンも多いようで日本円換算でいくらなのかわからないやつも飛び交う。「面白すぎるw」「すごいクオリティ!」「天才!」「神ゲー!」絶賛の嵐、正しい。オタクは全肯定が前提。さらに実際よくできている。

とても盛り上がっていてこちらも嬉しくなる。と、同時に湧き上がってしまった違和感が首をもたげ、多少の『つらさ』が発生してきた。自分が意図したコンセプトとかけ離れた二次創作が、多くの人から大絶賛されて、高額のスーパーチャットが飛び交っている状況。いや、それはいいはず、二次創作として正しい。ファンも楽しそう。

そんな中

「本家より面白そうなんだがw」
ウッ

「本家より面白くないかこれ」
ウァァ

「本家よりむしろやりたい」
アァァ

というチャットが流れる。あ、なんかつらい。
いや、でもこれ知ってる。オタクが推しを褒める時に他のなにかを下げてしまうやつ!あまりよくないやつ。典型的オタク仕草。自分も地下アイドルのオタクだった時代によくやってたし「比べなくていいよ」と推しに窘められたこともある。
目くじら立てることではない。でもいざ食らってみると「これか」というつらさがあった。

配信はさらに盛り上がる、同接2000人を超える。さらに加速するチャット欄、飛び交うスーパーチャット。次々ダイスをふる、その目に一喜一憂し、面白い演出が熱狂の渦を作る。もう誰も本家のことなど覚えていない。結構しんどくなってくる。

『ま』のない下ネタが飛び交う。『ま』がない。アイデンティティをもたない下ネタが、流れるように消費されていく。表面的な面白さ。悪いことではない。これはいわゆる『ネタゲー』という括りだ。そして短いスパンで消費される。


最近のゲームの消費のされ方についても、色々と思うところがあった。年間800本のハイパーカジュアルゲームをリリースしている会社が上場したというニュースを見た。ハイパーカジュアルの世界は広告費でひっぱたいて回すモデルだから考えても仕方ないが、そこになんらかの創作や文化としての面白さが存在するとは思えず、例えが適切かはわからないがタバコやパチンコのような類の需要だと推測した。それはそれで需要と供給、悪いことではないと思う。
そういったものが流行る状況下で自分が何を作れるのか、諸々のリソースも考慮した上で『(最低)1~2時間楽しめる体験に対して、主観で納得できる価格(やや高め)をつける』というモデルを考えた。で『NKODICE』をそのコンセプトで作ってみた。
ベースに下ネタがある以上『ネタゲー』として扱われるのは避けられず、だからこそ『ネタゲー』の範疇に収まらないものにしたくて体験の質にこだわって作った。

この点においてもミスマッチが発生し、違和感が増幅してしまった。『ネタゲー』としてとても面白く、クオリティが高い。素晴らしい。最高の二次創作。なのにこちらが拗らせ厄介オタクゆえ勝手に違和感を覚えてしまった。


ゲームは最終ステージに突入する、負けると最初からやり直しなので白熱する。いいゲームだ。ファンの盛り上がりも最高潮を迎える。チャット欄もスーパーチャットも追えない勢い。
そしてついに「うんちうんこちんこ」コンボを決め、ゲームクリアー。ちょっと感動してしまった。だが、同時につらさもピークに達しつつあった。なんだろこれ。

エンディングが始まる。エモい曲が流れる。エンディングまでちゃんと作るの偉い。スタッフのクレジットが表示される「背景」「BGM」「効果音」・・・最後に「荒咬オウガ」と配信者の名前が表示される。
どうかな?本家には触れてくれるかな?触れてくれると心が救われます。おこがましいとはおもいますが...。

「終」

まあ、でないですね。

その後、クリアーの過程で出すことが出来なかった「おちんちん」を出すチャレンジが始まり、見事達成ののちアフタートークに入った。
チャットでは大絶賛の声が飛び交う。スーパーチャットも最高潮である。
「Steamで出してほしい!」等の声があるなか、ゲームの配布について「これでお金を取ることはできない、フリーで公開したことにより本家の売上が1本でも減ることは本意ではない」との話があり、ちゃんとしてると思った。
ただ、おこがましいかもしれませんが、そして叩かれそうですが、オリジナルのコンセプトを元にしたオマージュ・二次創作的コンテンツを、事前許諾なし(別物なので法的にはOKなんだと思いますが、この件については別途話したい)収益化ONで配信した以上、そこに触れることは最低限のマナーだと思った。そこを守っていただいてよかったです。加えて「本家も買ってね」的なアナウンスがあれば、もう少し救われていたと思います。

そしてTwitterでトレンド入りを果たす。配信者の名前で検索すると「オウガくん天才すぎた笑笑」「オウガくん天才か…?」「荒咬オウガは天才だ」「オウガさんは天才だと思いました。以上」「オウガさん天才すぎて」「神ゲー!オウガさん天才です!!」「オウガ天才で草」「やばいですけれと、荒咬オウガまじ天才ですwwww」「天才だなほんとにwwwww」「オウガさん最高!!天才!」と言った声で溢れている。
二次創作的なものだと思っていたコンテンツが、本家など到底相手にならぬ勢いで、独立した存在としてTLを席巻していく。
本当にすごいと思った。これがまさしく、現在のコンテンツの消費のされ方だと感じた。

楽しみにしていた配信であり、すごいものを見た、という気持ちもありながら、メンタルがやられ、疲労感が押し寄せてきた。


配信終了が近づく「お疲れ様!」「最高だった!」「神ゲーでした!」「ありがとう!」といった声が流れる。

そんな中ひとつのスーパーチャットが飛ぶ。


「¥1,000 作成お疲れ様代 本家以上に笑った」




目に入ると同時にメンタルが完全に終了、即「ホロなんとかが大嫌いになりましたね」とツイートした。何年もかけて作った拙作のゲームが、3日で作った二次創作に、『笑い』というこのゲームにおける最も重要なファクターで負けた。これが現在のコンテンツの消費のされ方であることを理解しつつも、これは創作の蹂躙だと感じてしまった。感情的になっていたと思う。

深呼吸をし、ツイ消しをした。自分のゲームを楽しんでくれてる人がいる中、作者がゴタついているのはよろしくない。

しかしここからが本当の地獄だった
(というか自ら地獄の門を叩いた)

先程のツイートのスクショが「んこダイスの作者ホロにキレてて草 しかも速攻ツイ消しはダサ過ぎるわ」という煽りとともにツイートされていた。その他にも同様の「作者お気持ちダッサ」というようなツイートが散見された。わりと自分のツイート見られているんだな、と驚いた。

自分もいい年であり、それなりの分別はあるので、煽りにのるようなことはない。といいたいところだが、件の煽りツイートを秒でRTし「ダサすぎる作者です。よろしくおねがいします」とツイートした。

攻撃的な人たちが自分のTLをいっせいに掘り始めた。なにか叩けるツイートはないか、全力で探し始める・・・!!

次回:NKODICEが軽く炎上した件(後編)- 誹謗中傷の嵐(そのうち書きます)

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少し時間が経ち、配信のことをもう一度考えてみた。配信者が面白い二次創作ゲームを作り、ファンがプレイを見て楽しむ。配信者もファンも他の一般的な配信と比較して露悪的・攻撃的な言動などはなく(本家との比較などはあったが、まあそのくらいある)自分がこれを見ていなければ、全員ハッピーだったのでは?ともなった。

自分はパンッパンの自尊心と承認欲求にまみれているので、自作のコンテンツに関連する配信を見ないほうがいい気がした。

ただ、もし事前に許諾の問い合わせがあり双方の齟齬をすり合わせることができていれば一番良かった。これは企業側のモラルの問題だと思いました。二次創作だから法的に問題ないのかもしれないですが、個人的には改善していただきたい。ちなみに『NKODICE』は収益化問わず自由に配信してOKという方針ですが、他の企業系VTuberに関しては全て事前に許諾の問い合わせがきています。

そもそも一般的な配信においてのゲームの消費のされ方って少し雑なのでは?とも感じた。以前の『天穂のサクナヒメ』での問題も典型例ですが。特に企業に所属する配信者さんであれば、製作者への配慮やモラル的な部分を改善していかないと、今後も同様のゴタゴタが起きる可能性は高いと思います。ゲーム作ってる人はわりと面倒くさい人が多いですし。

今回、荒咬オウガさんという配信者さんの件について書いてきたのですが、先にも言ったとおり他の方の配信に比べてひどいことをした、とか攻撃的だったというわけでは全くなく、むしろ丁寧な方だと感じましたし、二次創作の配信とそれを見る本家なるレアケースにおいてお気持ちが発生してしまったというものです。最初に書きましたが、自分のゲームをプレイしてくださってるうえ、二次創作をしていただいて嬉しかったですし、配信を見た後でも配信者さん個人に対する負の感情はありません。

ただ、ものを作る(大したものは作ってない)人間のはしくれ(ゴミ)としてゲーム配信全体に対してこれでいいのかな?というお気持ちを表明したくなってしまったので、このnoteを書きました。

荒咬オウガさんのファンの方々におかれましては、このような内容を読み不快に感じられる方が多いと思いますし、過剰な表現、事実に則さない点等ございましたらお気軽にご連絡下さい。真摯に対応するつもりです。また、今回書けなかったのですが誹謗中傷の件に関してはほとんどが荒咬オウガさんのファンからのものではなく、日頃から対立し攻撃的な言動をしている一部のVTuberファンによるものだと認識しております。

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